「ヴラマンク展」の2回目は広島で拝見。そして東京葛飾区柴又でヴラマンク風(?)のアートを発見。 [絵画]

2017年12月。今回は絵のハナシであります。グダグダ必至のテーマですねえ。

以前から思うのですが多くの日本人は、セザンヌ、ゴッホ、モネ、ルノワール、シャガールあたりの19世紀末~20世紀の絵画がめちゃ好きですよね。なぜでしょう。ヒトの好みは千差万別、何を好こうと勝手だけど、世間はその手の画家をあまりに持ち上げすぎだと思う。正直、ワタシには彼らの絵の良さがサッパリ分からない。いや偉大な芸術だと理屈(頭)では分かりますよ、でも感覚というのかなあ、要するにココロに響かないです。たとえ1000円でも彼らの絵は買わないでしょう(好みじゃないし、狭い家なので邪魔になるし)。

たとえば、です。印象派絵画を徹底否定し「アカデミズムの権化」として絵画史に悪名を残すジャン=レオン・ジェローム(1824~1909)の絵画を観てみましょう。作品がすべて名品とは言わないけど、少なくとも「ピグマリオンとガラテア」を観るたびワタクシの心はブルッと震えます。一枚の絵にこめられた雄弁なドラマに感動してしまう。彫刻家が、自ら作った彫像を愛する物語のハイライト。まさに、今、象牙の女性像に命が吹き込まれんとする瞬間を超絶技巧で描ききっています。すごい一作だと思う。

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こうした神話・伝説を題材にした写実的な古典絵画を褒めると、それだけで「時代錯誤だ!」と分かったよーな難癖をつける輩がいます。私に言わせれば、そんなヤツらこそが「他人(ひと)の頭を借りてモノゴトを考える無思想野郎」ですぜ。彼らには確固たる「芯」(信念)はない。世間評価と流行りのなかでプラプラと価値観が揺れる。そうした「流行りに乗る」人たちをターゲットに展覧会は企画されるから、経済貢献の観点からはアリなんでしょう。ま、ヒトのことだから、どうでもいいけど。

さて話は変わります。大好きな絵画との再会報告です。

先日、広島へ出張したさい、新幹線乗車時刻まで、1.5時間ほど時間があったので、即座に、ひろしま美術館へ向かったのです。そう、ヴラマンク展(2017年11月3日~12月24日)を拝見するために。

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同じ展覧会は、2か月ほど前、山梨県立美術館(甲府)で拝見しました。今回が2回目。ヴラマンク作品とくに雪の風景画を愛するワタクシは出張の空き時間に深く感謝して、うへへへ、と笑いが漏れます。

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語彙貧困ですいませんが、やはり感動しました~。前回(の山梨)では「影の黒」の奥深さを堪能しましたが、今回は「雪の白」と「雲のグレー」を凝視します。閃光がきらめく様にサッと塗られた(盛られた)白絵具の「雪」が、画布からオーラを発しています。怖いくらいですね。

こりゃあ、たまらんなあ。

山梨、広島の勢いで最終巡回先である北九州市立美術館(開催期間2018年1月4日~2月25日)にも行かざるをえまい!とココロに決めた次第。我ながら自分のヴラマンク愛に感心してしまう。

いっぽうで、この素晴らしい展覧会が、東京や横浜で開催されなかった点は痛快です。首都圏のヒトたちは、長蛇の列をつくってゴッホでも有難がって観てれば良いのだよ~へっへっへ(妙な優越感だなあ)。以上で、広島のヴラマンク展のお話はおしまいっ。

すいません。今日はまだ話が続きます。長々と申し訳ないです。

先日、隣町の葛飾区柴又の帝釈天参道へ蕎麦を食べに行きました。江戸川を「矢切の渡し」という舟で渡ります。うーん蕎麦を食うのに「舟」ってのは渋いですなあ。

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葛飾区の船着き場で下船すると、得体のしれないアート(?)を発見。これです。

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公園用の簡易トイレのようです。四方の壁に描かれた絵に注目です。

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ちょっとビックリです。「矢切の渡し」をテーマにしたペインティング、なんつう突き抜けた表現でしょう。原初的といいましょうか、ドラン風あり、マティス風あり、ゴーギャン風あり、ルソー風あり、シャガール風あり、さらにはヴラマンクのフレーバーさえ漂っております(褒め過ぎ?)。画面の下部(風景)と上部(舟)の遠近感などどこ吹く風の眩惑感。

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裏側には一味違った渡し舟が描かれています。エミール・ノルデばりの大胆な黄色もたまりません。

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魚には味以上の「コク」があります。フランシス・ベーコンの魂が注入されています。

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どうですか!地元の小学生が描いたのか、絵心のある葛飾区民が描いたのかは分かりませんが、こんな力作を観ちゃうと、ゴッホだ、ルノワールだ、ジェロームだのとエラソーに書き綴った自分がアホに思えます。失礼いたしました~。

以上、本日の長文・駄文はお終い。もともと何を書きたかったか、自分で分からなくなった理由は、今の私が酒でベロベロだからでしょう(さきほど、ワインをフルボトルで1本、日本酒4合を呑み終えたところ)・・・とチョット言い訳。

ちなみに(とまた話は戻る)柴又の帝釈天参道の蕎麦処「やぶ忠」さんは、やっぱり美味かった!土曜のお店の前は、大賑わいです。

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いただいた、天せいろは1200円也!ああ美味いなあ、そしてリーズナブルなお値段だ。最高!と盛り上がって、本日は以上です。ちゃんちゃん。

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