大御所ジャズメンの言葉に、じーんと感動しちゃうハナシ。 [ジャズ、ロック、ポップス]
2013年2月。
先般、出勤電車内で、図書館で借りた本を読みはじめたところ、早々ググーーッと感動してしまい挙句、ポロリと涙までこぼした次第です。電車で本を読みながら泣くオッサン・・・まったく絵にならんですな。
その本はこれ、幻冬舎新書「25人の偉大なジャズメンが語る名盤・名言・名演奏」(神舘和典著)であります。
題名がまんま内容を語っております(いい題名です)。ジャズ界のビックネームたちの音楽に対する志向、真摯な姿勢、そして歴史的名盤の誕生秘話まで紹介した力作です。世間にジャズメン評伝は多いですが、本書の特徴は前書きにあるように「すべて本人に話を伺っていること」です。ご本人の肉声から放たれる「言葉の重み」は、評論家がいくら美辞麗句を並べようとかなわないインパクトを持っていますね。
200ページほどの本に、ジャズメン25人ですから、一人当たりの「言葉」は決して多くありません。にもかかわらず、見事にアーチストたちの音楽愛が浮かび上がっており、これに泣かずにいられますか、ってことです。
ジャズメンは登場順に、ウェイン・ショーターさん、ハービー・ハンコックさん、ソニー・ロリンズさん、マッコイ・タイナーさん、オスカー・ピーターソンさん、ジョージ・ベンソンさん、パット・メセニーさん、ロン・カーターさん、チック・コリアさん・・・これでもまだ9人ですからねえ。中盤以降も、ジム・ホールさん、ジョン・スコフィールドさん、ディヴィド・サンボーンさん、ダイアナ・クラールさん、と、スゴイ方々が続々であります。
ジャズに興味のある方もない方も、ぜひ読んでいただきたいっ!そして一緒に泣こうじゃないか!
・・・あれれ、あまりにも抽象的・上っ面な紹介だなあ。いけません。
では、私が最初に泣いたポイントを書きましょう。登場する最初のジャズメン、ウエィン・ショーターさん(サックス)の章であります。
子供のころ映画のサウンドトラックばかりを聴いていた話。50年代にマイルス・デイビスとジョン・コルトレーンの共演に偶然に遭遇して音楽を目指した話(そこでアビー・リンカーンが歌ってたって!?←これは私の驚き)。お、この本いいなあ、と思っていたところに、ガツン!のポイントが来ましたね。
インタヴュアー(本の著者)の「共演したベーシストのなかで、誰が一番すぐれていたか?」の質問に対して、ウェインさんの即答が「それはジャコ・パストリアスだよ」・・・・この箇所で、どばーと泣きましたね。
そりゃそうでしょう!私がどれほど故ジャコさんのベースプレイを愛していることか!(って、自分のハナシをするのもなんですが)。ウェイン・ショーターさんのサックスも、ウエザー・リポートでジャコさんと共演されたころが、私にとって「もっとも輝いていた」のであります。ジャコさんとウエィンさんのユニゾン・プレイ(たとえば、「お前のしるし」で聴ける)には、ホンモノの天才ふたりだからこそ創りだせた深みがありますもんーーー。
本では、このあとも短いながら、ウエィン・ショーターさんがジャコさんを語ります。そのなかで、ジャコさんの「純粋に音楽を楽しむ」姿の素晴らしさを強調したところで、さらに私の涙腺から熱いものが流れ出すわけです。じーーん。
語るほどに、感動の押し売りになっちゃいそうなので、このあたりで止めておきましょう。
いやあ、今回は感動したなあーーって、そんなベタな終わり方でスイマセン。じーーん。
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