ベルリン・ドイツ交響楽団(佐渡裕さん指揮)を堪能。ドイツのオーケストラ三昧の10月。 [クラシック音楽]

10月に入ってから、足しげくクラシック・コンサートに通っております。

偶然ですが、10月に拝見したコンサート3回が、ドイツのオーケストラによるものです。12日はベルリン放送交響楽団(会場=NHKホール)、20日はザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィル(東京オペラシティ)、そして、25日がベルリン・ドイツ交響楽団(横浜みなとみらいホール)・・・ドイツ系オケの来日ブームか?11月はベルリン・フィルも来日でしたっけ?チケット代が高すぎて私は行けませんが。

今日は、ベルリン・ドイツ交響楽団の公演について書きます。

佐渡さん1.jpg

指揮は日本が世界に誇るマエストロ、佐渡裕(さどゆたか)さん。ヨーロッパで長くご活動され、5月のベルリン・フィル定期も好評、飛ぶ鳥落とす勢いですよね~。ベルリン・ドイツ交響楽団との関係も長いそうで、佐渡さん流パワフル演奏を堪能できるに違いない・・・と期待しつつ、横浜みなとみらいホール(JR桜木町駅)へと向かいました。

10月25日公演の演目はベートーヴェン序曲「レオノーレ」、モーツアルト ピアノ協奏曲23番(ピアノ=エフゲニ・ボジャノフ)、チャイコフスキー交響曲5番・・・美味しすぎるメニューです!とくに最後のロシアものが嬉しいですねえ。

演奏はチャイコフスキー5番が象徴的でした。じっくり綿密な音づくりというよりは、良い意味で、流れと勢いを重視したエネルギッシュなステージでした(ある意味、予想どおりでした)。大きな体躯を激しく動かす佐渡さんの熱血指揮は、それだけで観客を圧倒します。あおられるようにオケも情熱的な演奏を繰り広げます。

一方、佐渡さんのノリにオケがついていききれず、アンサンブルが雑になる瞬間もありました。個人的には10月20日のスクロヴァチェフスキさん流の「緻密・綿密な演奏」が好みですが、佐渡さん&ベルリン・ドイツ響の「熱さ」は、多少の疵を補って余りありますね。哲学講義ではなく、「音楽」なのだから、神経質になり過ぎてもね、つーか、こうした演奏(解釈)のヴァリエーションこそコンサートの醍醐味ですから。

変な喩えですけど、連勝中のサッカーチームが、試合中のミスプレーを帳消しにしちゃうくらい「勢いを持ってる感じ」・・・乱暴に言えば、結果、チームが勝利し溜飲下がればOK!ってね。なんて前向きなんだろう、オレ。

エフゲニ・ボジャノフ.jpg話は前後します。前半のモーツアルト ピアノ協奏曲23番、これも面白かった。ソリストはブルガリア出身の若手エフゲニ・ボジャノフさん。2010年ショパンコンクールで4位のほか、華々しいコンクール歴の持ち主(らしい)。この日の演奏は、アッケラカ~ンと技巧を披露しまくり「にいさんは、勢いがあるねえ~」と声をかけたくなる”疾走”っぷりでした。

楽曲を裏読みし思い悩む様子もなく、なんたって2楽章さえ深刻ぶらない・・・つまり、後に残らないスッキリ演奏(褒め言葉です)、なかなか気に入りましたよ。

面白いと書いた理由はピアノ・パートです。オーケストラのみの演奏部分でも、ピアノが音を付けにいきます。モーツアルトの23番といえば、楽曲開始2分くらいまではオケをバックに、ピアニストは「待ち」状態ですが、ボジャノフさんは違います。曲の開始早々からバリバリ、ピアノを弾きます。「あれっ?即興か?」と思った観客も多いでしょう。どうやら新モーツアルト全集(楽譜)ではこれもアリらしい(ホントか?)。そういえばゾルダン・コシチュさん(ハンガリーのピアニスト)が、このタイプの演奏をしてました。

協奏曲というより、室内楽曲ですね。ピアノがオーケストラの一部となって、終始弾きまくるから、オケと鍵盤の一体感が強調されバッハ楽曲的な面白さがありました。目からウロコでしたねえ。ユニークなピアニストの、ユニークなモーツアルト演奏でありました。パチパチ。


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