マーラーの「千人の交響曲」の実演に、ビックリした話。 [クラシック音楽]

2週間ほど前マーラー作曲 交響曲8番の実演を聴いたのであります。場所は、新宿文化センターです。

この曲には「千人の交響曲」という副題がついてます。なぜ千人か?というと、なんと演奏者(合唱含む)が1000人という・・・おいおいっ!下手すると観客より多いぞ!

千人2.jpg

まあ1000人は大げさですが、今回でも合唱団が396人!オーケストラ100人強、声楽ソリストは8名、指揮者2名(オーケストラ指揮者と合唱指揮者)、オルガン1名、と500人を超える人員がステージにあがるのであります。おお、スゴイ。

オンドレイ.jpgオーケストラは東京フィルハーモニー管弦楽団、指揮者は以前も新宿で「千人」を振ったオンドレイ・レナルト御大であります。

マーラー本人が「交響曲」と冠しているので、合唱付き交響曲だと分類されますが、私のようなシロウトにすれば「カンタータ」ですね。爆発的大合唱が鳴り響き、内容もきわめて宗教的ですから。

個人的にはいまいち好みの曲ではありません。80分を超える大曲で、前半はドッカンドッカン大騒ぎで疲れるし、後半はソリストと合唱の絡みが比較的静か~に流れ、こんどは飽きてくる(うわ、言っちゃった)。

聴く側(つーか、私)にとって、一筋縄ではいかない微妙~な曲なのであります。

さて、新宿での実演の印象を書きましょう。

まず、ステージ上の仮設ひな壇に並んだ400人近い合唱団に「視覚的」に圧倒されましたね(結局、そこか!?)。小学生たちが懸命に歌う姿が可愛いですね。

スイマセン、肝心なのは演奏ですね。ずばり感想は「えっ!マーラーの8番って、こんなに良い曲だったの!?」というもの。素晴らしい体験でした。80分をダレるどころか表情豊かに表現する500人のパワーと気合い。良い意味の緊張感と、音楽の喜びにあふれた名演でした。お見事っ!

合唱団メンバーは基本アマチュアですから、会場には出演者のお知合いたちがいっぱいです。皆がコアなクラシックファンではないはず。にもかかわらずオケと合唱とソリストの熱演に、会場全体が、感動の渦に巻き込まれてましたね~。演奏が終わったときの大拍手が、マジにスゴかったですよ。

私の横に座っていた方々は、出演者のご家族とお見受けしましたが、終演後に「ほんとに今日は良かったねえ!」と感動を確かめあっていました。なぜか、私まで嬉しくなってしまいました。

さて、マーラー・イヤー、2010年。

「今年は、マーラーの全交響曲(9曲)をコンサートで聴くぞ」と、個人的企画を設定した私。すでに1番と8番を聴き、4月には4番と2番(「復活」)のコンサートが確定です。それでも残り5曲もあるのか・・・先は長いなあ、って、実はイヤイヤの企画なのかよ!?ちゃんちゃん。


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コメント 4

F30

こんにちは。
マーラーの交響曲を、全曲コンサートで聴かれるのですね?
マーラーイヤーにふさわしい壮大な企画ではないですか!
ところで、全曲(完成しているもの)だと、9曲ではなく、10曲では?
番号のない「大地のうた」は、あえて割愛されているのですね?
by F30 (2010-03-18 06:47) 

門前トラビス

To F30様、コメントありがとうございます。
おお、鋭いですね!番号付き交響曲が9曲+大地のうた、で、合計10曲ですね。ご指摘ありがとうございます。

ハードルが高いのは、まさにその「大地のうた」でしょう。
後半確実に寝るなあ・・・まあ、今回の「千人」のように実演を聴くと(&見ると)、意外に面白かったりするので、そこに期待しましょう。
by 門前トラビス (2010-03-20 11:57) 

青兄

マーラーの交響曲の中でもなかなか触手の伸びないのが8番の様な気がします。と言ってもCDの話です。 ライブで聴いた事がないのですが、門前トラビスさんの文章から感動が伝わって来ます。特にこの様に大スケールの演奏だと視覚的にも相当に刺激されるでしょうね。ちょっと羨ましい。次回の2番の公演が待ち遠しいですね。
by 青兄 (2010-03-21 21:04) 

門前トラビス

To 青兄様、コメントありがとうございます。
マーラーの「千人」はCDで聴くと面妖な曲ですよね~。しかし実演だと、あの「人数」&「音量」に圧倒され、あれよあれよとクライマックスに・・・そして意外に(?)大きな感動が・・・
合唱だけではなく、オーケストラも大幅に人員アップしていました。ハープだけで4人以上が並び、オケは、ステージから落ちそうなくらい目いっぱいでした。
この曲をコンサートで聴く(観る?)のは2回目だったのですが、前回より面白かったです。「分かりやすく」指揮をするオンドレイ・レナルトさんの奮闘ぶりも楽しめました。

2番「復活」楽しみですね~~。
指揮者ダン・エッティンガーさんの首の太さを早く観たいものです・・・って、見どころはそこじゃないですね。

あと、私は5月に開催の、「5番」のコンサートチケットも買ってしまいました。
マーラー5番と、モーツアルトの「フルートとハープのための協奏曲」というカップリングですが、共通要素は作曲家の名前の頭文字が「M」ということしかないぞ・・・うーん、どちらの曲も楽しみです。
by 門前トラビス (2010-03-22 06:47) 

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