2023年3月2日、ジャズ界の巨星、ウエイン・ショーターさんが逝去されました。 [ジャズ、ロック、ポップス]
2023年3月。
先週木曜日(3月2日)、サックス奏者のウエイン・ショーターさんがお亡くなりになったという衝撃のニュースが・・・。享年89歳。ジャズ界の巨星逝去に、うわ!と声が出てしまいました。1950年代から活躍され、アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズや、マイルス・デイビス・クインテットにおいて単なるサポーターではなくバンドを支える柱としてご活躍され、その後もグラミー賞の常連、という天才プレーヤーであります。ご冥福をお祈りいたします。。。
世間的評価が高い名盤は、1960年代のリーダー作「Speak No Evil」「JuJu」「Super Nova」といったBlue Noteからのリリース作でしょうか(と、勝手に思っている)。あるいは変化球で「Native Dancer」?
しかし!当ブログの読者はお分かりでしょう、ワタクシにとって、ウエイン・ショーターさんといえばこのアルバムで決まり!なんであります。
ウエザー・リポートの「8:30(エイト・サーティ)」(1979年)であります。
40年以上前、ジャコ・パストリアスさんのベースプレイが大好きでウエザー・リポートにドはまりしたワタクシ、本作、もちろんジャコさんの超絶技はスゴイ。いっぽう聴き込むほど、泣かせどころはショーターさんのサックスだわ!と強く感じる次第。真面目というか、バランス重視で攻めまくらないのがショーターさんの良さだけど、「8:30」はライブアルバムつうこともあり、ショーターさん、ノリノリでぶっこんでいくわけですよ。
冒頭1曲目の「Black Market」なんて、ショーターさんのサックスの一音目が鳴った瞬間、声上げて拍手しちゃいますもん、オレ。そして超フェイバリッツ曲「A Remark You Made(お前のしるし)」の朗々たるサックスの響き、フレージングと音色の美しさ、そしてジャコさんのベースとのからみ・・・もう、絶対に泣くでしょう、これ!どうよ!と申し上げたい。
ウエザー・リポートのスタジオ・アルバムならば「Mr.Gone」あるいは「Heavy Weather」でしょうかね。
「8:30」で頂点を極めた(?)あとの「Night Passage」(1980年)も世評ほどは悪くないと思っております。往時に比べ、ちょいと元気がないなあ、とは感じるが。
・・・っていつの間にか、ウエイン・ショーターさんじゃなく、ウエザー・リポートのハナシになっちゃいました。ま、それだけあのバンドにおけるショーターさんを好きだってことです、ご容赦を。
さて、ショーターさんは演奏だけでなく作曲でも才能を発揮した「なんでもできる方」であります。で、私がすごいなあと思うのは、大変な技量を持ちながら、演奏では余計な手数を弄さず、シンプルでストレートなプレーをされること。巧さをひけらかさずに、バランスをふまえ「ツボを押さえる」ところが見事なんです。それでいて確固とした個性がある。どうも、話がくどくなっちゃうんだけど、たとえばウエザー・リポート。ジャズバンドというよりフュージョンバンドで、じっさい主役の体で前面に出るのはジョー・ザヴィヌルさんのキーボードなんですね。しかし、ウエイン・ショーターさんのサックスって、フュージョンだから、とか、エレクトリック系だから、って変にそっちに寄せるんじゃなく、バシッと堂々と「ジャズしてる」んです。それって当たり前のようで実はすごい事じゃないですか。
つまり、チック・コリアさんやハービー・ハンコックさんのエレクトリック系バンドとは、テイスト(出自というべきか)が根本的に違うわけです(これ、彼らの悪口ではないです)。そのセンスですよ、私がショーターさんに惚れこんでしまうポイントは。
うわ、なんだか文章長くなった。と言い体、あと500行くらいウエザー・リポート(と、ウエイン・ショーターさん)の素晴らしさを書き連ねたいけど、語彙貧困でバケツの底が見えてきたので、このあたりで終わりましょう。
蛇足ですが当ブログのウエザー・リポート関連記事のリンクを付けておきます(なんのため?自分でも分からん、ま、いいか)。
ウエイン・ショーターさんのジャコさん高評価の件→記事はここ。
長崎県で、ウエザー・リポート愛を語ったハナシ→記事はここ。
話は戻ります。人の命は有限、だれもが必ず死ぬわけですが、愛していたミュージシャンが亡くなると、死が現実として身に沁みます。昨年のラルス・フォークトさん(クラシック音楽のピアニスト)、今年にはいってギタリストのジェフ・ベックさん。そして、ウエイン・ショーターさん・・・。
そうだ、今日は寝る前に大好きな「A Remark You Made」を聴くことにしよう。天国で、ウエイン・ショーターさんとジャコ・パストリアスさんがこの曲で共演されている、と信じております。本日は以上。
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