7月のお気に入りCD ヒラリー・ハーンさんの「チャイコフスキー&ヒグドン ヴァイオリン協奏曲」であります。 [クラシック音楽]

7月も今日で終わり。さらに暑い8月がやってきます。スティービー・ワンダーのアルバムタイトルにありましたね、「ホッター・ザン・ジュライ」。ああ懐かしい、ハッピバースデイトゥユゥ~♪、これ岡本真夜ではありません~って、すいません、なんだか分からなくなりましたね。

さて、7月、私の心を虜にした(うーん、古風な表現)、ヘヴィーローテーションCDをご紹介します。

美人ヴァイオリニスト、ヒラリー・ハーンさんの弾く「ヒグドン&チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲」(ドイツグラムフォン、6月発売)であります。 

ヒラリーハーンチャイコ.jpg

30代そこそこでありながら、幾多の名録音を残してきたヒラリー・ハーンさん。満を持して発表した超有名曲=チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲です(今まで録音してなかったのが不思議だ・・・)。カップリング曲が、アメリカの現代作曲家ジェニファー・ヒグドンさん(私と同じ歳ですね)の作品とは、なんと大胆なセンスであろうか。

超有名クラシック曲と、新作現代音楽の組合せ・・・不安を感じますが、結果は、見事ツボにはまっているんですよ~。

私がこのアルバムを気にいってる理由は、二つあります。

理由その1。ずばりヒラリー・ハーンさんが演奏してるから!今年6月の来日コンサート(フィルハーモニア管との共演)で、初めて彼女の実演に接しましたが、あまりの素晴らしさに即座に大ファンになりました。その時の演奏曲がチャイコのヴァイオリン協奏曲。(コンサートの記事は→こちら)。

ヒラリーさん、知的な美人です。ドレス姿は西洋人形のよう。華がありますねえ。

演奏は実演もCDも基本同じく、一言でいえば「清潔」です。品がある。妙なたとえですが、出張で宿泊先のビジネスホテルに入った時、部屋の掃除が行き届いて清潔だと、それだけで気持ちがスッキリするわけですね。ヒラリーさんの演奏を聴くと、同じように(かなり違うか?)心がすーっと洗われます。音色と節回しが「清楚、清潔」である一方、音楽は無機質にならずしっかり「歌っている」・・・まったく天才ですよ、彼女は。

チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は、こってりトンコツ味系の演奏が好きだった私ですが、ヒラリー・ハーンさんの「対極の演奏」と出会って、うわあ、これもいいなあ!と目からウロコだったのです。

ヒラリーハーン.jpg

お気に入り理由その2。現代作曲家ヒグドンさんの新作(ヴァイオリン協奏曲)が素晴らしいです!ヒラリー・ハーンさんの依頼を受けて、作曲したそうですから、演奏者と曲の相性が良いのは当然かもしれません。しかし、他のヴァイオリニストが演奏しても、この曲は十分に良いです。傑作だと思いますね。

現代音楽って往々にして、聴いちゃいられない・・・という悲しいパターンが多い。無調を強調したり、実験的だったり、ダラダラ長かったり・・・要するに「面白くない」んですよ。ところがヒグドンさんの曲は、極端な無調はなく、メロディもちゃんとあります。ちなみにヒグドンさんは下写真の方です。猫のほうではありません(ゆるいボケでスイマセン)。

ヒグドン.jpg

曲想にはメリハリがあり、盛り上げるところはしっかりドラマチックに盛り上がる。19世紀の音楽ほどロマンチックさはなく、ちょっとショスタコービッチが入ったエキセントリック系ですが、飽きることなく一気に聴けました。面白い!気に入りました~~。

CDの収録曲順が、前半にヒグドン、後半がチャイコというのも上手い(キャッチーな有名曲を最初に持ってくる事が多いのですが、そうすると後半の現代曲は聴かずじまいになる)

ヒラリーさん、来日公演で、ヒグドンを弾いてほしいなあ。

本アルバム、こってりしていないので何度も繰り返し聴けて、聴くたび新発見がある、そんな奥の深い現代の名演奏といえましょう。大拍手の1枚です!

最後にヒラリー・ハーンさんが、パガニーニを演奏している映像を見つけましたので添付いたしますね。難曲をラクラク弾いちゃう感じがカッコいいです!


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F30

本当に素晴らしいですよね、ご紹介のCD。
一音一音に心のこもったチャイコフスキー、やっぱりヒラリー・ハーンさんは傑出した存在です。
CDジャケットの横顔は、彫刻のように整っていて部屋に飾りたくなるくらいです。
私も必ずヒラリーさんの実演に行きます!
ヒラリーさんの記事、これからもどんどんお願いいたしますね。
by F30 (2010-08-04 16:09) 

門前トラビス

To F30様、コメントありがとうございます。
ヒラリー・ハーンさんのリサイタル、あるいは協奏曲のコンサート、是非行って下さい。
もうゾクゾクするくらいに良いんですよ~。

そして、さすがはジャケ買いのF30様。
ヒラリー嬢の美貌もますます磨きがかかっております。
残念ながらヒラリーさん、それほど頻繁には来日しておらず(年に2回?)、CD発売ペースもゆっくりしているので、なかなか記事に出来ませんが、ヒラリーファンとしては頑張りますよ~。
by 門前トラビス (2010-08-04 21:41) 

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