論文不正事件にひさびさビッグネームが登場!それにしてもこの脇の甘さは・・・。 [雑感]

2023年7月。

ワタクシの大好物「研究不正」ニュースにビッグネームがご登場であります。不正にはいろいろなヴァリエーションがありますが、もっともポピュラーなのは「論文の改ざん、ねつ造」というヤツでしょう。

たとえば、覚えている方もおいででしょう、小保方さんという理研の女性研究者が、2014年、STAP細胞なる大発見(発明)を論文発表し、記者会見まで開いた件。そこまでは良かったけど、その後、複数の研究者から疑義が呈され、調査の結果、STAP細胞は存在しなかった、つまり、ねつ造だった・・・つうトホホな事件。

小保方さんは一時、理系女子(リケジョ)の星と祭り上げられ、しかし一転、図表を都合よく編集するコピペ名人「貼子」と揶揄され、最後は「STAP細胞はありますぅ~~」という名言?を残し理研を去ったわけです。ちゃんちゃん。

あの件は、理研というビッグネーム、若手女性研究者、派手な打ち上げ花火(会見)さらにはドロドロの人間相関図といった要素が相まって、学術系には珍しく毎日のワイドショーネタになりましたなあ。

さて一般の方はご認識ないと思いますけど、こうした論文不正、実はそれほど珍しくはありません。たとえば文部科学省の予算がらみの研究に限っただけでも、1年間に約10件のペースで不正が発覚しています。文科省のHP(以下)で、年ごとの不正一覧表を観ることができます。


これだけ不正が当たり前になると、ネタ自体の新鮮味が失われ、ウオッチャーのワタクシは寂しいのでした。経歴も論文も嘘だらけつう東京大学「セルカン事件」なみに笑える大ネタはないんか!と無いものねだりの日々であります、嗚呼。。。(セルカン事件に関する当ブログ記事は→ここ)。

で、このたび。

セルカン事件ほどぶっ飛んでいませんが、そこそこマイナス感動したニュースがありました。下図はNEWSポストセブンさんの記事(7月21日付け)から拝借。

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国立循環器病研究センター、通称「国循(こくじゅん)」の大津理事長が名を連ねる論文に、じゃんじゃん不正(らしきもの)が見つかった、という話であります。

嵐の松潤(まつじゅん)は知ってるけど、国循は知らんぜ・・・つうのはこちらの不勉強。なんでも「日本の心臓医療の最高権威」だそうで、そんなすごい組織の一番エライ人が不正に関与していた点が、下世話な興味を引くわけですなあ。ふふふ。

で、ここからが本題なんだけど、そんなにすごい機関なら、論文不正の手口は、オボカタさんのような稚拙コピペではなく、もっと高度つうか知能犯的なんじゃろ?と思ったわけです。で、蓋を開けてみると、

どひゃ~~なんだよ、これ。よくある画像の使い回し、それも一目でばれるレベルじゃん!

異なる実験の結果、つう触れ込みの写真を比べてみましょう。

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赤枠内を切り取って並べると、ほらね、どう見たって同じでしょ。もろに「画像の使いまわし」じゃん。アスペクト比(縦横の比率)を変えるでもなく、片方を傾けるわけでもなく、そのまんま。こりゃどうかしてるわ。

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ちょっとちょっと!こんな低レベルの切り貼りじゃあ、ウオッチャーはガッカリです。いまどきの画像チェックは、人の目だけでなく、Pythonなどのソフトウエアが活用されているわけです。色調整、サイズ伸縮はもちろん、細かく施した加工さえも見破ってしまうハイテクなご時世ですぜ。

不正者がベテラン研究者か学生さんかは知らんけど、あまりに脇が甘く、あまりにアホとしか言いようがありません。以前、当ブログ記事に掲載した、私が加工したマンボウ画像(以下)のほうがまだマシだよねえ、と申し上げたい。

kokuj03.jpg
いやはや、松潤・・・じゃなく国循つうことで勝手に期待していたワタクシ、その分、ガッカリ度合いも大きかった。こうなると、不正調査委員会の報告書を楽しみに待つしかないでしょう。

その手の報告書がね、また面白いんですよね。下手な小説よりよっぽどスリリングです。また笑いのツボにも事欠きません。ここ数年で出色といえば、岡山大学の元室長による論文ねつ造事件の調査報告書です。実施していないマウス実験をやったことにして、ねつ造した結果を、論文として投稿したのです。うーん、なかなか大胆じゃないか!

事件発覚後、調査委員会が元室長(不正の当事者)に実験データの提出を求めました。そのさいの元室長の回答がケッサクなんです。いわく「実験データを収納していたハードディスクが壊れてしまった。同じデータはPC本体にも保存されていると思って、ハードディスクは破棄した。その後、PC本体を確認したら実験データは保存されていなかった」・・・これが、実験データを提出できない理由、だそうです。

このバカバカしい言い訳に対する調査委員会のツッコミがナイスです。「ハードディスクを破棄する前に、PC本体のデータを確認しなかったのか?業者に頼んでハードディスクを復元しようとは思わなかったのか?つうか、そもそも、大学の備品(ハードディスク)を勝手に捨てちゃあダメだろうが!

・・・というわけで、くだらんブログ記事を書いているまさに今、どこかの大学、どこかの病院、どこかの研究所で、改ざん・ねつ造された論文が着々と作られているわけですなあ。闇は深いです。合掌。。。

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