オンライン学会発表の味気無さ。やっぱり発表は現場(会場)でやらないと。 [雑感]

2021年9月。

今月初め、設備関係の某学会「全国大会」なるイベントがあり、2日間にわたり企業や大学の方々が成果を発表されました。ワタクシもマニアックなテーマで15分間の発表(講演)をいたしました。

学会活動に馴染みのない方には、なんのこっちゃ、なネタでしょうけど、ここ2年間で発表スタイルは「激変」したのであります。そう、コロナウイルスの影響によって、です。

2年前(2019年)までは、学会発表といえば、発表者、聴講者が同じ会場に一同に会し、教室や会議室で講義形式でプレゼンや質疑をしていました。

ところがコロナウイルス感染懸念から、2020年前半は学会発表は軒並み「中止」(事前に投稿した講演論文は、講演したものとみなし登録される)。そこから学会事務局さんの努力により、2020年後半からは会場に人が集まらない、というか、そもそも会場すら存在しない、

オンライン講演(WEB発表)、

形式に移行したのです。要するにリモート会議ですね。発表者はオフィスあるいは自宅からPCで「仮想会場」にアクセス、聴衆も参加してWEB上でプレゼンと質疑応答を行うものです。

ワタクシは今年の3月、今月、と2回、オンライン発表をやりました。率直な感想は、

味気ない・・・。むなしい・・・。

でしたね。PCの向こうにいる(のであろう)顔の見えない聴衆に説明するさまは、壁に向かって語りかけるようです。ヘンテコな気分で、手ごたえを感じないのです。

たしかに昨今、社内会議や業務打合せの多くはリモート(WEB)になりました。リアルに会議室に集まって対面しません。ただ、この場合は「相手がだれか」は分かっています。初対面のヒトがいても、会議の目的は共通認識として存在します。なので「味気ない」「むなしい」という気持ちにはなりません。机の上に図面を広げたり、ホワートボードに書けないのは不便ですが。

いっぽう学会発表。メインイベントの「プレゼン」がそもそも一方的行為です。そこで肝心なのは聴衆の反応です(あくまで私の場合)。リアル会場なら、聴衆の様子や雰囲気が掴めます。私はそれに合わせてプレゼンを「調整」します。かっこよく言えば、ロックアーチストが、ライブ会場に集まった聴衆のノリによってパフォーマンスを変えるようなもの。

オンライン発表では、当然、この手法は成立しません。顔の見えない聴衆に向かって、決められた時間内、淡々とプレゼンするだけ。その乾いた感じゆえか、プレゼン後の「質疑応答」も魂が薄いというかリアル感がない、というか。むなしさの上塗り状態です。

オンラインが、コロナ禍での苦肉の策なのは分かります。新幹線やヒコーキにのって「会場」に行く時間も手間も節約でき、全然いいじゃん、という考えもありましょう。

しかし、年寄りの私には、到底、馴染めませんね。

学会発表は、発表したらハイ終わり、さようなら、ではなく休憩時間の雑談、情報交換も重要であって、むしろそっちがメインではないか?とも思う由。

それに学会発表で「ご当地」に出向くって意外に楽しいです。自分の発表が終わった夜、その街の繁華街の酒場で、安ど感を肴に飲む酒はサイコーです。ここ10年だと博多、長崎、大分、岡山、富山、福井、前橋、仙台、山口、札幌、室蘭・・・で発表後酒を満喫しました。若い方々だと、そのくらいのインセンティヴがないと活動意欲がしぼむ懸念もあります。

ちなみに、私にとって過去もっとも遠かった発表場所は、イギリスのバーミンガム。渋~い運河がある素敵な街でしたが、私は「居酒屋」で地酒(日本酒)を呑みたいので、会場は日本のほうがいいや。

今年8月、札幌開催のはずだった電気関係の学会も、あっけなくオンラインへ変更。学会にかこつけて北海道に行きたかった人もいたでしょうに・・・。

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最近は、オンラインとリアル会場の「ハイブリッド開催」つう新技も出ています。工夫の産物ですな。いずれにしても、学会発表がフル・リアル会場開催(←変な表現です)に戻ることを、切望するワタクシであります。ちゃんちゃん。

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