映画「リボルバー・リリー」。とんだ金(かね)ドブ映画だけど、綾瀬はるかさんと長谷川博己さんは何も悪くありません! [映画]

2023年9月。

もうすぐ公開終了となる映画「リボルバー・リリー」をシネコンで拝見しました。1920年代の帝都・東京を舞台に、女性諜報員、百合(綾瀬はるか)と、帝国陸軍との壮絶な闘いを描くレトロモダンな映画、だそうです。

lilly01.jpg
映画に対する印象・感想は観たヒトそれぞれの自由でありますから、「最高だったあ!」「綾瀬はるかさん、すてきぃ~」「豊川悦司さん、しぶ~い」「阿部サダヲさん、お肌つるつる~」などポジティヴなご意見を否定するものではございません。

ございません、がズバリ、本作は、(かね)ドブ映画(金をドブに捨てたような、虚しい気持ちになる映画)の典型と言ってよいでしょう。ここでいう金(かね)とは、観客が支払う、ひとり千云百円のチケット代のみならず、映画の製作費も指します。21世紀も20年以上経った今どき、よくもまあ、こんなク〇駄作を作れたものだと、ある意味、感動してしまいました。まあ、これがあるから映画はやめられないのですがね。

何十年もかけて多くの映画人や演者が築いてきた邦画のプレゼンス。それを台無しにする暴挙に、すがすがしさすら感じます。出演者、スタッフ、製作会社、配給会社、観客、その誰ひとりとして幸せにならない映画・・・ああ、人生とはなんとツラいものだろう。

主人公・百合がハンドガン(S&Wのリボルバー)一丁で、それもドレス姿で、小火器で武装した帝国陸軍の軍勢に立ち向かう(そして勝つ!)バカげた設定はまだ我慢できる。「ガントレット」か!つう無茶苦茶な正面突破も許しましょう。鍵を握る少年(陸軍から狙われている)を守るため、百合が損得抜きに命を張る「グロリア」の二番煎じも良しとしましょう。

問題なのは、非現実的な絵空事と承知のうえで、観客をスクリーンにのめりこませる説得力がないこと。なぜか?脚本と演出が酷すぎるからです。あまりに安っぽく、小学校の学芸会レベルだから、です。

「エイリアン」「ターミネーター」「プレデター」を引合いに出すまでもなく、敵が強いからこそ、観客は主人公に感情移入し、ドキドキ感が増すわけです。それがどうでしょう、百合と仲間たちの前に、撃ってくださいな、と言わんばかりに飛び出してくるアホな兵士たち。インベーダーゲームかよ!(古っ!)。軍隊どころか、今日初めて銃をもったのか!つう烏合の衆。簡単なトリックに引っかかってあらぬ方向へ向かうボケぶりには苦笑を通り越して爆笑しちゃいます。

いや、それだって良いのです。「コマンド―」や「エクスペンダブルズ」で主人公に次々と撃ち殺される組織の構成員たち。そんなバカバカしいシーンでも腹が立たないのは、ド派手でメリハリの効いた演出ゆえ、なのですよ。「リボルバー・リリー」の安っぽ~~~い撃ちあいゴッコとはレベルが違う(予算が違う?)からです。

いやホント、いっそのこと、映画を観ているオレを撃ち殺してください!リリー!と叫びたくなったのは私だけでしょうか。

しかし、こんなク〇映画といえども、これだけは強く申し上げておきたい。

出演者は何も悪くない!です。

lilly02.jpg
綾瀬はるかさん、長谷川博己さんをはじめ、演者の皆さんは役割をきっちり果たしています。ボケ脚本、バカ演出(監督)であろうと、引き受けたからにはモチベーションを奮い立たせシゴト(演技)をまっとうする。そのお姿は、凛々しく素晴らしい。そんな俳優さんたちのキャリアにキズをつけた点で、製作側の罪は重いわけです。

ところで本作が映画界にあたえた唯一の貢献がありますね。それは「この程度の脚本ならオレでも書けるわ」とか「こんな演出で良いならオレも映画監督になろう」と、映画界へ飛び込むハードルを著しく下げた、というコト。勘違いとしても、多くの人材が映画業界へ集まって来るなら、本作にも存在意義があるってことです。

いうなれば、ザ・クラッシュやラモーンズを聴いて、おれたちもバンドやろうぜ!と盛り上がる若者みたいなもんですなあ。でもね、もしかしたら、そこから優れた才能が花開くかもしれない。

そうだ、こうなったら全国の映画館で「漂流教室」「北京原人 WHO ARE YOU」(どちらもZ級の駄作)をリバイバル上映しましょうや・・・って、それやると、映画なんて二度と観たくない!つうヒトが増えるだけで、それこそ誰も幸せにならんね。ちゃんちゃん。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。