もう少し働いて金を稼ぐかあ、と一瞬思ったけど、あの面談を考えると気が進まない、つう話 [雑感]

2024年3月末。

今の時期、日本企業は年度の変わり目で、受注・売上の整理や、次年度の予算策定などメンドーな仕事が山積でしょう。ワタクシは、といえば定年退職した無職プータロー。かような雑事とかかわることもなく、愉快・爽快・痛快な生活を満喫中であります(←ここ自慢です)。フリーランスで技術コンサル仕事を3社から請けおってはいますが、それでも週休6日のユルユル生活であります。やった!勝った!・・・って誰にだよ。

さて先日のこと。エクセルで自作した家計簿で、我が家の収支状況を確認してみました。

結果、ワタクシは表情を曇らせ、ウムムッ!と唸ったのです。ここ4カ月ほどは「支出が収入を上回る状態」いわゆる赤字経営と発覚したからです。いわゆる、貯金を切り崩して暮らしている状態で、ありていに言えば、お金が日々減っているわけです。ドドーン。

明日食うものには困らんけど、この状態が続けば、やがては米びつの米は底をつき、肉はもちろん、キャベツ、玉ねぎ、もやしも買えなくなり、水道・ガス・電気は止められてしまう。そうなれば「如何にしつつか 汝(な)が世は渡る」と山上憶良さんの「貧窮問答歌」をひとりごつ、あるいは「わがくらし、楽にならざり、ぢつと手を見る」と石川啄木さんの「一握の砂」に耽溺する、よーするに昭和枯れすすき的なビンボー沼に沈むわけですなあ。

内田百閒さんや深沢七郎さんのようにビンボーを極めた仙人もいますけど、ワタクシには到底無理。となれば収支好転をめざしてもう少し働くかあ~というフィール、つまり気持ちがわくのも人情でしょう。はい。

そうです、今日だけは、7億円を違法ギャンブルにつぎこんだ通訳M氏への憧れはやめましょう!濡れ手に泡ではなく、地道に働いて得た銭が尊いのであ~る。って、オレ、M氏に憧れてはいないけど。ちゃんちゃん。

さて以上の経緯により、「どや、うちでシゴトせんか?」と声をかけてくれたオジサンのフェイス、つまり顔を私は思い浮かべたのです。彼の顔、妙に黒かった。ゴルフ?日焼けサロン?

が、ここで、やっぱりや~めた。シゴトはもう増やさん!・・・とチェンジ・オブ・マインド、私は心変わりしたのであります。

理由は、忙しくなるのがイヤだから、ではなく、シゴトを始める前に雇い主とのアレがあるから、そう「賃金に関する協議・合意」の面談であります。

ひとのことは知らんのですが、雇い主から「報酬は、月〇〇円です」と額を明示された経験、私は一度もありません。彼らが私に対して「いくら払えば良いのですか?」と質問するのが常でした。いやはや、これが困るのだな。だってそうでしょう。コンサル仕事の相場額なんてオレ、知らんもん。こっちが聞きたいくらいだよって。

で、うにゃうにゃ、ぐだぐだ、気まずい会話する中で「じゃあ、〇〇円ってことで・・・いいすか、ね?」「はあ~」とヌルリと金額が決定する。この一連のやり取りが、実に気持ちが悪いのです。いっそ私から「時給1億円でお願いしま~す」とボケ倒す新手もあるが、場数を踏んでいないと不可能な大技です。第一それを言えるんだなら、はなっから困ってないよって。

というわけで以上が本日の前置きです・・・って、前置き、長っ!

上記テーマ「フリーランスの仕事において、雇い主と報酬(賃金)を気持ちよく決定・合意するにはどうすればよいか」について、知見者に意見を聞いてみよう、と思いたった前向きなワタクシです。

ちょうど良い塩梅に、話を聞くのにうってつけのTさんと呑む機会がありました。Tさんは云十年間、東京でフリーランスのギョーカイ仕事をしていて、事務所を立ち上げ、原宿に店をもったこともあり、さらには日本で知らぬひとのいない衣料製造・販売企業の、モデルまでやった女性です(ポスターで見たときはつい笑ったけど)。そういえば、彼女のおかげで、私は、大手企業のテレビCMに出たことがあるのだ!(←自慢)・・・いや、CMに出たのは私ではなく、私のビジネススーツでした。CMの演者(俳優)さんの体形が、私とぴったり同じで、撮影まで時間がなかったため、私がスーツを貸したのです。

ま、そんなハナシはよいとして。

酒場で日本酒を吞みながら、Tさんにくだんの報酬のくだりを話したところ、彼女は即座に言い放ちました「だめねえ~」と。続けていわく「報酬額って、アンタにいくらの値打ちがあるのかって意味よ。わかる~?」。

「額なんて自分では決められない、じゃダメなの。それじゃあアンタに価値はないってことじゃん」「そこって、厚かましいとか思って、遠慮するとこじゃないから!」「金額なんてただの数字なのよ。欲しいと思う額の5割増しくらい言っちゃえばいいじゃん。それで相手が、高い、と言ってきたら、そこからは交渉なんだから。もうさあ~、しっかりしないと!」。

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とまあ、その道の大先輩は立て板に水のように持論を述べるのであった。さすがだなあ。はあ、と小声で答える私の肩を叩きながら、Tさんはこう続けます、

「わかった?フリーランスって頼れるのは自分だけなの。会社が守ってくれてるサラリーマンとは違うんだからね。何度も言うけど、自分をしっかり持たないとダメ。分かった?」

いやあ、何歳になっても人間は勉強ですな~~。自分のことのように熱いアドバイスをしてくれるTさんにも、もちろん感謝であります。ありがとう~~。

お礼といっちゃナンですが、CMやドラマや映画で、極端に短足なひとのビジネススーツが必要になったら、私がまたお貸ししましょう。いや、もう着ないので差し上げます。ついでにスーツではなく生身の私も、映画などに出演できると嬉しいなあ~。北川景子さんのお父さん役とかでお願いっ!←絶対無理ですなあ、あははは。

本日は以上!ちゃんちゃん!

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nimke

「自作した家計簿で、我が家の収支状況を確認・・・ここ4カ月ほどは「支出が収入を上回る状態」いわゆる赤字経営と発覚した」

さすがあ・・実証主義、エンジニアのカガミですなあ・・・
すべてなあなあの感覚派のワテにしてみりゃあ、今年の正月に「八兵衛めぐり」をもくろんだその時点で、赤字経営は「必然」と決まったんダス。
広い日本のあちこちに突然、舞い降りて、ひたすらすばらしい酒場を探訪する、ってゆー「究極の美学」を実践なさる、ってこと、これはタモリの「ブラタモリ」にも匹敵する快挙なんです。だからこそ、その経済的バックが、本来ならばNHKの特番ほどの物量・カネを注ぎ込んで成されるべきところ、「何らの経済的な裏づけも無し」に、果敢に実行されてきた、その「純粋さ」と「見事さ」は限りなく美しく、賞賛、天地に響き渡る。
と同時に、他との比較を隔絶する「特攻隊の不還戦法」を想起させるわけであります。
by nimke (2024-03-30 20:25) 

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