葛飾フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会。ニールセンの交響曲第3番、素晴らしいできばえでした。 [クラシック音楽]

2014年12月。

2週間ほど前のハナシ。川を挟んだ隣町、東京都葛飾区の青砥(あおと)でアマチュア・オーケストラのコンサートを聴きました。チラシがこれです。

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葛飾フィルハーモニー管弦楽団。はじめて演奏を聴かせていただきました。

このコンサートに行った理由はずばり、ニールセンの交響曲第3番を聴くため。デンマークの作曲家カール・ニールセンの交響曲を愛するワタクシです。彼の残した6つの交響曲の中でも、第3番はお気に入り、というより偏愛している作品です。冒頭合奏の一撃から、畳み掛けてくる音の洪水。管楽器の咆哮、ティンパニ連打にココロ浮き立ち、わくわくしますもんね。第一楽章中間部、弦楽器の奏でる舞踏風グルーヴもたまりません。「ひろがり」のタイトルどおりの、広大な風景をイメージさせるスケール感、ふああ、とため息が出ますね。

ニールセン作品は、残念ながら、現時点では世間認知度イマイチで、録音(CD)こそ増えたもののコンサートにかかるのはレアであります。まれに実演されても、曲は交響曲第4番「不滅」(←一応は有名曲)と相場が決まってます。「第3番が実演される」だけで感激しちゃうワタクシ、ましてや隣町でコンサートとくりゃあ絶対行かねばなるまい!と気合が入るわけですよ。

2014年12月7日、日曜。かつしかシンフォニーヒルズのメインホール(モーツアルトホール)であります。アマチュアだから演奏力はイマイチだろうな、と、正直、失礼な予想をしていたワタクシでしたが、これが違った。いやあ、まいった。演奏を聴いてブットビました。

前半のコンチェルト。名手、江口玲(えぐちあきら)さんをソリストに迎えたグリーグのピアノ協奏曲で、オケの力量にガツンとやられました(もちろん江口さんのピアノも素晴らしかったけど)。大感激です。団員さんはプロからしっかり演奏指導を受けているんでしょう。個々のプレイヤーの技量もさることながら、合奏力、表現力、音楽へ向かう「一致団結感」が高レベルの極みであります。

ついでに言えば、コンサートのメイン曲に、ニールセン(の交響曲3番)を選ぶセンスも拍手ものですなあ。

で、その注目のニールセン。実演で聴くのは初めての第3番。

いやあ、まいった。演奏中に泣きましたよ。大げさでも何でもないです。少々まとまりに欠けるきらいがある難曲ですが指揮者ダグラス・ボスドックさんの盛り上げテクもあってか、間延びすることなく、オケは集中力を発揮して楽曲に生命を吹き込みます。エネルギーまんまんの両端楽章も良いし、ソプラノとバリトンが加わる中間楽章の静謐さも良し。フィナーレ、思いのたけを吐露するがごとくの熱い節回しに、これに泣かずにいられるかってーの。

予想外の感激(失礼!)にじーんとなって、大満足で家路についたワタクシでした。いや、正確に言うと、青砥の居酒屋でビールをひっかけてから帰ったんだよな。

葛飾フィルハーモニー管弦楽団。恐るべし!年に2回、青砥で定期演奏会をされているそうです。次回も、絶対に行くぞお!と、新たな気合いが入りましたね。下世話なハナシですが、これだけ優れた内容で、チケット代1000円は超オトクといえましょう。

最後にニールセン交響曲3番のお気に入りディスクをご紹介。ブロムシュテットさん指揮サンフランシスコ交響楽団(DECCA盤)があれば十分と思いつつ、若かりし頃のチョン・ミュンフンさんがエーテボリ響と録音したBIS盤を推したい。1980年代なかばの録音。BISさんは、なんとニールセンの「オーケストラ曲の完全全集」をリリースしているんです。北欧つながり(BISはスェーデンのレーベル)とはいえ偉いぞっ。さらに指揮者に、韓国人のチョンさんを抜擢(?)するとはもっとエライ!ふつうなら北欧出身の指揮者でお茶を濁しますものね。

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知的でクールなブロムシュテットさんのDECCA盤と比べ、チョン・ミュンフンさんのBIS盤は、若々しさと勢いで押す痛快な演奏です。良いノリしてますね。そして収録曲が、「仮面舞踏会」序曲 → クラリネット協奏曲 → 交響曲3番、と、コンサートプログラムっぽいのも面白いです。

おっと、ハナシが発散してきたので、強引に終わるとしましょう。今日は、これでお終いっ。


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