小林研一郎さん指揮、マーラー交響曲第2番「復活」。お約束のカタルシスですが、大感激でございます。 [クラシック音楽]

本日(2015年4月24日)、シゴトを終えて、池袋の東京劇術劇場へ向かいました。クラシックコンサートを拝見するためです。コンサートの演目は、どーーん。炎のコバケンこと、小林研一郎さん指揮、読売日本交響楽団によるマーラー作曲、交響曲第2番「復活」であります。

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ここまで書いただけで、デュルルルル!と、冒頭の旋律が脳内で響き渡ります。当ブログで何度か取り上げておりますが、ワタクシ、誰が何と言おうと(誰も言わないか)、この曲が大好き、というより、深く惚れ込んでいるのであります。これほどの素晴らしい音楽を、人類が生み出し、そして演奏されること。私が「聴くことができる」こと。それだけで、私にとって世界には価値があり、私にも生きる価値があるってもんです。いや、皆さん。誇張でなく、ホントにそう思いますよ。

モーツアルトのクラリネット協奏曲、クラリネット五重奏曲もそうですが、もしもマーラーの「復活」に自分が出会わなかったら・・・と考えると、ゾッとしますもの。おおげさに聴こえようと、私は「復活」によって自分の人生が変わったと断言できます。それほどの「何か」が、この曲にはあるんです。

初めて「復活」を聴いたのは、高校2年生のとき。メータ指揮ウィーンフィルのLPでした。いまだに名盤ですね。お、40年近くも昔の話だ(感慨にふける)。それまでベートーヴェンの「運命」や「合唱」、ドヴォルザーク「新世界」、ブラームス、ベルリオーズあたりの古典&ロマン派の定番曲を聴いていたので、「復活」が、というよりマーラーの交響曲を聴いたときには仰天しました。まず「演奏時間が長っ!(1曲で80分程度)」とドン引きし、さらに「なんだ!?このハイカロリーの脂っこい音楽は!」と驚いたわけです。(←当時、高校生なのでこのオドロキ表現はしないけど)

そう、マーラーの交響曲は「長く」そして「脂っこい」のです。

この2つのハードルを越えられるか否か、で、マーラー好き、マーラー嫌い、にリスナーは分かれるのであります。ちなみにマーラー未体験者は、比較的コンパクトな交響曲1番、4番から入るのが良いつう、お優しい意見もあるが、それは違うでしょう。2番「復活」、3番、5番、6番「悲劇的」・・・要するに、最初から、臆することなく濃い曲に真っ向勝負を挑んで、コッテリ粘っこさを体感いただきたい。さすがに、私も最初から8番「千人」はお奨めしませんけどね。

さて、ハナシを戻します。

4月24日の小林研一郎さん指揮「復活」であります。

小林さんの実演を拝見するのは、意外に少なく今回が2回目です。前回と印象はほぼ同じでした。「炎の」という冠に納得できるエネルギッシュでドラマチックな指揮姿。決してお若くないですが、さっそうとしており、身のこなしが軽やか、身ぶりが大きく、アクションは切れ味が抜群です。舞踏家やアスリートのパフォーマンスの爽快感であります。勢いで雑になる場面は皆無で、ものすごい集中力がこちらにも伝わってきます。まさに全身全霊を賭した指揮っぷり。人気があるのも容易に理解できます。

いっぽう、音楽づくりは、表現微妙ですが、緩急や強弱をあざといくらい盛ったちょっと独特なものです。好みの分かれるところでしょう。素直に楽曲に語らせる、だけでなく、「小林研一郎さん印」をしっかり刻印した、そんな演奏であります。

ただでさえ「濃い」マーラーに、さらに味付けするので、釧路名物スパカツ以上に重た~くなっちゃうわけで、個人的には、小林さんの施したメリハリは好みではありません。(もちろん、その味付けゆえ、小林さんが好き、というファンもおられるでしょう)。後半は勢いドンドンで良いとして、第一楽章、第二楽章は、そのメリハリが裏目に出た気がします。具体的には、テンポの遅い箇所で、フレーズの流れが滞って、中だるみっぽく聴こえたりもしました。

しかしです!

何がどうであろうと、今晩の演奏はスゴかった。フィナーレでは、オーケストラ、合唱、独唱お二人、そして指揮者が、一体の火だるまになってカタルシスを生み出し、ホールをどーんと覆い尽くします。こうゆう展開になるのがお約束なのです。なぜなら「復活」という曲は、演奏の多少の疵(きず)や演奏家の音楽性なんてブッ飛ばすほどに、楽曲自体に、そのエナジーが詰まっているからです。

轟音炸裂するなかで、小林研一郎さんのパフォーマンスと、なりふり構わず必死に楽器をひきまくる楽団員、という「視覚要素」が加わりますから、興奮は加速。宗教的ともいえる恍惚感で大満足のステージ、となりました。

いやあ、この曲を聴き終るといつも同じですが、ワタクシ、泣きました。マーラーの「復活」は良いです。しみじみ思いますねえ。

一昔前は考えられませんでしたが、コンサートの人気曲になったようで、7月8月は今回とは違うふたつの在京オーケストラが「復活」を取り上げます。私は年に1回だけ聴けば十分です。いくら好きでも、1年に2回も3回も聴くもんじゃあありません。ありがたみが薄れるってもんです。

さて、ハナシは変わります。2015年、今後、開催されるクラシックコンサートです。行きたいステージがあると、あまり迷わずチケットを買うワタクシですが、悩んだのはこの案件。ウィーン・フィルの、10月の来日公演です。

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一番高い席が、35,000円。オペラに比べれば安いですが、気軽に買えるほどではない・・・と、プチ迷ってたんですが、10月6日(水)サントリーホール公演の演奏曲を知って、おお、絶対に行くぞお!とココロに決めました。

モーツアルトのピアノ協奏曲23番、ですよ。

モーツアルトが残した27のピアノ協奏曲の中で、私が愛するほぼ唯一の曲がこれであります。それも、指揮者のエッシェンバッハさん(もともとピアニスト)がピアノを弾く、いわゆる「弾き振り」。おいおい、どうするの、てなもんです。

チケット代35,000円がなんだって言うのだあ!と、今は強気の私ですけどね、この話が家の者にばれると、チケットが、家族で温泉旅行に差し替えになるので、とにかく今は内緒にしておこう。家庭の秘密。ふふふのふ。


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