北九州の小倉でひとり呑み。店選びに大失敗したけど、私にはこの手があるもんね、と自慢する日。 [旅]

2023年6月。

♪ あなたは稲妻のよう~に~、私のこころを~引き裂いた~~ ♪ とアリスの名曲「冬の稲妻」(1977年)を口ずさみながら、やってきました、北九州市の小倉(こくら)へと。

博多でのシゴトにあわせ、福岡県内の小倉に2泊し、美味しい日本酒を呑もうじゃん!つう好き放題のひとり旅。嗚呼、なんと気軽なことよ。わははは。

・・・と楽しかったふりしたけど、今回はサイテーな事件がありました。オレも焼きが回ったな、とつくづく感じた次第。おっと、話を先走らず、事の顛末を時系列で説明しましょう。

関東から福岡空港へ空路移動して、地下鉄、高速バスと乗り継ぎ、小倉に着いたのは午後5時でした。ホテルへチェックインして荷物を置いたワタクシは、美味しい酒と肴を求め、飲み屋街「鍛冶町」へ出陣したのでした。

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酒場を探しながら界隈を一巡、ツボにはまったのは居酒屋「栄太郎」さんであります。

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店前メニューボードの、日本酒の品揃えにしびれました。宮城県の名酒「阿部勘」を、福島県の酒と誤記しているのはご愛敬ということで・・・。

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よし、ここに決まり!と勇んで入店すると、なんとこの日は、予約で満席だという。ガーン。ガガーン。気合が入ってただけにショック大。ま、こうゆうこともあるさ、と気を取り直し、別の店を探すことにしたワタクシ。

今にして思うと、これが悲劇の序章でしたね。腹が減って焦ったか、心のどこかで「店なんてどこでもいいや」という投げやりな気持ちがあったのでしょう。深い考えもなくポッと目にはいった、古びた焼鳥屋に入店したのです。この店の前には「ほんとうに美味い焼鳥を食べたことがあるか」だの「おまかせ5本セットが絶品」だの自信満々なアピール文言が貼られており、これにつられたのかもしれません。今更ですが、ダメなんだよねえ、こうゆう、客寄せPRを掲げる店って。だいたいハズレなのよ。

ワタクシ、40年以上にわたり全国を呑み歩き、結果、ネット情報なんぞに頼らず、外観から酒場の良し悪しを判断できる自負があったのですが、こんな初歩的ミスをするとは、焼きが回ったなあ~~とガッカリですよ。

すいません、焼鳥屋のハナシでした。店内はカウンター7~8席だけ、こじんまりした渋い雰囲気で可もなく不可もなく。問題は、店の主人の不愉快な態度、です。

ワタクシ、ひとりめの客だったんだけど、のれんをくぐっても、いらっしゃい、でもなく、どうぞ、でもなくチラッとこっちを一瞥するだけ。その様が、横柄というか、人を見下しているというか、実に嫌な感じなんです。

入口に近いカウンター席(ほぼ主人と対面状態)に座ってキョロキョロしても、主人は作業の手を止めず、まるで私など存在していないかのよう。「あの~」と声をかけると、ぶっきらぼうに「生(なま)でいいのか」と問う。「はあ・・・」と生返事して生ビールをいただく。

気まずい雰囲気、このうえなし。とはいえ、焼鳥屋でビールだけ飲んで帰るのも変だ、と思い、店の推し?である「おまかせ5本セット」を注文しました。予想はしてたけど、主人からは、ハイ、の一言もなく、むっつり無言。地獄の無愛想っぷり、ここでもさく裂であります。

ここで、30代の兄ちゃん2人組が入店してきました。常連さんではないようで、ワタクシ同様、主人の無愛想に戸惑いながら、やっぱり生ビールを飲んで(飲まされて)ましたな。

兄ちゃんたちが焼鳥を注文しますと、案の定、主人はなんの反応もせず能面対応。でも、手元の紙に注文品を書き込んでいる様子。それをみて私、あれ?オレの注文、紙に書いてないな、認識してないとか?と不安になりまして、「あの~注文なんですけど~」と声をかけました。するとこのクソジジイ(もはや主人とか言わない)言うに事欠いて、

「5本セット、頼んだんじゃないのか」と強い口調で言い返すのである。アタマに来ましたね。こっちは客なんだからヘーコラしろ、と言うつもりは毛頭ないが、人としてあまりにも礼儀を欠いた失敬な態度、こんなクソに客商売させておいていいのか、小倉の街は!福岡県の面汚しだろうが!とムカついてしまう。

自分も40代のころなら、相手を罵倒し喧嘩になってますが、飲食店で悶着してもろくなことがないのは、三田、五反田、ススキノ、仙台、岡山の苦い経験で分かっており、さっさと焼鳥を食って帰ろ、と割り切った次第。オレも大人になった、だって60歳だもんなあ、とここで出た年の功。

間を持たせるための日本酒を1杯呑み、出てきた、おまかせ5本セット、これがガックリなんだな。ネギ間、レバーは良いとして、ハムの輪切りの串刺し、そのしょっぱいこと!ハムって肉を固めるために、もともと塩が入ってるわけです。そこにさらに塩をかけてるので、ギエエ~てなもんです。つうかさあ、いくら「おまかせ」だからって既製品の円筒ハムの、輪切り串ってどうなのよ?これで「絶品」とか言われてもなあ・・・。ま、このあたりは経済性&ヒトの好みなので、深追いはやめよう。

さて、これ以上、不快気分を肥大させちゃいかんと、会計の3,000円はドブに捨てたと諦めて、クソジジイの店を撤収したワタクシ。口直しにラーメンでも食おうか、と一瞬、思ったけど。

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焼鳥屋での腹立ちを押さえきれず、今日はもう飲食店はやめた、やめた!と方向転換。向かったのは鍛冶町から徒歩10分、砂津のチャチャタウンであります。1階にある西鉄ストアで、酒と肴を買って、ホテルで部屋呑みじゃ!

そう、これなら人間系の不愉快体験は一切なし!うはははあ。30分後、ホテルの部屋のテーブルに並んだ品々をみてください。酒のアテは、鳥の唐揚げ、あご天、山海漬け、茶碗蒸し、念のための塩せんべい。

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いただく酒は、福岡県の日本酒「喜多屋」の300ml瓶を2種類ですぜ。

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うほお、こりゃ楽しいのなんのって。先ほどまでの不快気分が薄れ、ま、ああゆうデキゴトも勉強だぜ、と思えるから不思議よねえ。で、部屋呑みのシメ。今回は、佐賀県のサンポー食品さんのカップ麺「ごぼう天うどん」であります。ローカルな味わいが、いいよねえ~~。

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良い塩梅に酔っぱらって爆睡したワタクシ。スッキリ目覚めた翌日は、北九州市立美術館を訪問、開催中の企画展「具体」で、故・白髪一雄さんのフットペインティング作品を堪能したのでありました。

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北九州市立美術館は、小高い山に忽然とそびえたつロケーション、建物のデザインがユニーク、デッキからの眺めがよく、それだけでも来て良かったなあと思いましたね。

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鍛冶町で大スベリしたものの、ホテルの部屋呑み→美術館訪問で見事にリカバー、爽快な気分で九州小倉の旅がまとまりました。肝心の博多シゴトも、順調に終えて、これを結果オーライという。

なお街の名誉のために申し添えますが、小倉の酒場のほとんどは店員さんが親切で、居心地がよいです。過去、小倉では10回以上、呑み歩きましたが良い思い出ばかりだもんね。今回、私が遭遇したような不愉快な店は例外中の例外と言えましょう。いや、ホントですよ。

最後に、あのクソジジイの焼鳥屋、店名を書いちゃおうかな、とも思ったけど、そーゆーのって下品で大人気ないのでやめときましょう。入店したオレがバカだった、という結論でいいや。本日は以上!

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