読売日響コンサート。ソリストにメルニコフさんを迎えたベートーヴェン「皇帝」の爽快感がたまりません! [クラシック音楽]

2024年3月。

一昨日の3月16日(土)、池袋にある東京芸術劇場でクラシック音楽のコンサートを拝見しました。読売日本交響楽団による土曜マチネーシリーズ。指揮はフランスの若きマエストラ、マリー・ジャコさん(1990年生まれ)、ピアノ協奏曲のソリストにロシアの名手アレクサンドル・メルニコフさん(1973年生まれ)であります。

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2年前までのコロナ禍の時代、何がつまらんかったかつうと、酒場で呑めないのもさることながら、コンサートに行けない(コンサート自体が無かった)ことでした。いまこうして、会場に集まって実演を聴けること、その幸せをしみじみ~と噛みしめておるワタクシです。コンサート会場で私の隣席のオジサンは、幸せすぎたのでしょうか、ほとんどの時間、すやすや眠っておられました。が、曲が終わるやガバッ!と起きて、大音量の拍手で周囲を困らせてました。オジサン、いい味、出してますな~。私はアンタに拍手したいよ、いや、ホント。

・・・と、どうもよい話が長くてスイマセン。

コンサート演目は、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」、15分間の休憩をはさんで後半にブラームスの交響曲第4番であります。ドイツの作曲家による重量級プログラミング。それをフランス人指揮者、ロシア人ピアニスト、日本のオーケストラが演じる良き趣向でございます。

ベートーヴェンの「皇帝」は早めのテンポでサクサク進みます。メルニコフさんのピアノ、オケともに力強さを保ちながらもすっきり見通しがよく、ベートーヴェン演奏にありがちなもったいぶった「重たさ」がありません。まさにスカッと爽快!であります。

後半のブラームスの交響曲第4番も同様、低音を強調し過ぎず、弦の美しさを引き立たせ、重心高めの明快な音楽を作っておられました。マリー・ジャコさん、恐るべし!

ただね、ワタクシのようなクラシック音楽のオールド・ファンは、ブラームスの交響曲つうとフルトヴェングラー、ベーム、カラヤン、ケルテス、ジュリーニ、バーンスタイン・・・といった指揮者からの刷り込みが強く、腹にグウッ!とくる演奏がツボなんですな。今回のステージを否定するものではないが、感動とはちょっと違うかなあ、と感じた次第。どうもすいません・・・って謝る必要はないか。

話は戻って前半ソリストのメルニコフさんに関して。私の席は左斜め上からステージを眺める位置だったので、演奏中の彼の所作がよ~く見えたのですね。それで、私はすっかりメルニコフさんのファンになっちゃいました。

ピアノが加わらない、オケだけの演奏箇所でメルニコフさんは行儀よく座っているわけではありません。左手で指揮者のように拍子をとったり、強拍箇所でグッ!と大きく肩を動かしたり、フレーズにあわせて頭をスーッと動かしたり、と、ロックコンサートでヘッドバンギングする観客のノリなんですな。

つまり、音楽と一体化してノリノリになっているつうこと。プロのピアニストでこのステージパフォーマンス(?)なかなか無いですよ。なんともカッコいいじゃありませんか!

そういえば、以前、指揮者のエサ=ペッカ・サロネンさん(トム・クルーズに似ている)が楽曲の指揮をおえてステージの袖に帰っていくときに、手が指揮を続けているのをみて、ノリノリやん!と思いましたね。

メルニコフさんといえば、ハルモニア・ムンディ(フランスのCDレーベル)からピアノ独奏曲のほか、ヴァイオリニストのイザベル・ファウストさん、チェリストのジャン=ギアン・ケラスさんと組んで多くの室内楽曲をじゃんじゃんリリースしています。今回のノリノリっぷりがすっかり気に入ったので、CDを買ってみようかな~とココロが動いているところです。はい。

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いやあ、東京芸術劇場での楽しい2時間、ありがとうございました~~。自宅のオーディオで聴く音楽もいいけど、実演は「目前で音楽が生まれている」リアリティがありますもんね。楽しかった~。

帰宅後、会場でもらった公演チラシを眺めたところ、今年はワタクシが愛する、モーツアルトのピアノ協奏曲第23番(K488)や、シューベルトのピアノソナタ第20番(D959)、第21番(D960)のステージがあるようで、やおら気合いが入ってきましたぜ。楽しみがマシマシになったところで本日はお終いっ。

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