極私的ブルックナー祭り。どっしりと腹に溜まる満足感、最高じゃーー。 [クラシック音楽]

2020年7月。

23日~26日は4連休。しかし東京都のウイルス感染者急増を受け、小池知事殿より「外出は控えてねッ」との要望があり、従順なワタクシは千葉県民ながら4日間の自宅隠居生活を決め込みました。つうか、もともと外出する用事がなかったので、流れで家にいただけですけど。あははは。

さて、自宅にこもって何をしようかなあ、と考えると真っ先に「音楽でも聴くか」となり、では何を聴こうか?と話が深堀りされます。ここで、桜田淳子ベストヒット、のCDをプレイヤーにセット、「夏にご用心」「わたしの青い鳥」「はじめての出来事」等々のヒット曲を熱唱するのも悪くはない。が、それは次回、酒呑んでグダグダの時にしましょう。では、スラッシュ・メタル、デス・メタルというマニアック方面に走るか、と言えば、それも気が乗らない。

やはり、行きつく先は、定番の、クラシック音楽ですなあ。

クラシック音楽にもジャンルがあり、最近、もっぱら室内楽曲や器楽曲ばかり聴いていたワタクシ。自らにカツを入れる(?)ため今日は、交響曲でいくぞ!と、膝にのっていた飼い猫そらを脇に降ろし、CD棚からこの作曲家のディスクを取り出したのであります。

オーストリアの巨匠、ブルックナー(1824~1896)であります。

彼が残した9曲の交響曲は、地味ながら、重厚な構築美を有し、あたかもゴシック期の大聖堂のようです。天上へ抜ける壮大なハーモニーは、独特のエクスタシーへといざなってくれます。慣れないうちは、曲が長いことばかり気になるが、大丈夫、そのうち、この程度の長さは、どうってこたあ無い、と思えます(とはいえ、第8番は長いな~)。

てなわけで本日の「極私的ブルックナー祭り」で聴いたCDを、勝手に紹介しちゃいますね。

ブルックナー交響曲第3番「ワーグナー」(1877年版)。ベルナルト・ハイティンク指揮ウィーン・フィル、であります。

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有名度でいえば、第4番「ロマンティック」が上だろうけど、こちら「第3番」のCDは、ハイティンクさんの重心の低い、威風堂々、安定・安心の芸風により高評価しちゃいます。ホントに素晴らしい。自動車保険でいえば「対人・対物、無制限の安心」と言ったところでしょうか(分かりにくい比喩ですいません)。よーするに、演奏に、ただ身を委ねておれば幸せじゃ・・・という名演なんであります。

日本人的表現でいえば、横綱相撲!。・・・ハイティンクさんは相撲はよく知らないでしょうけど。

次のCDにいこう。オーケストラはこちらもウィーン・フィル。奇しくもハイティンクさんの「第3番」と同じ1988年録音です。

ブルックナー交響曲第9番。カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ウィーン・フィル。嗚呼、ワタクシが最も愛する第9番!

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シューベルトの交響曲第7番「未完成」や、マーラーの交響曲第10番と同様、未完成でありながら録音が多く、いまや実演も多い人気曲。最終楽章(第4楽章)が欠落していても、3楽章までで曲の完結感があり、個人的にはまったく違和感がないです。たまに「テ・デウム」(合唱曲)を最終楽章として補填する演奏がありますが、そりゃあ強引、あまりに乱暴ですわなあ。そういえばサイモン・ラトルさんがベルリン・フィルと、補筆完成版を録音されたCD(EMI)を持ってますが、実に説得力のある内容でした。

おっと話が逸れた。ジュリーニさん指揮の「第9番」ですね。彼の指揮するブルックナー(とくにウィーンフィルとの7番、8番、9番)は批評家や音楽ファンにひじょうに評価が高い、と認識しております。ワタク、その評価を否定するつもりはありませんが、少々、「老成」感があるように感じます。

悠々たる大河を思わせる懐の深~い演奏で、ブルックナーの広大な宇宙を表現しきった名録音。素直に脱帽はするものの、惜しむらくは「攻め」の感じはなく、巨匠作曲家の作品を、巨匠指揮者が、世界一のオーケストラで演奏したらこうなるよね、つう予定調和的な雰囲気があります。まあ、ブルックナーの魅力とは、まさにその予定調和、偉大なるマンネリだもんね・・・と言う反論もありましょうが。。。

最後に紹介するCD。前述2枚とは違った意味で、スゴイ演奏なんです。

ブルックナー交響曲第6番。ヘルベルト・ブロムシュテット指揮サンフランシスコ交響楽団による1990年録音。

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目からウロコ。前に紹介した2枚が「いかにもブルックナー」、音が「もわあっと分厚い」のに比べ、この第6番のCDは、音色はクール、音質はクリア、演奏は筋肉質でメリハリがあって、なにより推進力がハンパなく、音楽がグングン進むので、聴き始めると一気に最後まで聴けちゃうのですね。巨匠風の威風堂々・・・ではなく、重たいコートを脱いで身軽になったブルックナーさん、といった、良い意味で「軽快」な演奏です。これはツボにはまりましたね~。

で、ハナシをまとめると、いやあ、楽しいなあ。

今日は、上記CDのほか、ヨッフム指揮ドレスデン・シュタツカーペレ、バレンボイム指揮ベルリン・フィル、アーノンクール指揮コンセルトヘボウ、カール・シュリーヒト指揮ウィーンフィルなどの録音を堪能しました。曲が似かよっていて「金太郎飴」と評されるブルックナーの交響曲ですが、とんでもない。演奏家(指揮者)の個性で、同じ曲でも、演奏はかなり変わってきます。むしろベートーヴェン、ブラームス、マーラーのほうが、どの指揮者でも演奏に大差ないのでは?と思った次第。

さて本日の「極私的ブルックナー祭り」に味をしめたワタクシ、今後は「極私的チャイコフスキー祭り」あるいは「極私的AC/DC祭り」「極私的ブラック・サバス祭り」はどうだ!?・・・って、いつの間にか音楽ジャンルが変わっとる。ま、いいか。

本日は、以上。ご安全に!

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