イングウエイ・マルムスティーンの名盤「Trilogy」(1986年)の完全再現ライヴを、なんでマーク・ボールズがやるのよ!? [ジャズ、ロック、ポップス]

2019年4月末。

♪ 良い子が住んでる良い街は~ ♪ 楽しい楽しいメタル街~~てなわけで、またぞろマニアックなヘヴィ・メタルの話ですよ~。メタルに無関心の方とはここでサヨナラだ、そして残りの関係者、全員集合っ!(って、誰に号令だよ)。

のっけからズバッと言いますが、ワタクシ、いま、フンマンやるかたないのである。ありていにいえば、怒っているのである。何に怒っているか、つうと、これですよ、これ!

5月22日から始まる、トリロジー完全再現ライブ、ジャパンツアーです。

マーク01.jpg
メタル・マニアでなくても、名アルバム「Trilogy(トリロジー)」はご存じでしょう。え?知らない?ちょっと待ってくださいよ。

トリロジー、といえばアナタ、ELP(エマーソン・レイク・アンド・パーマー)が1970年代に・・・って、ここで無駄なボケをかますんじゃないっ!(音楽ネタになると、どうもこーゆーオカズが多くなるね。すいません)

そっちじゃなく、HR/HMギタリスト史上、サイコーの(サイテーの?)自意識過剰野郎とヤユされる超絶技巧スピードキング=通称「王者」こと、イングウエイ・マルムスティーンによる1986年発表のソロ・アルバム「Trilogy」であります(説明長っ)。

マーク04.jpg
前出の5月のツアーは、この名アルバムを、ステージ上で(ライブで)完全再現しよーつう企画です。超ビックヒット・アルバムには、こうした企画がよく持ち上がりますな。数年前に、デフ・レパードもやってたねえ。

で、ワタクシが何に怒っているか、をご説明しましょう。

アルバムの完全再現ライブをすることは否定しません。むしろ「Trilogy」を愛する日本人には好企画であります。

問題はこのアルバムが、ギタリストのイングウエイ・マルムスティーンのアルバムだということ。バンド・アルバムじゃなく、あくまで彼のソロ・アルバムなんです。

何を言いたいかつうと、イングウエイのソロ・アルバムの再現ライブを、なんで、イングウエイ抜きで、雇われシンガーに過ぎなかったマーク・ボールズがやるのよ!つうこと。

マーク・ボールズがいくぶんでも作詞・作曲に貢献していたならまだしも、「Trilogy」は全曲がイングウエイの作詞・作曲(歌メロも含む)であり、マーク・ボールズは渡された曲を「歌っただけ」なんですぜ。

マーク05.jpg
私はてっきり、イングウエイもご納得のうえ、今回の完全再現ライブが実行に至った、と思ってました。そうしたらアナタ、発売中のメタル雑誌「BURRN」のインタヴュー記事を読むと、当のイングウエイも、このライブを腹に据えかねているご様子。それも、お怒りの理由はワタクシと全く同じく「雇われシンガー(=マーク・ボールズ)が、オレのソロアルバムの再現ライブだと!バカバカしい!」つう分かりやすいもの。

マーク06.jpg
契約がすべての欧米音楽業界ゆえ、このライブは違法ではないのでしょう。たまたま機嫌の良いときのイングウエイに、主催者がうまく取り入ってOKさせたのか、そのあたり事情は分かりませんが、皆さん、どう思いますか?

あるアーチストのソロ・アルバムの再現ライブを、そのアーチストを抜きにして、サポート・ミュージシャンがやっていいのか?

ここから話はマニアックの度を増していきますが、

たとえば、Queenのアルバム「オペラ座の夜」を、フレディ亡き今、ブライアン・メイ(G)とロジャー・テイラー(Ds)が、シンガーを雇って再現ライブを開催したとする。これはアリか?答えは「アリ」ですよね。だって、ブライアンと、ロジャーは、れっきとしたQueenのメンバーなのだから。アダム・ランバートが好きでなくても、これはアリじゃよ!って、力の入れ処はそこかいな(苦笑)。

次。Deep Purpleの第3期の名盤「Burn(邦題:紫の炎)」を、シンガーのデヴィッド・カヴァデールが、リッチー・ブラックモアを抜きに再現ライブして良いか?答えは「OK」でしょう。カヴァデールは短期間とはいえ、パープルの正式メンバーだったのだから。かつ、「Burn」は彼の名唱なくして成立していなかったのだから。

マーク07.jpg
では、ティム・リッパー・オーウエンズが、Judas Priestの「Painkeller」や「British Steel」の再現ライヴをするのはどうだ・・・ここで悩んだアナタ、さすがである。うーーーん、出題したワタクシ自身が悩んでしまったぞ。答えは保留!ちなみに「ロブ・ハルフォードとツイン・ヴォーカルなら・・・」と思ったあなたは、よほどの人格者か、おバカさんでしょう。

では、これはどうだ。TOTOの初期メンバーが、シンガーをやとって、ボズ・スキャッグスの名盤「Silk Degrees」の再現ライブ。おいおい、そりゃあ「NG」でしょうね。TOTOメンバー(まだTOTOと名乗っていなかったが)は、あのアルバムの演奏に貢献大でしょうけど、「Silk Degrees」は、あくまで(高田純次さん似の)ボズさんのソロ・アルバムですから。TOTOメンバーはあくまでバック・ミュージシャンですから。

と、まあ、くどくど書きましたが、ワタクシとて鬼ではない

百歩譲って、ですよ、たとえばイングウエイ・マルムスティーンが1988年に発表したアルバム「Odyssey(オデッセイ)」を、ジョー・リン・ターナーが、イングウエイ抜きで、再現ライブしたとする。これまで書いた理由により、ワタクシ、一応は「それはないでしょ」と思うものの、

このアルバムで、ジョー・リン・ターナーが、雇われシンガー以上の貢献をしていることは周知の事実であり(作詞、および歌メロ)、その点を鑑みると、ジョーでなら再現ライブを許せる気になります。ま、交通事故を起こしたイングウエイが悪いわけでその点もふくめ、アイ・サレンダー~~。。。いや、それはレインボーだわ。

いずれにしても、マーク・ボールズによる「Trilogy」完全再現ライブはなし!論外!これが、本日の結論でしょう。(マーク・ボールズのファンの方、リング・オブ・ファイアのファンの方、すいません)

おっと、そうそう、本日、ちょっとした発見をしました。ワタクシこの記事を書くにあたり、CD棚から「Trilogy」を引っ張り出して聴きなおしたんですが、2曲目「Liar」の歌詞に驚きました。今回のマーク・ボールズのライブを予見したかのような内容なんです。さすがはイングウエイ・・・って、そこ、誉めポイントかよ。では、その小ネタを紹介し、今日の記事はお終い!


Liar  written by Ingwie Malmsteen

You came to me/ Said you were my friend/

I shared my art and my mind/ 

You found it easier/ to steal than create/

Then call it your's/ though it's mine


嘘つき野郎  by イングウエイ・マルムスティーン

お前は俺のところにやってきた。そして「あんたは友達だ」と言った。

俺はお前に作品を分けあたえ、心を通わせた。

お前はこう感じたのだろう、自分で作るより、俺から盗むほうが楽だと。

そして言うのさ、俺から盗んだものを、自分のものだと。


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。