映画「FALL(フォール)」。高をくくって登るとこうなるつう、軽ノリねえさんたちの末路。 [映画]

2023年2月。

札幌帰省のさい、劇場でみた映画2本のうち1本について書きます。タイトルはこちら、「FALL(フォール)」であります。内容はポスターの絵面がキッチリ語っていますなあ、お見事。

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分類としては、◯◯パニックとか、◯◯スリラーとかタームがあるのしょう。が、ワタクシは勝手に「取り残され映画」と呼んでいます。たとえば、サメがうようよいる南海に取り残される(「オープン・ウォーター」)、極寒のスキーリフトに取り残される(「フローズン」)、そうした絶望状況から主人公たちが、どうやって脱出するかつうサバイバル・ストーリーですな。

本作「FALL」の舞台は打ち捨てられ老朽化したテレビ塔、その名も「デンジャーD」。高さ600mというから、東京スカイツリー並みの高さがあります。で、二人の女性クライマーが頂上を目指し、デンジャーDを昇るのですが頂上を極めた!と思いきや、唯一の昇降手段であるハシゴが外れて、二人は600mの高所に取り残されます。

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スマホは通じず、食料も水もなく、さらなる敵も加わって、さあどうするどうする・・・てなもんです。

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この極限状況を知恵と工夫で打開しよう奮闘するお二人。いやあ恐れ入りました。映画とはいえ、ニンゲンの生への執念に改めて感服した次第。

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しかし!ワタクシは、どうも納得がいかんのである!

目くじら立てるなよ、と言われることを承知で申し上げます。この二人、過去の山岳事故の悲しみから立ち直るため、あえて危険なデンジャーDに挑戦したつう前提になってます。つまり悲惨な落下事故を目の当たりにした当事者つうわけですが、それにしては、高所を甘く見過ぎではないか?

放置されっぱなしの老朽建造物(のはしご)なんて、いつ折れたり外れたりしてもおかしくない。事故は「想定内」ってことです。万が一を想定し、長いロープを手分けして持参するとか最低限の「備え」は必要でしょうよ。なのにこの二人は、あまりにも軽装なんです。シロウト目からみても、冬の富士山にTシャツ1枚で登るような阿呆っぷりですぜ。

どんなすごいクラーマー経験があるのか知らんけど、事故に遭遇したときのために、たとえば「2日間、連絡がなかったらここを探してね」と事前に仲間に言っておくことだって出来る。

「備えあれば憂いなし」という諺の真逆を突っ走る、おねえちゃん二人(もう、おばさん?)のヤンチャに、地元もとんだ迷惑ってことです。そもそもね、塔を囲むフェンスは鎖で施錠され、看板に「Danger of Death」(命の危険アリ)なる文言が掲げられているんです。そこを突破して昇るなんざ、ただの迷惑バカであり、これじゃあ死んでも自業自得じゃん、というオチですわね。

そうなんです。取り残され映画には、主人公に共感できるのと、できないのがあるわけです。原因が業務中の事故(「オデッセイ」「ゼロ・グラビティ」等)ならば同情もするけど、計画自体の無謀・ずさんが主因となると、主人公に全くシンパシーがわかないワタクシです。まあ、アメリカンな方々は背景・経緯はどうでもよく、終わり良ければすべて良し、なんでしょうねえ(ホントかな?)。

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大人気ない文句をグダグダ書きましたが、最後にワタクシが「FALL」でバカ受けしたシーンについて。恐怖で緊張するおねえちゃんに、もう一人が「歌でも歌いなよ!」と声をかける。で、歌い始めた曲が、

WARRENTの「Cherry Pie」ですぜ。おいおいっ!ちなみに邦題は「いけないチェリーパイ」でしたなあ。80年代ロックに疎い方に、場所を日本に置き換えて説明しますと、恐怖をまぎらわせるために歌った歌が、ゴールデンハーフの「黄色いサクランボ」(スリーキャットのオリジナルではない)だったり、フィンガー5の「学園天国」、ピンクレディーの「UFO」、そんな感じですか・・・ってかなり違うか。

でもね、600mの高所で歌うなら、中森明菜さんの「DESIRE」で決まりでしょう。「真っ逆さまに~落ちてディザイア~♪」って、それ、絶対にダメだろう!落ちる・滑るは受験生にも禁句。「それはちょっと出~来ない、相談ね~♪」って、こんどは曲が「禁句」かよ。

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とボケまくりで収拾がつかなくなったので、本日は以上!皆さんも頑張って、Keep On Falling!って、落ちちゃあダメだってえ!ちゃんちゃん。最後の口直し、といってはナンですが、映画「FALL」の予告編を貼り付けておきますね。


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