大卒新入社員の離職率が30%・・・別にどうでもいいんですけどね。 [雑感]
今朝、TV(NHK?)で、若者をテーマにした番組を放映していました。
大学卒の新入社員が、入社後3年以内に会社を辞める『離職率』が30%(!)だそうです。つまり大卒新入社員の3人にひとりは、3年以内に会社を辞めてる、ということ。厚生労働省HPをみると、たしかにそう掲載されています。
ふーん、そうなんだ。離職率「30%」が高いのか、低いのかはわかりませんが、この就職難の時代に3年たたずに(もたずに?)辞職するって、直観的に凄いなあ、と思っちゃいます。
辞める若者にも事情や言い分はあるんでしょう。しかし、採用した企業にとってはとんだ迷惑ですよ。入社3年目はそれほど仕事ができるはずもない。将来の成長に向け、若者を教育をしている段階です。会社が払った給料は「投資」であり、3年で辞められちゃあ、その投資って全然、回収できてないわけでしょう。詐欺にあったようなもんですよ。
カウンセラーでもない私ごときがコメントするのもなんですが、離職する若者の心理を推しはかってみますと、会社に入ってみて「こんなはずじゃない」「もっと〇〇な扱いをしてほしい」というワガママや甘えだけで辞めていくケースも多いんじゃないか?と思うんです。
たとえば一流商社に入社し、海外で活躍をしたい!なんて「夢」をもって入社するヤツ。会社としては人材育成計画にのっとって、「海外業務の前に、まずは国内物件で仕事の仕組みを勉強してくれ」と相手に言ったとしましょう。そのとたん、この手の若者は「おれはそんな部署でくすぶる人間じゃねえ」「海外を飛び回らせろ」と逆切れしちゃう。下積み、どころか、段階、ということも理解できず、とにかく「俺」「俺」「俺」の自己主張マシンガン。まあ、こんな幼稚バカは、さっさと辞めさせたほうが会社のためですが・・・。
ペンギンの飼育係になりたいと水族館に就職した若者。最初の配属は、一般水槽の魚相手に餌作りや、魚の体調管理・・・1年もしないうち、「私は、ペンギンを飼育するために、ここに来たのです。魚の面倒なんか見てられません!」と、あっけなく辞めてしまう。魚の世話が、水族館員にとって不可欠な基本スキル、という当たり前の理屈も、彼(彼女)にはまったく通じません。とにかく「私のやりたいこと(ペンギンの世話)をさせてくれない」のは間違っている、という身勝手論理にどっぷりはまっているんですから。
どうしてこうゆうバカちんが増えたんでしょうね。
会社の先輩や上司はあんたの気に入る「お膳立て」をして、最初からあんたの望む仕事をさせるのが当たり前とでも思っているんでしょうか?
さらに、仕事上のことで受けた注意には「なんだ?俺のやり方に文句あるのか?」と不満たらたら。「それならいいですよ。その仕事はしませんから」なんて言い草はまるで駄々っ子です。仕事はできなくても、プライドだけ高いから始末に負えない。彼らにすれば悪いのは自分ではなく、常に「周り」「他人」なんですからね。
だいたい会社(社会)なんて様々な人間の集まりですから、理不尽なヤツはいるし、不可解なルールはあるし、間違った意見がまかりとおったりする不思議な世界なんです。そこに目くじらをたてていたら、それこそ「仕事にならない」のであって、そんな大人の常識すら欠落しているバカ若者が、信じられないことに、わんさかいるわけですよ。
なんでこんなモンスター・チャイルド(←勝手に命名)が生まれたのか?
若者を「つけあがらせた」張本人は、彼ら自身というより、彼らをはぐくんだ教育であり、世間であり、若者に媚びるマスコミ連中ではないでしょうか。
昨日の当ブログの記事とも関連するんですが、「夢をもとう」「目標を持とう」「君は君のままでいい」と上っ面のきれいごと風潮で育てられれば、若者でなくたって、根拠のない「全能感」を持っちゃいます。結果、20歳そこそこのコワッパのくせに、「俺はこうゆう人間で、こうゆうことをやりたい。いや、それをすべき人間なんだ」と”俺の夢を押しつけるポンコツ野郎”が出来上がるわけ。周囲が「目標(夢)を持て」と刷り込むばかりか、その目標が具体的であるほど、君は将来をしっかり考えているね、と褒めそやす体たらく。そう言われ続けりゃ、誰だって「俺はこれを目指す!」とターゲットを絞っちゃうじゃないですか。それ以外の人生の選択肢を排除しちゃうじゃないですか。夢にむかって努力した俺様は偉いんだから、社会は俺の夢をかなえて当然だ、って屁理屈が出るのも無理はありません。
教育関係者やマスコミは猛省してほしいですなあ。こんな日本に誰がした、って言いたいですよ。
さて、入社3年以内に離職した若者たちは、その後、どうなるのでしょうか。「思い通りに振る舞える理想の就職先」を見つけることができるのか?
いや、無理でしょ。そんな都合の良い職場は、この世に無いんだから。仮に、理想と思える職場を見つけて転職しても、どうせすぐに「新しい不平不満」が頭をもたげることでしょう。そして、また離職・・・。
合わない仕事を無理に続けることが良いとは言いません。離職がダメとも言いません。ただ、自分のワガママが通らないからと安易に会社を辞めるのは、単に「現実逃避」に過ぎないということです。
ベタな言い方ですが人生は「想定外」と「偶然」の連続ですよね。意に沿わない職場に配属されたり、考えてもみなかった環境に身を置くのも、なにかの縁です。それを否定的にとらえるだけでは、何も生まれない。もしかしてそれが素晴らしい人生のチャンスになるかもしれない。自分を信じる、とは、初めの目標を愚直に貫くことではなく、想定外の状況に真摯に向き合い、「前向き」にチャンスを見出す力のことですよね。
離職率30%から話を広げちゃいましたが、要するに「目標に縛られる人生」なんて、つまらないってこと。車のハンドルに「あそび」が必要なように、人生をガチガチに決めつけず、想定外を楽しみ、多少のいい加減さで、流れに身をゆだねる生き方が大切だと思う次第です。
うーーーん、50歳のおやじ、にふさわしい、説教くさい話だったなあ。いったい何を書いているんだ、と自分にツッコミを入れちゃいましたが、タイムリーにも今はまさに「新入社員の季節」ですねえ。
こうゆうグダグダ記事も、たまにはよいでしょう。では、おやすみなさい。
>「君は君のままでいい」
自分自身これに近いことを言うこともありますが、教会とかでよく言われる言葉だなあと思ってつい苦笑してしまいました。
>根拠のない「全能感」
長女が中学に入る前の保護者説明会で当時のスクールカウンセラーが”等身大の自分”を見ることができるようにする必要がある、という話をされていたのがかなり印象的で今回の門前トラビスさんの記事と重なる部分も多く思い出しながら読ませていただきました。
私自身想定外のことが多い人生でしたが、回り道をして自分がもともとやってみたいと思っていたところに近づいてきたと感じます。何だか不思議ですね。
by Cecilia (2012-05-07 14:28)
To Cecilia様、nice&コメントありがとうございます。
昨日のことですが、仕事で関係しているあるメーカーの若手(プライドが高いだけで、仕事はだめという絵に描いたような「全能感タイプ」)から、こんな『お願い』を受けました。
いわく「俺、きついことを言われると凹むタイプなので、叱らないでもらえますか?」ですって・・・。
おいおい、まともに仕事ができてりゃ、誰もあんたに文句を言わないよ、出来てないから言ってるんだよ、とツッコミたくなりましたね。
だいたいが「凹むから叱らないで」って社会人のセリフですかね?幼児じゃないんだから。「今後はみなさんから叱られないように、頑張ります!」ならわかるけど・・・。
とにかく「俺の『夢』ありき」ですからねえ、日本の先行きも心配です。
記事にも書きましたが、大人たち(親、教育者、マスコミ)が、さんざんコワッパを甘やかして、「自我の肥大化」を促進してきたので当然の結果ではあるのですが。
無理やり夢(目標)を持たせておき、その夢が頓挫したとみるや、「たとえ夢が破れても、あなたの努力は無駄にはならない」と、議論の土俵を変えて、とってつけたフォローをしちゃうんだから、これじゃあ『心の病』は何年たとうと減りません。
個人の人生感を、ある枠にはめようという試みそのものが見直されるべきと思う次第であります。
人生は、想定外、万歳!偶然、万歳!ですね。
暴論ですが、夢や目標なんて捨てちまえ、とさえ言いたいですね。「夢が無ければ生きていけない」ほど、人間は弱い生き物ではないですよねえ。
by 門前トラビス (2012-05-09 05:29)
To ちずのこ様、niceありがとうございました。
by 門前トラビス (2014-02-02 02:29)