自宅の倉庫部屋を整理して、死蔵本を大量に処分したハナシ。 [本]

2018年10月。ワタクシ、8年間、手つかずだった大シゴトに着手したのであります。それは

倉庫部屋の片づけ

であります。8年前、今の家に引っ越してきたとき、本だの書類だのを詰め込んだ大量の段ボール箱を2階一室に「仮置き」したんです。未開封の段ボール箱が山積みになったその部屋は、足の踏み場もない倉庫の様相を呈していたわけです。

ひと部屋、使えないけど仕方ないや、と自らの怠惰をエクスキューズし、放置していたところ、恐ろしいことに倉庫部屋にはさらなる不用品が増殖しました。木材、シール材、余った電線やケーブル、ストーブ、故障したオーディオ・・・そんなもろもろが集結し、倉庫部屋というよりゴミ集積所の有様です。

さすがのワタクシもこれはイカン!と一念発起。重い腰を上げ、片付けに取り掛かったというわけ。とはいえ見えている段ボール箱は氷山の一角。クローゼットのなかにも箱、箱、箱・・・。箱を引っ張り出し、整理するぞ!と気合いを入れたものの、たかが30分で嫌気がさします。

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そう、箱を開けただけでは何も減らない。勝間和代さんに言われるまでもなく、中身の「廃棄、破棄」が必須です。8年間も開けなかったから、何も考えず箱ごと捨てればいいじゃん、と思ってもそうは問屋が卸さない。

箱の中身が「本」なのは悩みどころです。レイ・ブラッドベリの「華氏451度」じゃないが本を捨てる、という行為に、単純に抵抗があります。さりとて古本屋まで運ぶのも大変だし・・・ま、作業を進めながら考えましょう。

いやはや出るわ出るわ。映画のチラシやパンフレット。学校の教科書、参考書。技術文献。旅行先の地図や宿泊領収書。画集、写真集、ハードカバーの小説、文庫本、新書・・・あまりにイロイロ出てくるので、いつの間にか楽しくなって、かえって時間をロスしてしまう。

下写真。左上は学生時代に使ったドイツ語教科書。いったい何のために持ってたのか?即、破棄ですね。その右は工業系ハンドブック。私の提供した文章と図表がはじめて本に載った思い出の品ですが、800ページの分厚さゆえ破棄です。

雑誌「ユリイカ」がやたら出てきます。左下はトリュフォー監督の特集号。表紙イラストはジャクリーン・ビセットが出演していた映画「アメリカの夜」、懐かしいけど破棄。右下は、1993年に日本で巡回開催されたシャイム・スーティン生誕100年記念展覧会のカタログ。これは捨てないぞ。

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うわあ、大阪で買ったユイスマンスの著書ふたつを発掘。「三つの教会と三人のプリミティフ派画家」「黒ミサ異聞」、これはレアですねえ。絶対、重版してないでしょう。ワタクシ、ユイスマンスは「さかしま」「彼方」の二冊保有で満足なので、もったいないけど破棄だ!いや、待て、どなたか欲しい方がおられれば連絡ください。ただで差し上げます。

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また渋い本が出てきましたなあ。チェンバリストでもある渡邊順生(よしお)さんの大著「チェンバロ、フォルテピアノ」です。そしてエルンスト・ブロッホ著「ルネサンスの哲学」です。どちらもピカピカ美本なのは、ほとんど読んでいない証拠か?

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こんな調子で、箱を開けては中身を出し、破棄本を束にしてひもで縛り、また箱を開け・・・の作業を延々と繰り返すワタクシ。まるで、シーシュポスの神話・・・って、そこまで無為じゃねえよ。

ショックな発見がありました。同じ本を2冊買っていたことが今になって判明。1冊目の保有を忘れ、同じ本をまた買うつう、我ながらバカかいな、と思う。

たとえばジャック・プレヴェール詩集2冊。見た目は違うけど訳は同じ小笠原豊樹さんで、掲載詩も同じでした。そういえば小笠原豊樹さんはレイ・ブラッドベリの「火星年代記」を訳してましたね、「華氏451度」は・・・あ、話が戻った。

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こちらに至っては、まったく同じ2冊の本。瀧口修造先生「幻想画家論」。どちらも古本屋で購入し、どちらも「新装改訂版」とあって、ワタクシをゲンナリさせてしまうのでした。一冊は破棄ですかね。

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てなわけで、まだまだ倉庫部屋の整理作業は継続中であります。奥のほうに隠れている開かずの段ボール箱から、このあといったい何が出てくるのか・・・怖いようなワクワクするような。

それではここでジャック・プレヴェールの詩をひとつ。

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天にましますわれらの父よ

天にとどまりたまえ

われらは地上にのこります

そして段ボール箱を片付けます

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・・・おっと、最後の1行はわざとらしかったですね。ちゃんちゃん。

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LargeKzOh

書籍類の断捨離は本当に難しいです。
自分の場合、廃棄処分する奴は(一応ですが)PDF化してから。
単なる気休め似すぎませんが。
by LargeKzOh (2018-10-14 14:48) 

門前トラビス

To LargeKzOh様、コメントありがとうございます。
書類の整理・破棄は、ご指摘のとおり苦戦の連続dすが、だんだん勢いがついて、「まあ、いいや!」とばかりに、どんどん破棄できるようになりました。
ごく低い確率で、「あの時、捨てなければ・・・」と後悔するかもしれませんが、たぶん保有していたことも忘れてるだろうから、後悔はなさそう・・・と割り切っております。
とにかく、部屋がスッキリ片付くのが嬉しいです。引き続き頑張ります!
by 門前トラビス (2018-10-21 21:31) 

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