新規の客からのシゴトのオファー。そうゆう話は呑み屋でやるのが一番ですなあ。 [日常]

2024年5月。

ゴールデンウイークのちょいと前(4月下旬)に新規の客から仕事の話が舞い込みました・・・おっと話が先走りましたね。

プチッと背景を申しますと、2年前に電機メーカを定年退職したワタクシ。昔取った杵柄で、いまはフリーランスで新設する製造プラント(工場)や発電所システムのコンサル仕事(バイト)をやってます。といっても自分で施設のベース・プランを作ったり、単線結線図を書いたり、系統解析をやるわけではなく、設備仕様のアドバイスや、雇い主の会社の若手エンジニアたちへの技術教育がメインジョブであります。

他人に教えてやらせるより、自分でやったほうがよっぽど楽・・・と思う場面もあるけど、ジジイ(私)が知ったかぶりして出しゃばるのは年寄りの冷や水ってヤツで、大失敗するのが関の山。日本の将来を考えても、ワカモノを育てるほうが世のため人のためってもんです、ハイ。

さて、GW前に舞い込んだ仕事のオファー。声をかけてくれたのは、20年前から不定期に仕事付き合いのあったエンジニアリング会社のAさんです。かつては担当者として現場を走り回っていた彼も、いまは肩書に「長」がつき部下は200人以上だという。ふ~ん、そうなんだあ~と時の流れを感じたワタクシ。時の流れに身をまかせ by テレサ・テンさん、嗚呼。

Aさんはワタクシの活動を耳にし、自社の若手に技術教育をしてくれへんか、と言う。「そんじゃあ具体的な内容について会って話しますか?」と問うワタクシに対し、Aさんは「いいね、そうしましょう!」と即答。

続けてAさんいわく「じゃ、飲み屋で会いましょうや!」・・・って、そりゃあアナタ、ただの呑み会じゃん!と、ワタクシ嬉しいツッコミをした次第。いや~最高だね。シゴトの話なんて、シラフで会議室でしたってつまらんの。呑みながらが一番なの。何をしゃべったのか、次の日に覚えてないくらいがちょうど良いの。ははは。

とノンベイ都合で話は即決。某日、街中の雑居ビル地下1階、開業はおそらく昭和40年代という渋~い酒場で、久しぶりにAさんと会い、酒を呑みながら雑談・・・じゃなくシゴトの話をして、めでたく方向性だけはまとまりました。細かい詰めは改めてシラフのときにね・・・って、それじゃダメじゃん!

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ここから多少、真面目な話であります。日本のどの企業でも、ワカモノの教育というのは喫緊の課題なんですねえ。以前よりそう感じていましたが、Aさんと会話してつくづくそう思いました。とくに建設、機械、電気といったモノづくり分野では切実。もともと日本人は知識やノウハウを次世代に伝承するのが苦手で、老舗和食店じゃないけど「技は盗め」みたいなところがあります。

ふつうに教えれば済むところ、もったいぶって無言対応、気付かせようとする。効率は悪いし時間の無駄じゃん。そうかと思えば、真逆に一から十まで事細か~に教え、本人の主体性や意欲を失わせる。野球のコーチでそんなヤツいそうじゃないすか。これってどっちもダメなパターンですわね。

エンジニアに話を絞れば、肝心なのは「課題を解決する考え方・手法・手順」を身につける(つけさせる)ことであり、かっこよくいえばロジカル・シンキングなんです。あれもこれもと教えるのではなく、課題への向き合い方つまり本人の「考える力を鍛える」ってこと。だってさあ、固有名詞のあるモノなんてネットで調べりゃ、何なのかすぐ分かるんだもん、人が教える必要もないでしょ。もちろん、何が重要か、を教えるのは人のシゴトですが。

何も教えないのはダメ、でも、よかれと思って教えすぎるのもダメ、若手教育には微妙なバランスがあるわけです。若手各人の性格や把握力によっても、教え方を変えないといかんしね。いやあ、難しい、正解のない無間地獄だな・・・って、地獄じゃないけど。

今回、Aさんと呑み屋で2時間ほど話し、現場の悩みを聞くことで、私にもよい気づきがありました。人間いくつになっても勉強ですな、と殊勝にまとめてみました。はい。

ところで私が驚いたハナシ。Aさんが新設プラントのコンサル業務(テーマは系統解析)を某社へ見積り依頼したところ、出てきた見積額が、5,000万円だったそう。ウゲッ!高っ!そりゃねえだろ、と声が出ました。いくら円安だからってその額は・・・って円安は関係ないな。いずれにしても、歌舞伎町や中洲、ススキノのぼったくりバーよりすごいわね。

私もそっち方面はシロウトじゃないので、仮に自分がその仕事をやるとしたらどうなる?と電卓をパチパチ。作業期間は4カ月、1日8時間で、月12日作業するとし、ツール(解析用ソフト、PC)も入れて、打合せ(対面)5回をのっけて、さらに経費を足し・・・と、どう高めに見積もっても売値は1,500万円を超えない。

エンジニアリング業務は、マグロの刺身や自動車と違って無形なので、いくら値付けしようと自由だが、その内容でその値段(5,000万円)はありえんやろ、と改めてマイナス感動です。引合いを受けた会社は、仕事を受けたくないので相手が諦める(であろう)高値を提示したんだろうと推察しますが、そんなら、10億円って言っときな、とアドバイスしたい。いやはや、野菜の値段が高くなるのも納得ですなあ・・・って、それはぼったくりじゃねえよ!と農家さんの代わりにツッコミをいれたところで本日は以上!

ここまで駄文にお付き合いいただいた方に感謝。ちゃんちゃんちゃん。

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LargeKzOh

 ご指摘全面的に賛同では御座いますが、最近は
  何処に課題があるのか
でさえ指摘しないと前へ進めない・・・って声を当方後輩から、これも飲み会の席で聴いた事を想い出しました。
 我が国の先行き、絶望的な面もありや・・・と老体ながら心配の毎日です。
by LargeKzOh (2024-05-05 12:40) 

門前トラビス

To LargeKzOh様、コメントありがとうございます。
おっしゃること、ごもっとも・・・と言いたいところですが、私の意見はかなり違います。
たしかに、若手・中堅のなかに「何処に課題があるのかさえ指摘しないと分からないタコ」もいます。が、一方でそうではない優秀な者もたくさんいて、むしろそっちが多数と感じます。
私見では、50歳を過ぎたジイサン社員こそ、自分が何しているのか、どこに向かっているのか分からず、無思想に会社にぶさらがってる給料ドロボーが多い・・・って、老害、早っ!
いずれにしても、統計調査で絶対数が確認されたわけでもないダメ事例から、全体評価する手法は心理学でいう「確証バイアス」という誤謬・錯覚の典型ですね。
ありていに言えば、1000年前から連綿と続いている、年寄りのワカモノに対する「色眼鏡」ってやつですね。しらけ世代とか、新人類とか、いつの時代も、年寄りはくだらんネーミングをして悦に入ってました。
仮に、ある組織に、「最近は」課題が何かも分からんバカちんばかりが集まっているとしたら、それは彼らのせいというより、人事部門の採用担当者の目が節穴なんでしょう。残念・・・。
話をまとめますと、私を含めて勢いで押していた60年代~80年代入社のサラリーマンより、いまの若手のほうが、全体に「質」は高いと私は思います(もちろん例外はいます)。
それゆえ大切なのは、入社後の彼らが腐らないよう、大人がきちんと教育・指導することだと思っているのでした。彼らは、考えるコツさえ分かってしまえば、ジジイ(私)よりよっぽど頭がいいのでなんら心配はありません。ちゃんちゃんちゃん。
by 門前トラビス (2024-05-13 08:58) 

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