トイレ用品を、食料品と同じレジ袋に入れないのはなぜ?という話。 [雑感]

5月ですね~。関東もいよいよ本格的な春です(今日は暑かったけど・・・)。ジャック・プレヴェール詩集を眺めていたら、ずばり「五月の唄」という詩がありました。一部を抜粋します。

ロバと王様とわたし

あしたはみんな死ぬ

ロバは飢えて

王様は退屈で

わたしは恋で

時は五月

うーん・・・五月は、皆、死ぬくらい大変、ということですか(そんな単純なまとめかよ!?)。

死にそうもない天邪鬼な私が、五月に何をするか、といえば、誰もが軽く流す、どーでも良いことにツッコミを入れているのです。

で、最近のツッコミ対象といえば「龍馬ブーム」。そりゃあ坂本龍馬は立派な人だったろうし、NHK大河ドラマの龍馬=福山雅治はカッコいいです。でも、日本全国に、雨後のタケノコのように発生した「ぼくの尊敬する人は龍馬です」「幕末の青年の大志に憧れます」的な、単純明快(?)な方々のメンタリティって、どうなんでしょう?

彼らの憧れる龍馬は、意地悪く言えば、龍馬をヒーローに仕立て稼ごうとするマスコミや観光協会が創作した「デフォルメされた龍馬像」です。自己犠牲、大志、憂国、リーダーシップ、といった褒め言葉にまぶされた一種の疑似ヒーロー。心酔は勝手だけど”人間として尊敬する”ってそうゆうものか?と、言いたくなるのです。

業績の壮大さでいえば、アレキサンダー大王とか、チンギスハーンのほうが、もっとスゴイ。蝦夷地全域を踏破した間宮林蔵はどうなのでしょう?

龍馬に心酔される全員、とは申しませんが、かなりの人たちが「世間で脚光を浴びているもの(人)」に無条件に正当性(お墨付き)を見出し、とりあえず盲信・追従しとこう、という没個性的=ステレオタイプの哀しさを感じてしまいます。

ブームとは、しょせん、そうして生まれ、消えてゆくもの、と理解しつつも、年端もいかない若者ならいざ知らず、いい年したおっさんが、今更、龍馬でもないだろうって。。。それ、憧れ、というより、妄想入ってますよ。おお怖い。

マスコミ主導の、価値観の均一化は、なにも龍馬ブームに限ったことではないですね。

数年前、サッカーワールドカップ日本大会では、サッカーのルールすら分かっていないヤツラが、にわかサッカーファンに化けて大騒ぎです。とりあえず「お祭りに乗りたい」だけですもんね。ビーチバレー、卓球、カーリング、ハンドボール・・・マスコミが取り上げると「流行っている」=安心、という理由で、瞬間風速的に迎合し、報道が減ると見向きもしなくなる。やってる選手にとってはたまりません。

しつこくて恐縮ですが、さらに書きます。

マイケル・ジャクソンがお亡くなった時。連日TVで流れる、スリラーや、ビートイットのPVを観て「やっぱりマイケルは最高だよ!キング・オブ・ポップスだ!」と、マスコミの受け売りで”先祖がえり”しちゃう人たちにも笑えました。整形がどうの、性癖がどうの、と散々マイケルを「いじってきた」くせに、今度はマイケルの音楽性を正当に(?)評価かよ?つーか、それほど、あんた、マイケルを好きなんだっけ?・・・とツッコミたくなります。

忌野清志郎さんが亡くなった時も似たようなもの。マスコミが、こぞって彼の業績を評価すると、自称ロックファンになって、RCサクセションの楽曲にまつわる思い出や、ロック黎明期を語りはじめる、しょぼいヤツ・・・とほほ。。

せめて「感動の対象」や「思い入れの対象」は、マスコミから与えてもらうのではなく、自分なりに見つけるべきではないでしょうか?私のように、飲み屋でカール・クラウスを熱く語るヤツは、鼻もちならないシゾイド野郎と揶揄されるでしょうけど、個人的には、マイケル・ジャクソンに乗るよりか、よっぽどましだよ・・・と申し上げたい。

さて全く話は変わります。「日常生活のなぜ?」のコーナー!

スーパーマーケットで、食料品とトイレ用品(洗剤や便器拭きシート)を買うと、お店の方は、食料品のレジ袋と、トイレ用品のレジ袋を別にします。「食べもの」と「排泄(関係)のもの」を同じ袋に入れたくない(はずだ)という、客の気持を先取りしたサービスのつもりでしょう。

でもスーパーの商品棚に並んでいるブツは、「新品」「未使用」であり、密封されてて匂いもしない。トイレ用品であろうと、食品と同じ袋で別にかまわないじゃん?と思うのですが?

トイレで「使った後の」ものなら、食品とは分けるべきでしょうけど。(私は分けなくても気にしないですがね)

昨今の日本人は、清潔という概念を拡大(極大?)解釈してますよねえ。キレイ好き、ではなく、病的な神経質にしか見えない私です。ハエが触れた食べものは口には出来ない、のは許せる範囲としても、賞味期限を1日でも過ぎた食品を捨てるのは”異常”ですよ。外国で水道水飲むと、すぐ腹を壊すのも分かる。過剰な無菌状態(精神的にも物理的にも)で育てられ、身も心も「耐性」が下がる日本人。とても生き残れそうにないと思うのです。

・・・と、小~さなことにツッコミを入れる5月の私。

要するに「人間が小さい」ってことですね。チャンチャン。


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Cecilia

最近はレジ袋には自分で入れることが多いし、レジ袋も1枚5円なので、トイレ用品も一緒に入れてしまう私です。
スーパーの店員さんたちはそうするように言われているだけのことなのでしょうね。
まあ過剰な清潔志向には辟易とします。

龍馬のことには詳しくないです。
歴史の教科書で知っているくらいです。
ですが、”龍馬ブーム”は気になりますね。
これは今に始まったことでもなく、私の知るある右翼的な宗教団体が龍馬などの幕末の志士を奉っていましたが、その団体では皆がなぜかそれらの偉人(?)を奉っていました。(昔ドラマで放送された龍馬の歌まで歌って。)
だから”龍馬”にもかなり抵抗ができてしまいました。
龍馬を深く知れば興味が出てくるかもしれませんが・・・。


by Cecilia (2010-05-04 09:18) 

azm

ども!
龍馬といえば、私はむかーし、1974年(調べました、ずいぶんむかしですね)にNHK大河でやっていた”勝海舟”に遡ります。藤岡弘が龍馬役でした。そりゃ、いかんぜんよ・・・・。ちょっと無骨な感じの雰囲気が良かった。仮面ライダーは見ていなかったので、藤岡弘といえば龍馬、龍馬といえば藤岡弘の刷り込み原体験であります。その後何年かたって司馬遼太郎の”龍馬がゆく”を読み、司馬遼龍馬にはまりました。最近でいえば、”JIN-仁-”ですね。内野聖陽の龍馬も結構良かったと思います。さて、福山龍馬。見てません。イメージちがうぜよ。評判はよろしいようですが。
さてさて、TVの影響たるや凄いですね。ご指摘の通り、TVではやれば、皆いっぱしの通になってしまいます。神様?からいただいた前頭葉が泣いています。自分で考えないと!
龍馬続きですが、幸福の○学さんがよく駅前でのぼりを立てチラシを配ったり本を紹介していたりするのですが、少し前までは仏陀降臨で、アニメ映画まで作ってました。それが、つい最近は龍馬降臨ですよ!龍馬が降臨して何をするがぜよ?!便乗にもほどがありますよね~。

薬品と食品は別の方が良いかも。万が一薬品が漏れてたりすると・・・。もっともトートバッグ派で、レジ袋はめったに貰わないので、いっしょくたですが。
by azm (2010-05-04 23:40) 

門前トラビス

To Cecilia様、nice&コメントありがとうございます。
まず龍馬問題ですが。ほんと、日本人は、幕末ネタが好きですよね~。
それ自体を否定はしませんが、幕末い対して、かなり「美化」が入った価値観に思えるし、現代の(というか自分の)閉塞感に対する反作用として、「激動の時代を生き抜く大志をもった若者たち」への憧れが強調されていて、それって、かなり夢みてないか?と思っちゃう私です。
250年続いた徳川幕府という「ゆるぎない体制」を覆したという点で大事件なのは認めますが、150年も前ですよ。そこに自分を重ねる(?)のも、リアリティという点でどうなのよ・・・と、個人的指向として、全く肌に合いません。
戦国武将ネタにいたっては、いわんをや。織田信長・・・ま、そんな人もいたんでしょ?くらいにしか意識できません。

私が尊敬するのは、その個人が作った「作品」とか「発明」「発見」がしっかり残っている人、に絞られてしまいます。
特に、偉業を成し遂げながらも、晩年、何を間違えたか、すっとこどっこいな方向に走り、評価を落としたような人たちには人間味というか愛着を感じてしまいます。
二コラ・テスラ(物理学者)、キリコ(画家)、エジソン(発明家、晩年に霊界と交信しようとした)、ウイリアム・フリードキン(映画監督、エクソシストを発表後、超C級駄作しか撮っていない)・・・まさに愛すべき、偉人たち!
これ、変化球を狙いすぎでしょうか・・・・。

話は変わって過剰な清潔指向。ほんとイヤです。
日本って商品の包装もすんごい過剰ですよね。どれだけ重ねてるんだよ、というくらいに。豆腐はバケツに浮かんで売ってていいよ、とか。
ちょっと違いますけど、アルゼンチンに出張にいったとき、前を走っていた車が、信号待ちの別の車に、軽く、追突したのです(それでもゴツン、という大きな音がしました)。
日本であれば、両方の運転手が降りてきて、口論だとか、警察呼ぶとか「事件」になるはずですが、なんと。ぶつけた車も、ぶつけられた車も、信号が青になると、何事もなかったように走り去っていきました。
驚いて、現地の商社の人に「今、車がぶつかりましたよね?」と尋ねると、「ああ、でもバンパーがへこんだくらいでしょ。そのためのバンパーだから」とおっしゃる。
うーーーん、アルゼンチンのすべてのドライバーがこうだとは思いませんが、見事な割り切り。
日本人は、持ち物に、傷がつく、とか、汚れる、とか、めちゃ神経質ですよね~~。
革製品でも、ちょっと傷があると、すぐ返品にくるそうです。どうせ使っているうちに傷つくんだから、どうでもいいじゃん、って思っちゃうのですが、自分のつけた傷は良いけど、他人がつけるのは気に入らん・・・ということでしょう。
分からんでもありませんが・・・・それも程度問題だろ?と言いたくなる私です。

と、最後はなんだか分からなくなりましたが、長いコメントバック失礼しました~~。
by 門前トラビス (2010-05-05 09:22) 

門前トラビス

To azm様、コメントありがとうございます。
おおおお、懐かしいですな~~藤岡弘の仮面ライダー・・・じゃなく、坂本龍馬。
藤岡弘さん、いまは芸名の最後に「○」つけて、「藤岡弘。」
「役者バカ」といえば聞こえはよいけど、一説には「バカ役者」とも言われる御仁。

・・・それはよいとして、この時の大河ドラマ、勝海舟役の渡哲也が、途中、病気降板したため、松方弘樹に変わったのです。多くの視聴者は、渡派(?)だったようですが、我が家では、「松方弘樹のほうが、あっとるぜよ」と言ってました。
そして、岡田以蔵(人斬り以蔵)を演じていたのが、ショーケン、でしたもんね~~。これは懐かしいなあ。

で、時代はいっきに「最近」になりますが、わたしは一昨年の大河「篤姫」の、玉木宏さんの龍馬が気に入っています。ちなみに勝海舟は、北大路欣也さんでした。
現在放送中の福山龍馬では、「このバカチンが~~」の、武田鉄矢さんが勝海舟・・・まあ、彼が龍馬役でなくて良かったよ、というオチでしょうか。

まあ、緒形直人を織田信長にしちゃう、NHK大河ドラマのキャスティングというのも、もともと、かなりの謎(というか、暗黒面)をはらんでいますがね・・・・

それにしても龍馬降臨、はすごいですね~~。
もう誰でも降臨しちゃうんですかね。コウリン、それなら、コウリンダブル攻撃ということで、尾形光琳降臨・・・はどうでしょう。
坂本龍馬も、司馬遼太郎先生がある意味「発掘」した人物であり、そのあとに、一般受けするような、ドラマチックな尾ひれがついてしまったわけで。
azm様のおっしゃるように、皆も、それぞれに食いつける人物を「発掘」すれば良いのですよね。
猫も杓子も・・・・という、龍馬ブーム。ああ、哀しい。
ワタクシとしては、龍馬よりも、クリントン元大統領との不倫で名をはせた、モニカ・ルインスキーさんに、今こそ食いつきたいところです。
龍馬と同列はさすがに、違いますかね?
by 門前トラビス (2010-05-05 09:40) 

Cecilia

織田信長・・・ファンでした。(今も?)
小学校の時に「太閤記」を読んで好きになりましたが、児童文学全集みたいな本にあった現代語訳です。
その後「国盗り物語」とか「黄金の日々」で私の信長像ができてきましたが、すべてフィクションですし、「信長公記」にしても「太閤記」にしても美化している部分も多いのでしょうね。

by Cecilia (2010-05-05 10:22) 

azm

そうです。勝海舟は渡哲也から松方弘樹に代わったんですね。松方海舟の方が、海舟のべらんめえに合っていたと思いますね。私も松方海舟に一票。見かけなら仁の小日向文世かな。ひょうひょうとした感じ。ついでながら仁では尾形降臨でなく、緒方洪庵を武田鉄也が演じてました。龍馬でなくてよかった、デスネ!
人斬り以蔵ショーケンでしたね。世をすねた感じがよく出ていました。

by azm (2010-05-05 12:35) 

ふくずみ

手厳しい記事ですね。
さきほどニュースを見ていたら、GW中、長崎、高知などの、龍馬ゆかりの記念館は大盛況だったようです。
龍馬の生き方や思想に心酔している人たち、というより、NHK大河ドラマが動機付けになって、単純に「ここに行きたい~」と、わざわざ混んでいるところに出かけてしまうのでしょう。
門前様のおっしゃるとおり、本来自分で見つけるべき”興味の対象”を、マスコミや世間の人気など、外にゆだねてしまう、受身な姿勢はすごいです。龍馬記念館は、簡単になくならないのだから、ブームが去った3年後に行こう、と思わないのでしょうか。
自分のアイディンティティなど何もなく、世間の盛り上がりに「乗り遅れたくない」という発想かもしれません。

今の日本、第二次大戦前のナチスがやったような「宣伝」によって、身も心も、簡単に誘導されてしまいそうです。龍馬の着ぐるみで踊る政党に、票が入るかも?
by ふくずみ (2010-05-05 18:36) 

門前トラビス

To Cecilia様、コメントありがとうございます~~。
織田信長、明智光秀、豊臣秀吉・・・あの時代に武将として生きるのは、現代感覚とは全く違う方法論や、価値観だったのだろうなあ、と思います。
どうもドラマや伝記の織田信長は現代人にも「分かりやすい」ように語られている気がして、私には、ちょっと苦手な世界です・・・。
by 門前トラビス (2010-05-05 21:29) 

門前トラビス

To azm様、コメントありがとうございます。
やはり、勝海舟に関して、「松方弘樹派」がおられましたか!
渡哲也の路線ではなく、あえて、べらんめいにタイプを替えてきた松方さんは、さすがだなあ、と思いました。しかし、36年も前ですか~~。
大河ドラマのネタで自分の年齢をひしひしと感じますね。
「樅の木は残った」とか「春の坂道」・・・うーん、ここまで来ると、深みにはまってしまいますね。

武田鉄矢さん、あの芸風で、俳優としての地位を確立するというのはすごいですね。
「幸福の黄色いハンカチ」での、高倉健さんとの共演が懐かしく思い出されます。
by 門前トラビス (2010-05-05 21:34) 

門前トラビス

To ふくずみ様、コメントありがとうございます。
そうですねえ、世界は需要と供給のバランスで成り立っている、から、龍馬ブームにあやかって、ひと儲けしようという便乗商法がどんどん出てきますよね。
そういえば、品川界隈にも、なぜか龍馬の像があったような・・・・どんな関係なのか?かなり謎であります。
by 門前トラビス (2010-05-05 21:37) 

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