20年前は好きだったのに、今は、5分と続けて聴けないロック・アルバムが寂しい。 [ジャズ、ロック、ポップス]

2018年10月。本日はロックネタであります。

まずはここで、毒舌箴言家のフランス人、ロシュフコーさんの名言(?)をひとつ。

ある時に自分が誉めていたことを、別の時になって、自分が少しも良いと思わないのに気がつくことくらい、われわれの自己満足をしぼませるものはあるまい。   (岩波文庫「箴言集」より)

・・・・とまあ、こんな皮肉を引用したのも、先般ワタクシ、お言葉通り「自己満足がしぼむ」思いをしたからです。

クルマ移動時のBGMにCD棚から久しぶりに引っ張り出したのが、90年代に大好きだったバンド、エクストリームの代表作「ポルノグラフィティ」であります。

CHICAGO05.jpg
「ポルノグラフィティ」をグループ名にした日本のバンドがあるくらいですから、エクストリームはそれなり人気のバンドでした。さて、クルマの中で、このアルバムを聴きはじめたワタクシ、愕然としたのであります。若者ぶって言えば、「超・マジィ?」ってところです。

20年前に、素晴らしい、と惚れ込んで聴きまくっていたエクストリームの楽曲が、

まったくココロに響かない

のです。それどころか、5分と続けて聴けません。耳が受け付けないのです。もちろん音楽が悪いのではなく、こちらの耳(脳というべきか)が、時間を経て変質したのですな。ヌーノ・ベッテンコートのギターも、ゲイリー・シェローンのヴォーカルも全然ピンとこない。要するに好みが変わったってことです。

それにしても、これほど極端に「好み」って変わるものか。私は、別にヴァン・ヘイレンへ恨みはないんだけどなあ(←話をややこしくしてすいません)。

まさに、冒頭掲げたロシュフコーさんの箴言どおり「昔良いと思ってたものが、今は、ちっとも良く思えず、自己満足がしぼんだ」体たらくでございました。ちゃんちゃん。

ま、考えてみれば、ニンゲン、似たような事態に何度も遭遇します。昔好きだった芸能人(アイドル)を思い出して「あちゃーー」と赤面する人もいるでしょう。面白いから見ろよ、と友人に薦めていたお笑い芸人が、一発屋で消えた数年後、TVの懐かし番組に、その芸人が出てきて「当時、面白いと思っていたギャグ」を観たときのお寒い気持ち。。。あるよなあ。

まあ、そんなのは可愛いもんで、最悪なのは配偶者のチョイスでしょう。「昔のオレは、何をどう勘違いして、こんな相手と結婚したのか?」と怒り+後悔で悶々としてる方も多いことでしょう。対象を「好き」という感情は、良くも悪くも思い込みのウエイトが大きいので、正当かつ冷静な評価を妨げる、と言えそうです。「あばたもえくぼ」とは昔の人は上手いことを言ったもんです。

ここで話は戻りますが、10年~30年前に買ったCDを聞きなおすと、「なんじゃあこりゃ!」とマイナス感動する物件、けっこう多いんですよ。あまりに多くって、もはや自己満足がしぼむヒマがありません。

非メタル期のマイケル・キスク(聴いちゃおれんな)。ドラゴンフォース、ANGRA、ストラトヴァリウス・・・この系列のメタルは今は無理って感じっす。ギタリストだと、スティーヴ・ヴァイ、イングウエイ・マルムスティーン、マイケル・シェンカー・・・無理だなあ。バンドなら、ガンズ・アンド・ローゼズ、フー・ファイターズがダメです。あと、Mr.Bigがアウト(ポール・ギルバートさんは全然アリなんだけどなあ)。

しかし!一番の拒絶反応が出たアーチストは、ブルース・スプリングスティーンでした。ブライアン・アダムスには違和感ないので声質の問題じゃない。たぶんブルースさんのあのお顔、濃い「芸風」が・・・おっと話がマニアックの泥沼に入りそうなので、今日はこれでお終いっ。チャオー。

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ダンボ

エクストリーム、だめでしたかー…。手元にあり、二枚ほど、聴いてみようかなー。未だに、大昔のものを受け付ける自分は、脳ミソや、その他精神構造が進化していないのかな?と疑問に感じる今日この頃…。LP処分のところも拝見させて頂きました。イングウェイも、スティーヴヴァイも無理ですか~。節操なく、色々聴きますが、最近のひとは、CDを購入したしたりも、最早しないのでしょうか?同年代の知り合いは、全てスマートフォンで事足りるから、CDも音響機器も処分したと言うのですが…。好みが変わる?配偶者に対する思いのくだりは、苦笑しながら読みました[わーい(嬉しい顔)][あせあせ(飛び散る汗)]もう、娘や孫にLPの話などしても無駄なんでしょうね…。ヴィジュアルに惹かれてLP購入したケースもあり、現在を知ると、思い出に生きたいと感じたり、昭和が遠くなりました。来年還暦のものです。大変興味深く拝見させて頂きました。ありがとうございました。
by ダンボ (2019-05-16 22:53) 

門前トラビス

To ダンボ様、コメントありがとうございます。
ナイス&マニアックなお言葉をいただき恐縮です。
ワタクシが、いまだに好きなギタリストといえば故ゲイリー・ムーアさんですね。ジャンル違いだと元憂歌団の内田勘太郎さん、ライ・クーダー・・・って要するに、ブルーズ系に頭がシフト中ってことでしょうか。
ご指摘のとおり、当方、音楽ソースは基本CD一辺倒でして、しっかりスピーカーで聴きます。いくら音質が良くなったとはいえ、スマホからイヤホンで音楽を聴くのには抵抗がありますね。
LPレコードのハナシですが、信じられないほど若者にそのネタは通用しませんね。レコードプレーヤーなる装置の存在は知っていても、自分の手で、ターンテーブル上のレコードにトーンアームを乗せた経験はなく、カートリッジ交換やバランスウエイト調整など「なんのハナシですか?」という体たらくですので話になりません。
とはいえ、ワタクシもエジソンの蝋管や、ラッパ形の蓄音機は扱えないので、これが時代の流れというものなんでしょうね・・・。
ありがとうございました!
by 門前トラビス (2019-05-19 22:09) 

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