今日の名言「年をとっても欲望はなくならない。欲望は整理され、単純化されるのだ」 By 宇野千代 [雑感]

2023年9月。

先週、北海道で、早朝散歩中に撮った日の出の写真であります。

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空が広いんですよ、北海道は・・・と出身地のプチ自慢をしたところで。

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本題、いってみましょう。作家の宇野千代さん(1897年~1996年)が、晩年近くに書かれた一文が、妙にツボにはまったので取り上げます。その文章はこちら。下線は私が付しました。

「年を取ると欲がなくなると言うが、それはほんとうであろうか。私は、この秋に95歳を迎えるのであるが、この説は、どうも、ほんとうには思えないのである。

欲望がなくなるのではない。質が変化するのである。若い時には、雑多に我と我が身を占めていた欲望が整理されるのである。単純化されるのである。」(1992年)

ワタクシ、不勉強で、宇野千代さんの小説、随筆を何一つ読んでおりません。上文は、食を切り口にした、嵐山光三郎さんの作家伝「文人暴食」(新潮文庫)からの受け売りです。すいませんね・・・って、別に謝る必要はないか。

それにしても宇野先生、良いコトをおっしゃる。還暦を1年過ぎた程度の若輩者(=私)が、エラソーに言えたハナシじゃないけど、老齢になっても「欲望は無くならない」のはその通りと思う。「欲望が整理され、単純化される」のも言い得て妙、と思う。

自分を眺めれば分かります。たとえば私の大好きな「酒」について。昔は、酔うことを目的に呑んでいた酒が、いまは仲間との会話、音楽を聴くなど別の楽しみのお供となっています。手前みそですが、これって大進歩と言えましょう。

それと、以前は、あの地方の酒が美味い、あの酒蔵が良いなどと、ツウぶって様々な銘柄に手を出し、底なし沼にはまったものです。今はそんな無間地獄とはおさらばして、広島県の誠鏡(せいきょう)、富山県の満寿泉(ますいずみ)があれば十分。まさに「欲望が整理された」状態であります。

あとはエゲツナイ話、整理といえば「人間関係」ですかねえ。言葉は悪いけど、惰性で呑んでおった知人とは、疎遠の道をまっしぐら。男女を関わらず、一緒にいて楽しい相手へと付き合いを絞り込んでいるのです。ああ、スッキリして身軽になった気分だぜ・・・おっと、これは欲望の整理というより、人間関係の再構築、ですかね。

今回、宇野千代さんからの後押し(?)をいただいたので、ワタクシ、さらに「欲望の整理・単純化」を推し進めたい。ただ、整理しすぎると、枯れ木のように朽ち果てちゃうので要注意ですな。ははは。

例によって、話が散らかって、まとまりがなくなったので以上であります。ご安全に~~。

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nimke

「宇野千代さんが、晩年、「年を取ると欲がなくなると言うが、・・・欲望が整理され、単純化される・・」と。

「宇野千代さん」といえば、最晩年に、
「私何だか死なないような気がするんですよ」
という極言を表明され、確かその翌年だかに、逝去されたという鮮烈な記憶が残っています。
ワテはこの経緯から、歳をとって行くと言うことの究極的な意味を教えられた心持がしました。
by nimke (2023-09-27 12:30) 

門前トラビス

To nimke様、コメントありがとうございます。
ちょうど、「私なんだか死なないような気がするんですよ」というタイトルの宇野千代さんの晩年のエッセイ集を読んでおりました。
本一冊にするほど、このテーマはすそ野が広がらないようで、完読はできませんでしたが・・・。まあ、極論しますと、ひとりの人間(自分でさえも)が死のうが生きようが、人類全体としては何も変わらない、のが「現実」なのでしょう・・・合掌。
by 門前トラビス (2023-10-23 05:12) 

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