映画「エクスペンダブルズ ニューブラッド」でボッケリーニの弦楽五重奏曲がディスられているハナシ。 [クラシック音楽]

2024年1月。

1月5日公開のアクション映画「エクスペンダブルズ ニューブラッド」を拝見しました。本シリーズも4作目を数え、当初、主役を張っていたシルベスター・スタローン御大(77歳)さすがに激しいアクションはキツくなったか、センターを中山きんに君・・・じゃなくジェイソン・ステイサムさんへと譲り、御大はサポート役に徹しています。時の流れを感じるなあ~。ロッキー、ランボー、カムバック!

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本作への感想ですけど、この手のドッカンドッカン映画に細かいケチをつけたり、分析チックな批評を加えても大人げないわけで、私は大層、楽しく拝見いたしました。翌日には、ストーリーをすっかり忘れてましたけど・・・。

さて「エクスペンダブルズ ニューブラッド」には大変に気になるシーンがあったのです。おそらく私以外の観客は完全スルーと思いますが、なればこそ、私が言わずに誰が言う!

そのシーンとは、バーニー(スタローンさん)率いる傭兵軍団が、敵が占拠した施設へ、大型輸送機で乗り込む場面。コックピットで、バーニーとリー(ステイサムさん)がジョークを交えて会話するのですが。

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いざ敵地へ突入!というタイミングで、バーニーが「音楽でもかけるか!」と言ってスイッチを入れると、流れてきたのはクラシック音楽、それもマッタリとした室内楽曲であります。リーがすかさず「なんだよ!こりゃ!」とツッコむと、バーニーが「なごむだろ?」と笑って返す・・・と、まあ、こうゆう場面。

つまり、この緊迫状況でその音楽か!威勢のいいロックでもかけよろ!とツッコませるバーニーのボケ(茶目っ気)なんですね。たしかに、格闘家がリングにあがる際、入場曲がモーツアルトの弦楽四重奏曲だったらガクッとくるわなあ。クラシック音楽を使うなら、ワーグナーやベルリオーズ、あるいはヴェルディ「レクイエム」の壮大ド派手な箇所でしょ、いずれにしても、室内楽曲はないわな~とワタクシでも思う。

しかし!ここで申し上げたい。「エクスペンダブルズ ニューブラッド」で使われた楽曲は、なんと、ボッケリーニの弦楽五重奏曲なのです!・・・と、ワタクシが力(りき)んでも皆さんは「?」でしょう。だからなんなんだ、と言いたくなるでしょう。

私が何を言いたいか、つうと、イタリアの作曲家、ルイジ・ボッケリーニ(1743~1805)の、100曲を超す弦楽五重奏曲は、実に素晴らしい、ということです。アクション映画でイジリのネタにされちゃ、たまらんぜよ、ということです。

映画「メカニック」のラスト、ジェイソン・ステイサムさん演じる主人公が、自分を殺そうとした弟子を、逆に爆死させるシーン。そこではシューベルトの渋~いピアノ三重奏曲が流れているのよ、分かるう?・・・と無駄に話を広げてはいけませんな。

てなわけで、映画を観終わってシネコンから帰宅したワタクシ、即座に、ボッケリーニの弦楽五重奏曲のCDをプレーヤーにセット。う~ん、やっぱり良いねえ~と唸ったわけです。

スミソニアン・チェンバーズ・プレーヤーズによる1991年の録音(DHM)。弦楽五重奏曲 作品11から、イ長調、ニ長調、ヘ短調の3曲が収録されています。ぷう~、癒されるう~~。

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もうちょいガツンときたくなったので、次に聴くのはボッケリーニの「交響曲」です。作品12 No4「La Casa del Diavolo」(悪魔の家)を含む3曲を収録したCD(オワゾリール)。故・クリストファー・ホグウッドさん率いるエンシェント室内管弦楽団の1992年の演奏です。ああ、このストレートな躍動感。しびれるねえ~。

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というわけで、映画のどうってことのない一場面がキッカケになり、久しぶりにボッケリーニの楽曲を堪能した愉快な1日でありました。このあと、当然のように「チェロソナタ」も聴きました(ボッケリーニはチェロの名手でもあった)。アンナ―・ビルスマさんの弾くチェロの音色が、ピリオド楽器にしても渋すぎる!デジタル加工か?とすっかり嬉しくなってしまった。

などと、またぞろ話が止まらなくなるので、本日は以上!チャオー。

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