私が憧れる写真。ゴットフリート・ヘルンヴァインの写真と絵画の世界。。 [写真]
先般、本ブログで、「私は写真を『撮る』のが苦手です!」とマイナス自慢しましたが、写真を『見る』ほうは大好きなのであります。こんなふうに撮影できたら良いなあ~と憧れる写真家も何人かいます。
私が好きな作風は、少ない例外を除けば、「スタジオで完全に演出し、創りこまれたもの」。時々刻々うつりゆく風景、動物、人物表情をシャッターチャンスを逃さず捉えた写真は、ある意味、写真芸術の存在意義そのものといえるでしょう。しかし作者のイメージを忠実に具現化した「絵画的」写真のほうに、強く惹かれるワタクシであります。
「絵画的作風」で大好きなアーチストは、1948年生まれのオーストリア系アイルランド人、ゴットフリート・ヘルンヴァインさんです。画家として出発、リアルな水彩画で有名だったようですが、パフォーマンス、写真にまで貪欲に領域を広げ、いずれの分野にも独自の世界を打ち立てた方です。
作品に共通するのは生理的嫌悪を催す過激な題材と表現です。
ゆがめられ、腐った顔。包帯に巻かれた少女。血まみれの人間。性的連想を誘う少女や、戯画化された動物。頭で理解するのではなく、肌で(痛みで)感じる作品群。それらを見詰め続けると、時間を忘れ、その世界(多くは悪夢的)に吸い込まれてしまいそうで怖い。
それにしても、70年代から活躍する彼が、いまだ第一線で刺激的な作品を生み出していることは驚きといえましょう。・・・と能書き書いててもなんですので、絵画、写真、ドローイングのいくつかを掲載します。(超リアルな絵画は、なんと「水彩画」です)
彼のオフィシャルサイトには「日本語版」もありますのでご興味があれば、のぞいてみてください。作品は「ワークス」のアイコンをクリックすると展開し、観ることができます。
http://japan.helnwein.com/home/home/home.html
さて、次回は、写真家ヤン・サウデクさんをご紹介しましょう。これもすごいですよ~。
ども!門前トラビスさん。
かなりえぐい写真ですね~。
写真家というより、写真も一つの表現手段というお方ですね。
ちょっといっちゃってますねー。
人間存在のきわどさ、危うさを表現したいのかもしれませんが、一種あざとさを感じますです。あまり深く鑑賞していないのでなんですが。
by azm (2009-12-29 17:09)
To azm様、コメントありがとうございます。
この「濃さ」と「あざとさ」が、いかにも70年代!という気がしないでもありませんが・・・・彼の初期テーマは、とにかく「傷」「痛み」ですね。
外傷、心の傷、そのふたつのリンク、思いっきり表現しきっていますので、ある意味、分かりやすい芸風ともいえる?
いっちゃってる、というご指摘はそのとおりで、彼のパフォーマンスのひとつに、自分の体を剃刀で切る、という過激というか、「痛い」ネタがあったそうです。
これでは、精神病んでるよ、と言われてもしかたないかもしれませんね~。
by 門前トラビス (2009-12-30 09:56)