伝説の雀鬼こと桜井章一さんの生き方本2冊の内容が、いちいち腑に落ちた日。 [本]

2018年のゴールデンウィーク。

脱水症状と極端な体重低下により、命の危機に瀕した我が家の飼い猫、もこ(21歳)を動物病院へ連れていく毎日です。連日、動物病院で点滴をうけた結果、もこの病状はおおきく改善。ここ数日、元気に活動しています。流動食一辺倒の病人(病猫)生活から脱し、固形食を少しづつ食べるようになりました。お医者さんのご親切と、動物医療の進歩に深く感謝っす!

かような老猫介護を中心に据えつつ、日にCD4枚を聴き、庭の草木に水をまき、録り溜めた「タモリ倶楽部」「酒場放浪記」「博多華丸のもらい酒みなと旅2」を観る、なんともユルい生活であります。

そんななか、読んだ本がこの2冊。

20年間無敗を誇った麻雀打ちであり、伝説の雀鬼の異名を持つ桜井章一さんによる生き方指南本(といえばよいのかな?)2冊であります。

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ワタクシ、人生ウンヌンだ、生き方ウンヌンだ、をテーマにした本が、基本、大嫌いであります。なぜか、といえば、その類の本って、読み手の弱いココロをくすぐる「きれいごと」が並んでいるだけ、だから。当然ですよね、人生の本などを買うヒトタチは、そもそも正論を期待して金を払うのですから、正論をいかに上手に、耳に心地よく列挙するか、がライターの腕の見せ所ですもんね。

こうした本に書いてある定番セリフは、今どきの流行りに乗っかって、「人生、無理することはない」「あなたはあなたのままで良い」「自分らしく生きなさい」なんてさあ、ガキンチョのポップバンドの歌いそうなゴタクがでっかい活字で並んでいたりする。需要があるから、手を変え品を変えその手の駄本が現れるのでしょうが、正直言って、虫唾が走りますな。と、さんざん悪口を言っておいてナンですが、

桜井章一さんの本だけは(前出のクソ本と、同じ土俵で語っちゃいけないけど)、実に、気持ちよく、ツボにはまるのであります。桜井さんが裏麻雀で20年間無敗だったかは私は分かりませんが、修羅場をくぐり、そのたび状況に対応して生き抜いてきた「重み」が文章ににじんでいます。大学のえらい(?)センセイの書く、ありきたりな人生訓とは比較にならないホンモノを感じます。

常識的な人生観と一線を画す、桜井さんのシニカルな言説にこそ、納得できるのであります。たとえば、桜井さんいわく、

 夢や希望というものは、妄想や幻想をごまかすためにあるのだということをまず自覚することが大切だ。夢や希望を錦の御旗(みはた)として掲げたら、それこそ嘘っぱちだらけの人間になってしまう。夢がなければ生きられないとか、希望があるから生きていけるとか、そんなものは人間の”生(せい)”とはまったく関係のないことだ。現に、私は夢や希望を抱いたりしたことはない。でも、今、こうして私は生きている。 (「人を見抜く技術」より)

うーん、渋い。そして正しい。夢や希望に過剰な価値を求めない(与えない)というのはワタクシの哲学でもあります。世間はなにかと夢だの希望だのを殺し文句に持ち出しますが、おいおい、皆が皆、オリンピックを目指すアスリートじゃねえよ、と言いたいねえ。

桜井さん、信念、については、こう述べておられます。

 本当に大切なのは、幹のように見える部分の信念ではなく、枝や葉のようにみえないもののほうなのである。多くの人が誤解したまま抱いている「信念」は、その人を固定観念の固まりにし、ものごとの本質を見えなくしてしまう。でも「木には幹だけでなく、枝も実も根もあるんだ」という広い視野を持てば、そんな曇った視界を晴らすことができるのではないだろうか。 (「手離す技術」より)

こーゆー記述に対し、素直に腑に落ちることができないガキンチョ(年齢のことではなく、精神のこと)が、世間にはゴロゴロしているだろうなあ、と変な想像をめぐらせたところで、今日はお終いっ。チャオー。

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