ジャーマン・メタルの雄 ガンマ・レイの新作アルバムにスチャラカ~~チャ~♪ [ジャズ、ロック、ポップス]

2010年4月。

当ブログで音楽といえば、もっぱらクラシックになっちゃってますが、私の得意ジャンルのひとつは、実は、ヘヴィメタルなのです!(と、今更、宣言することでもないか・・・・)。

最近購入したヘヴィメタル・アルバムは、どうもツボにはまりきれないものが多く、若きウェルテルよりも深く悩む私。どんな音楽ジャンルにも、それぞれの時代、ジャンル内「ローカル流行」があるんです。日本のポップスを思い出していただければ、おわかりと思いますが。(まさか「ヘヴィメタなんて、全部同じだろ?」と思ってる方、いませんよね?え?いるの?)

いずれにしても、私の大好物の「ベタベタなメタル」、すなわち、キャッチーなメロディ&無駄なハイスピードを前面に出したチープ雰囲気は、今は流行らないみたい・・・。

【ご注意】 以下、話がマニアックに走りますので、メタルに興味の無い方、この先は読んでもつまらないでしょう。訳わからんでしょう。止めるなら今です!

そう、たしかに昨今は、メロディ・オリエンティッドよりも、ヘヴィネス、ブルータル、ダークネスを押し出すタイプのバンドが人気ですよね。たとえば、Children of bottom、Rage against the Machine、リンキン(パーク)、スリップノット・・・・。

オールドスクールなロック・テイストならば、ニッケルバック、SKILLET、ブレイキング・ベンジャミン・・・ってところでしょうか。これも、美メロモノとは違いますものねえ~。

一方、王道ロックのAC/DCは先月の日本公演で健在っぷりをアピール、引退をほのめかしながらも頑張るスコーピオンズも頑張っており、素直に尊敬!であります。スラッシュも新作出したしね。

いや~、そーゆーのも良いんですよ。HR/HMは基本的にどれも好きっすから!

でもね、私の好きなメタルはしつこく言いますが「演歌かよ!?」とか「アニメ主題歌かよ?」くらいのクサメロに強引倍速ドラムを乗せ、高音ボーカルが歌いまくる、いわゆるジャーマン系なんですよ。

さて本題です。(・・・って、今まではなんだよ!?)

ジャーマンメタルといえば、大御所ハロウィンがおちゃめなセルフカバーを出すし、ブラインド・ガーディアンはさっぱり新譜出さないし・・・・となれば、否が応でも、元ハロウィンのカイ・ハンセンが90年に結成した「ガンマ・レイ」に注目せざるをえないでしょう!

ガンマレイ2.jpg

結成20年目で、区切り良く10枚目のスタジオ・アルバム「To the Metal」を発表した彼ら。(発売2月)。もう~、おじさんたち、元気なんだから~~と、とりあえず、パチパチと拍手です。

ガンマレイ1.jpg

思えば、ガンマ・レイというバンド、実に痛快です。結成数年後(90年代半ば)、専任ボーカリストが脱退する大ピンチに直面。後釜のボーカリストはどうするのだ?誰を加入させるのだ?というファンの心配をよそに、ふたを開けたら、な、なんと!

ギタリストでリーダーのカイハンセンがボーカル兼任!

そのこと自体は良いのです。ギタリストが、ボーカルというバンドは、世の中、いくらでもありますからね。しかし、ガンマ・レイの場合、これは大問題なのです。なぜなら、

彼(カイ・ハンセン)は、歌が・・・下手なのだった!

おいおいっ!杉山清貴が抜けたあとの、カルロス・トシキ&オメガ・トライブどころの騒ぎではないぞ(ネタ、古すぎ?)。で、個人的に「ありえねえ・・・」と思った、カイ・ハンセンのメインボーカルでしたが、な、なんと(この表現多いなあ)、リスナーたちはその「下手なボーカル」を受け入れてしまったのでした。わちゃーー!それは、すごいぞ!

爾来、15年たった今となっては、誰ひとりとして「カイ・ハンセンって歌がイマイチだよね」などとは言わないのである。まるで「松任谷由美ってさあ、歌が下手だよね」とか「平原綾香って、ちょっと音程ずれてね?」とツッこむ人がいないのと同じく、”気が付いてはいるけど、口に出してはいけない” 暗黙ルールとなったのである。(ただし安田成美さんについては、さすがに「ありゃ・・・だわ」と言わざるをえないでしょう。もっとも最近は歌っていないが)

一家言の多いマニアック・リスナーばかりのヘヴィメタル界にありながら「なんでもありだもん。こわいもんないもん。オレ」というハイパー空気を作ったカイ・ハンセン!恐るべしだ!それも、この笑顔(下写真)のなせる業か?

ガンマレイ3.jpg

ではガンマ・レイの最新アルバム「To the Metal」はどうだったか。まずは、ベテランらしい安定感と余裕に、さすがあ!と唸ってしまいました。 カイ・ハンセンが自らが創始したともいえる「ジャーマン・メタル」の王道をきっちり爆走じゃ・・・・と、いいたいところですけど、あれま、楽曲はメタル、というよりロックしちゃってるかあ?

・・・な~んて思わせといてカイ君はやってくれます。違いの分かる男なのです。全12曲のアルバムの、7曲目あたりから、いわゆる、ガンマ・レイ節が前面に出てきます。ベタメロ&ノリノリのアニメ・ソングのテイスト。ああ、スチャラカスチャラカ~~♪ これよ、これ!欲を言えば、初期(80年代後半~90年代前半)楽曲の、聴いてると笑ってしまうほどのベッタンベッタンなメロディと節回しが欲しいなあ~。ま、今の時代、そこまでは無理ってもんか。

ヘヴィメタルをタモリ倶楽部の「空耳アワー」でしか知らない方々に、微妙な思いが伝わらないのが残念ですが、とにかくヘヴィメタル道は奥が深い!のであります。さあ、良い子の皆様、一緒にメタル道を旅してみませんか?・・・って、結局はそんなまとめかよ!?ちゃんちゃん。


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ふくずみ

お気持ち、分かります。
ジャーマンメタルも「正統」が若手に引き継がれていませんね!
さすがに、ACCEPTの方向ではダメですか?
ヨーロッパだと、ソナス・アークテイカ、エドガイ、プライマル・フェア、ドリーム・タイドなど、「あの」伝統は継続されていますよね?

GAMMA・RAYの、To the Metal、はリッチー・ブラックモア風のギターソロもあり、なかなか良いと思いました。
by ふくずみ (2010-04-13 23:12) 

門前トラビス

To ふくずみ様、マニアックなコメントありがとうございます。
さすが、ガンマ・レイのニューアルバムをさっそく購入されていましたね。
そうそう、リッチー・ブラックモア風の(それも、「紫の炎」の)ギター・ソロがいい感じですよね~~。
いやまあ、とにかく、ガンマ・レイが気を吐いてくれないと、いかんのです、ジャーマン・メタルは。
ハロウィンが、90年代にとんちんかんな迷走をしていたのに対し、ガンマ・レイは「ブレがない」のが嬉しいですよね。
こう言っちゃ失礼ですが、だれも、ガンマ・レイに「新しさ」を求めていないわけで、お約束通りのメタルをご披露いただきたいわけです。

どうも最近の(まあ昔から、ですが)ロック・バンドは、地も固まっていないのに、違った試みをして滑る、というパターンですよねえ。
ドッケンだって、スコーピオンズだって、メガデスだって、なんとなく「らしくない」アルバムが続いたりしたわけです。

いいじゃないか!マンネリで!

いいじゃないか!歌が下手でも・・・・おっとそれは違いますかね。

まあ、とにかく、理屈ではなく、胸にキュン、つーか、胸にグサッとくるロックであればなんでもいいのですよね~~。
by 門前トラビス (2010-04-17 07:33) 

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