映画「炎のデス・ポリス」。B級すぎる邦題とは裏腹にシリアスで、おおいに楽しめました。 [映画]

2022年8月。

先月(7月)シネコンで観た映画は計5本、そのうち「あれ!?意外に面白いじゃん!」と良い意味で期待を裏切ってくれた作品がこれであります。

炎のデス・ポリス。ジョー・カーナハン監督の2021年アメリカ映画、デス!

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炎の少女チャーリー?ドリュー・バリモア?とベタなボケをかましたくなる、B級で安っぽい邦題は、配給会社があえて狙ったのでしょう(原題は「COPSHOP」=警察署)、それにしてもちょっとやり過ぎと思います。だって、デス・ポリスなんて出てこないし、内容はエクセントリックながら、けっこうシリアスなんですもん。コメディ映画じゃあるまいし、私だったら「マーダーズ・イン・ポリスステーション」とか「ワンナイト・ファイト」とか、その程度の邦題にしておきますがね、いかがデス?

おっ、話がさっそく脇道に逸れましたね、失礼。

まずストーリーをチョイとだけ説明しましょう。ネバダ州の田舎の警察署が舞台。ここが、とんでもない殺戮現場に化しちゃう、そんな一夜のデキゴトを描いております。

主要キャラは、組織の金を奪って殺し屋に狙われ、生き延びるためわざと警察に捕まる詐欺師(フランク・グリロ)、彼を留置場まで追いかけてくる殺し屋(ジェラルド・バトラー)、二人の様子に違和感を感じ真相を知ろうとする女性警官(アレクシス・ラウダ―)。彼らの留置場内での嘘つき合戦が、前半のポイントであります。

似たテイストの映画に「ユージュアル・サスペクツ」を挙げる向きもありましょうが、ワタクシは「アルビノ・アリゲータ」を思い浮かべました。あの映画のフェイ・ダナウエイは、かなり滑ってましたが・・・ってまたマニアックの穴に落ちました、失礼失礼。

さあて、ここからストーリーが急展開します。さえないオジサンが風船を持って警察署に現れるんだけど、実はこやつも詐欺師を追う殺し屋でして、軽口をたたきながら警官をバンバン撃ち殺し、マシンガンを撃ちながら、3人が閉じこもっている留置場へとやってくる!この唐突さ、怖っ!トビー・ハスが演じるこの殺し屋のサイコっぷりが辛抱たまらんわけです。完全にイカれてます。嬉しいです。

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てなわけで、悪党3人+女性警官1人、が警察署の建物内で、いかに相手を出し抜くか、生き延びるかを画策する心理戦に突入・・・と、こーゆーハナシですな。ラストまでストーリー説明するのは野暮なので、ここでやめましょう。

つうことはジョー・カーペンターの「要塞警察」じゃん、とお思いかもしれないですが、あちらよりエンタメ度は高いし、なにせ、あっけらかんとしているのがヨロシイ。バイオレンス映画ってのは、重たすぎちゃいかんのよ。ワタクシは枝葉末節にこだわりませんので、面白かった!よく出来てました!と、おおいにプラス評価しちゃうのでございます。はい。

さて、ここまでが前置きでして(前置き長っ!)、ここからが本題であります。

ハンドガンマニアのワタクシとしては、この点を書かずにはいられません!主人公である、正義を貫く女性警官ヴァレーズが持っている銃が見どころなのです。ポスターを拡大してみましょう。

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ルガー社の「スーパー・ブラックホーク」のマグナム44であります!シングルアクションのリボルバーですね。ちなみに、ルガー社といっても、第二次大戦時にドイツ将校がもっていた、P-08(尺取り虫)を作ってたルガー社ではなく、アメリカのスターム・ルガー社であります。この銃を、思いっきり前面に出した映画があっただろうか?強いていえば日本の「ドーベルマン刑事」くらい?

シリンダー(回転弾倉)にフルート(軽量化のための溝)が無いことからマグナムと分かりますな。

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おや?と思ったのは、銃先端の照準器(フロントサイト)が小型に改造されていること。これはホルダーから素早く銃を抜くためにカスタマイズした、と推察。なかなか芸が細かいじゃないの。ただし、いくらアメリカの田舎といっても、警官が、時代遅れ構造のハンドガンを実務で使うとは思えないが・・・。

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映画後半、主人公の女性警官は、殺された同僚の銃を使って敵に挑みます。その銃がスターム・ルガー社の「スーパー・レッドホーク」マグナム44。ブラックが無くても、レッドがあるのじゃあ!てなわけで、主人公はご丁寧にもレッドホークで、ブラックホークには不可能なシリンダーのスイングアウトまでご披露してくれます。(そのシーン、必要なのか?という疑問はありますが、監督さんのこだわりなんでしょうなあ・・・)

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過去にも、「ダーティハリー」シリーズでS&WのM29(マグナム44)が強調され(最後にはオートマグまで登場しましたな)、「リーサル・ウエポン」でベレッタM92FSが強調され、「マックQ」(古っ!)ではイングラムが強調され・・・と映画と銃器の関係はいろいろあれど、21世紀も20年を過ぎたここにきて、ブラックホークとはねえ、と、しみじみ感動したワタクシなのであります。

以上、なんとなく雑然とした記事になっちゃったので、最後は「炎のデス・ポリス」の予告編を貼り付けて終わるとしましょう。ご安全に!



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