年末に聴くならベートーヴェンの9番より、やっぱマーラーの2番でしょ! [クラシック音楽]

2021年12月31日。

本日は大晦日です。とはいえ、しょせんは365日のうちの1日に過ぎんわ、とドラスティックに割り切るワタクシ、特段の感慨もなく普段の休日と同様、朝4時に起き→猫を撫で→散歩→風呂に入り→洗濯し→掃除し→音楽を聴き→酒を呑み→飯を食い→20時に寝ます。ま、それ以外、やりようがないのですが。

自宅オーディオ部屋で音楽を聴き始めたのは午前10時。修理先から戻って来たDENON(デノン)のユニバーサルプレーヤーDVD-3930、が絶好調で、Sonas Faber(ソナス・ファベール)のスピーカーを良い音で鳴らしてくれます。スピーカーを鳴らすのはアンプだろうって?まあ、良いじゃないですか。

ところで、日本のクラシック音楽業界(?)の12月。バ◯のひとつ覚えのように、どのホールでもベートーヴェンの交響曲第9番「合唱」が響き渡ります。コロナの影響で、今はどうなったかは知りませんが・・・。

たしかに「合唱」は秀逸な楽曲でしょう(私の好みとは違うけど)。しかし、12月24日といえば山下達郎さん「クリスマスイブ」みたいな押し付けっぽさに、天邪鬼なワタクシは納得できんわけです。むしろ松任谷由実さん「恋人はサンタクロース」でお願いしたい。いや、ワム!の「Last Cheristmas」か・・・って、その話はもういいわ。

クラシック音楽に話を戻すと、ワタクシの年末に聴く定番曲は、ベートーヴェンの第9ではございません。

マーラーの交響曲第2番「復活」であります。

当ブログで繰り返し書いておりますが、ワタクシ、この曲のCDを25セットも保有(今、数えました)、コンサートで実演も聴く「復活」マニアであります。そう、この長大な脂っこい曲には、人のココロを、もっといえば人生さえも変える、ものすごいパワーがある、と確信しているのです。

じっさい経済誌の編集者だったギルバート・キャプランさんというオジサンは「復活」に惚れこみ、音楽はシロウトながら、この曲を指揮するために指揮法を勉強、自費でオケを雇ってCDまで出しちゃいました。最後にはなんと世界一のオーケストラであるウィーン・フィルまで指揮し、その演奏を名門ドイツ・グラムフォンからCDリリースするという「復活」で波乱万丈人生になったスゴイお方なんであります(当ブログ関連記事は→ここ)。

ワタクシは、財力と気力の都合、キャプラン御大ほど冒険はしません(できません)が、当楽曲への思い入れはそれなりと自負しております・・・という自慢話は良いとして、本日、聴いたマーラー「復活」のCDは、これ、でございます。

オット―・クレンペラー指揮、フィルハーモニア管弦楽団による、1961~1962年録音であります。

otto_01.jpg
まずはCDジャケの右上をご覧ください。レーベル・ロゴが、ゴシック文字「EMI」だけではなく、しっかりエンジェル・デザインが入っております。いやあ懐かしいな~。品番=TOCEは日本の販売元だった今は無き「東芝EMI」ですよ。エンジェル・マークがツボにはまる方、友達になりましょう。

おっと本題の「演奏」のハナシにいきましょうか。自分が20代の頃、マーラーに限らずクレンペラーが指揮する演奏には、全然ピンときませんでした。なんというかなあ、勢い任せで雑、みたいな印象を勝手に持っていたわけです。

ところが本日。彼の「復活」を再聴したところ、59歳のワタクシの耳には、雑どころか、音楽の構築力、推進力が尋常ではなく、なんでこんな名盤をオレはスルーしていたのか!と自分に呆れた次第。

そうなんです。1980年代から録音技術とくに「音の分離」の向上ゆえか、マーラー演奏は各楽器の音を明晰に響かせる、よく言えば見通しがよく、悪く言えば顕微鏡で見るがごとくの近視眼的表現が多くなったわけです。結果、分析的になり過ぎて音楽(の楽しさ)がおざなりになった、そんな印象があります。

いっぽう、クレンペラーの1960年代録音は、しっかりと「音」を作りながらも、全体としての「音楽」もガッチリと決めてくる。個々の技もすごいが、全体としての試合運びが絶妙な柔道家のよう。まさに王者の風格です。

いやあ、やられたなあ~。

本CDに限らず、自宅CD棚には、素晴らしさをワタクシに気づかれることなく、数年間いや数十年間もひっそり眠ったままの名盤が、おそらくどっさりあるのでしょう。チェリビダッケ、ベーム、アバドあたりが怪しいなあ。よおし、老後は気合を入れて保有CDを聴きまくるぞオ・・・と年末に新たな「気づき」から決意へ至ったところで、本日はお終いっ!

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。