NHK交響楽団のコンサート。チャイコフスキーはこうでなくちゃね!の日。 [クラシック音楽]

2023年7月。

昨日(7月1日)は自宅最寄り駅から3駅お隣の京成線「青砥駅」ちかくの、かつしかシンフォニーヒルズへ行ってきました。NHK交響楽団のコンサートを拝見するためであります。

クラシック音楽の実演を拝見するのはピアノリサイタルをのぞけばおそらく4年ぶりであります。コロナ禍の2020年以降、コンサートは中止が相次ぎ、いったいどうなることかと危惧しましたが、ひさしぶりに大ホールでオーケストラの生演奏を聴くことができ、それだけでも満足なうえ、演奏が素晴らしく最高の1日でしたなあ。

昨日の演目はチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲と交響曲第4番です。ワタクシのツボにど真ん中ストレートをぶちこむナイス選曲であります。

この文章を書きながらヴァイオリン協奏曲の第一楽章、サビの泣きメロが脳内を駆け巡っております。ビートルズも、ストーンズも、クイーンも、ツエッペリンも、ONE OK ROCKも、あいみょんも素晴らしいんだけど、100年後にも奏でられ、聴き手が涙を流す曲は、チャイコフスキー、ブラームス、シューベルトではないか!?と思う次第。お、妙なところで力が入りましたね、失礼。

さて、昨日のNHK交響楽団のコンサート。指揮者は、晩年のカラヤンさんのアシスタントを務めた山下一史さん。協奏曲のソリストは、2019年のチャイコフスキーコンクール第4位の金川真弓さんであります。

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まずは前半の協奏曲。安定・安心の仕上がりでございますなあ。オケ(&指揮者)がソリストのサポートに徹している点が個人的に好感度大。昨今、協奏曲において、メインのヴァイオリニストやピアニストそっちのけで大音量と勝手なテンポでオーケストラが我が道を往く「全面対決形」演奏が散見されますが、N響さんはそーゆー品のないことはしない!のであります。

すなわち、引くところを引き、押すところを押す。そうして、若いソリストをがっちりサポートする。その心意気だけで嬉しいぜよ、と思っちゃう。いっぽう、ソリストの金川さん、きゃしゃなお体に似合わぬチャイコフスキー楽曲らしい(?)力強く野太い音色をホールにバンバン響かせてくださいました。お見事!

で、後半のチャイコフスキー交響曲第4番。

はい、脱帽です。感動であります。Eテレ等、TV番組でたまに演奏は聴いてはいましたが、NHK交響楽団のすさまじい合奏力を目の当たりにして仰天したのであります。

自慢じゃないけど、チャイコフスキーの交響曲(4番、5番、6番)を、少なくとも20回はコンサートで聴いてきたワタクシ。今回のN響の演奏は、そのなかでベスト・オブ・ベスト!と断言しちゃいます。一糸乱れぬ合奏の精度、弦楽器・管楽器・打楽器のバランスの妙、なにより、軽快でありながら力強く、溜飲が下がるつうのはこういう演奏に対して使う言葉であります。こりゃもう世界レベルですよ。ヨーロッパや北米のメジャーオケをありがたがってる時代じゃないのよ、我が国日本のオケはここまできたんですよ、諸君!

マニアックの沼にはまるようですいません。昨日の演奏をさらに深堀りします。チャイコフスキーの交響曲4番のようなスチャラカ曲に下手な変化球を投げちゃいかんわけです(と思う)。160km/hの剛速球をど真ん中にドスーン!と投げ込めばよいのです。昨今、目立ちたい気持ちゆえか、剛速球のふりして打者の手元で妙な変化をさせる輩(指揮者)がいるけど、そーゆー小細工はチャイコフスキー以外でやってください、と強く申し上げたい。

山下一史さんの師匠、故・カラヤン御大はチャイコフスキー大好きな方でしたからね、師匠ゆずりの山下さんの剛速球はブレ無しの一直線なのである。そう、こうでなくちゃいかんのだ!

終楽章(第4楽章)など踊りだしたくなるくらいキレキレであります。当然フィナーレは感動の大団円。ベタだマンネリだと言われようと、ロマンティック名曲を期待どおり予定調和的に演奏いただく。これがクラシック音楽の醍醐味(のひとつ)なのは間違いありません。

マエストロ山下、金川真弓さん、NHK交響楽団の皆さま、素晴らしい音楽体験、ありがとうございました!

さて、今回で勢いがついたのでクラシック音楽のコンサート、これからガンガン行くぞお~~と月刊「ぶらあぼ」をめくると、おお、あるわあるわ、楽しそうなステージが目白押しじゃないか。

山形交響楽団のシューベルト「グレイト」、東京フィルのベルリオーズ「幻想交響曲」、日本フィルのムソルグスキー「展覧会の絵」、東京都響のブラームス(ヴァイオリン協奏曲と交響曲4番)、新日本フィルのマーラー「交響曲5番」・・・うーん。悩ませるじゃん。いくらヒマだからって、これらにゼンブ行くほど金の余裕がないもんなあ・・・とプチ迷子気分になって本日は以上!


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nimke

「かつしかシンフォニーヒルズへ行ってきました。NHK交響楽団のコンサート」
快調なブログ記事更新アップ、ありがとさんです。
ここんところ、マアジャン、アンプ、きのこ、旅行、映画、飲み会、一人呑み・・・っと、繰り出されるテーマの多彩なこと。もともと多趣味で人生をぶんぶんうならして快進撃ぶりな門前はんですが、そのテンポの速さ、バリエーションのマルチぶりには、ますます圧倒されるばかり。
日々ブログ記事の更新状況には注意を払っておりますけれど、一つの大きく構えたテーマが繰り広げられたばかりの余韻が冷めやらぬ時点、まさか、もう次のテーマが掲載されているハズはなかんべえ、と思いつつ、習慣的に貴ブログアドレスを開いてみたらば、なんと、新規テーマが既に厳然と掲載されてある、この衝撃的なうれしさ。世にブログは多々あるでしょうが、かくまでの多彩ぶりにはまことに恐れ入るばかりであります。
ところで「100年後にも奏でられ、聴き手が涙を流す曲は、チャイコフスキー、ブラームス、シューベルトではないか!」とのコメントですが、
シューベルト先生に関しては、既に作曲後200年を経過している頃ではなかろーかと思います。
ベートーベンの逝去が1827年、シューベルトの逝去がその翌年1828年ですから、もう数年でこの偉大な両天才の没後200年を記念する催しが世界中で大々的に行われることでしょうが、つまり彼らの作品の大部分は、既に作曲後200年を経過している計算になるのでしょう。すんません、掲げられた御趣旨にかかわらぬ余計なムダ話で汚してしまい失礼しました。



by nimke (2023-07-03 18:24) 

門前トラビス

To nimke様、すいません、コメント後半を読んで笑ってしまいました。
当方が、100年後、と書いたのは、作曲家が活躍した時代を起点にしているのではなく、「今(2023年)」を起点にしています。「今から100年経っても残ってる音楽は・・・」という文脈であり、読み返しても日本語的に違和感もなく、いったい何に食いついておられるのか、良く分かりません。
おそらく、大木こだま師匠が得意とするナンセンスツッコミの類だろう、と勝手に解釈しました。「膝は笑わんへんやろ~~」というアレですね。
今回に当てはめるなら、「100年後の地球のために・・・」というスローガンに、「100年どころか、すでに46億年もたってまっせえ~~」ってツッコむノリですね。
なかなか面白いので、すこしばかりアレンジを加え、呑み会で「揚げ足取り技」として活用したいと思います。使う相手を間違えると、殴られそうなのが難点ですが・・・。
by 門前トラビス (2023-07-05 21:23) 

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