クリス・ハートさんの歌う、愛の名曲カバーCD「Heart Song Ⅲ」が素晴らしい。 [ジャズ、ロック、ポップス]
2015年6月に購入した音楽CDは6月22日時点で計8枚。クラシック3枚、ヘヴィメタル3枚、ポップス2枚、という順当(?)な内訳です。今日は、そのうち「ポップス系」のアルバムについて書きます。
素晴らしい、と感心&感激したのがクリス・ハートさんの「Heart Song Ⅲ」です。
ハートさんによる名曲カバーアルバム第3弾。収録曲は14曲(ボーナス1曲含む)。彼のデビューアルバムが当企画の第1弾で、以降、年1枚ペースで続編が出るのだから、よほど評判が良かったのでしょう。
ただし一人のシンガーによるカバーアルバムは、2弾、3弾と続くと、飽きがくるのがお約束。曲は違えどマンネリ感は否めずレベルも落ちる(ように感じる)。徳永英明さん、エリック・マーティンさん、ANIMETAL USA、と、やっぱり最初の1枚目が新鮮で良かった、と思う。
ところが。
クリス・ハートさんの「Heart Song」シリーズは違います。最新作「Ⅲ」が一番の出来ばえだと思います。
本当に素晴らしい。最初に聴いたときブルッとしましたね。巷にあふれるカバーアルバムに比べ、目を見張る充実度と思います。勝利の理由は「選曲」「アレンジ」そして、なんたってハートさんの「歌」ですね。曲によって歌唱に大きな変化はないのですが、良い意味でクセがなく、よく伸びる中性的な声で高音を強調、安定した歌唱ゆえ、安心して楽曲に浸ることができるわけです。クラシック音楽でしか聞かない用語ですが、ディクション(声楽発音)がきっちりしてるので、耳への嫌な引っ掛かりがない。だから「曲の良さ」が素直に伝わってくるんです。
こうゆう歌唱を前に、オリジナルとカバーの比較議論は無意味です。私が思うに、ポップス系のカバーアルバムに必須なことは、奇をてらったアレンジでも、シンガーの個性的デフォルメでもなく、「曲の良さ」が感じとれること。これに尽きると思う。
収録曲のうち、個人的ベストは槇原敬之さんの「どんなときも。」。こりゃあ聴いて泣きましたね。歌詞の意味が、曲の想いが、ハートさんの歌でガツンと胸に来ます。良い曲だったんだなあ(いままで気づかなかった)。そしてスピッツの「チェリー」。スターダスト・レビュー「木蘭(もくれん)の涙」。ドリームズ・カム・ツゥルーの「未来予想図Ⅱ」、定番ですが中島みゆきさんの「時代」、でしょうか。
ユニバーサルミュージックのオフィシャルMVには、木村カエラさんの「バタフライ」がアップされてますが、いやあ上手いな!このヤヤコシイ曲を見事に手中に収め、気持ちよく歌いきっています。
何度も引き合いに出し申し訳ないですがカバーアルバム好き(?)の徳永英明さんの場合、独特の声質が問題だと思う。鼻にかかった、甘く、かすれた声は、徳永さんワールドであり、楽曲を聴くというよりは、徳永さんを聴く、ことになる。それもアリだけど、私どは「何か違う」と感じちゃうんです(私は徳永さんファンですけどね)。
そんなわけでワタクシは、強力にクリス・ハートさんのニューアルバムをお奨めするのだった・・・って、オレは、レーベルの広報担当者かっ!以上で「Heart Song Ⅲ」のハナシはお終いです。
以下、オマケのように書く、マニアックCDネタです。2014年発売のベル・アンド・セバスチャンのアルバム「Girls in peacetime want to dance」。ずばり、ツッコミどころは「演奏と歌が上手くなってツマランぞ!」というもの。サザン・オールスターズだってデビュー数年で演奏がまともになるんだから、キャリア20年近いベルセバのこと、いつかはこんな日が来ると心配していました。しかしなあ、「下手」を武器にしていた(=そこがアイデンティティだった)バンドが、上手くなってどうするのよ?歌唱力抜群の松任谷由美さんなんて聴きたくないし、音が外れてないタケカワ・ユキヒデさんなど想像もつかない。SMAPの中居さんが、急に歌が上手くなったら悲しいじゃないか。
そんなわけで、ベルセバさん、次作は原点回帰していただき、「学校祭に向けて練習している高校生バンド」的なアルバムをお願いいたします。これって誉めているんですよ、念のため。チャオー。
ドモです。
妻の母今年81歳になるんですが、
自分の葬式の時はクリス・ハートをかけてくれと常々言っています。。
当分先のようには思えるのですが・・ヘヘh
by かぁ (2015-06-23 08:40)
To makimaki様、niceありがとうございます。
by 門前トラビス (2015-06-26 05:18)
To かぁ様、コメントありがとうございます。
クリス・ハートさん、中高年にけっこう受けているそうです。歌唱もさることながら、容姿や歌っている様子といった、ビジュアルが受けるのかもしれません。
お葬式のとき、どの曲をかけるか、が微妙ですね。さすがにバタフライは問題アリ、ですね。
by 門前トラビス (2015-06-26 05:23)