持つべきものは、気のあう趣味仲間、ってことであります、ハイ。 [クラシック音楽]
先般、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会(3日間連続公演の後半2日間)に行ったハナシをブログに書きました(記事は→ここ)。アリーナ・イブラギモヴァさんのヴァイオリンはもちろん、セドリック・ティベルギアンさんのピアノも素晴らしく大感動&大満足でありました。
この演奏会で、もうひとつ嬉しい出来事があったんです。クラシック音楽鑑賞の趣味仲間Aさんと久しぶりにお会いできたことであります。Aさんは3日間の公演、すべてに来られてました。演奏会のあとで東銀座でビールを呑みながら、観たばかりのステージの感想を述べ合って、よもやま話へと展開・・・ホント楽しかったなあ。持つべきものは趣味仲間ですね~。
私にも音楽好きの知合いは何人かいますが、Aさんほど気が合うというか、波長が合う方は珍しいです。スゴイと思うのは、Aさんの、音楽に対して先入観を持たず向き合う姿勢。世間がどうの、評論家がどうの、ではなくご自分の耳にどう聴こえたかが唯一の評価基準なんです。音楽を虚心に聴く、色メガネ一切なしのリスナーです。そんなAさんとお話していると、受け売りでエラソーにしゃべくる自分が情けない。当然、Aさんの感想や疑問は鋭く、的確を極めております。こちらは感心するやら、腑に落ちるやら・・・。
われわれは、まずはアリーナさんの演奏の素晴らしさ、そしてベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタの素晴らしさを語りあいました。今回、私のツボにはまったAさんの名言は「第2楽章」に関してです。ベートーヴェンにしてもモーツアルトにしても、名曲は第2楽章が素晴らしい。第2楽章は、第1楽章のつかみのあと、曲の雰囲気をぐっと変える役割を果たしてる・・・と、ここまでは普通の話ですが、続けてAさんいわく「起承転結、という言葉があるけど、4楽章構成の楽曲は、第2楽章は”承”ではなく”転”の役割で、つまり起承転結ならぬ、起・転・承・結、ですよねえ」とおっしゃるのです。
ふうむ、考えたこともなかったけど、言われてみるとそのとおりかも。ドヴォルザーク「新世界」。チャイコフスキー「悲愴」。ブラームス、シューベルトの交響曲やピアノ曲、室内楽曲・・・なるほど、起・転・承・結だわ、と妙に納得しちゃうワタクシであります。
話題が「最近聴いた演奏会やCD」に移るとさらに面白い。Aさんが昨今はまってるアーチストが渋いんですね。スペインのヴィオラ・ダ・ガンバ奏者ジョルディ・サヴァールさん。古楽器演奏の大家です。Aさんは予備知識無しで、9月11日の来日リサイタルに出かけて、「すんごく良かった」ので、その後、サヴァールさんのCDを購入し聴きこんでるとのこと。こうゆう枝葉の広げ方っていいなあ。
サヴァールさんのステージはどうでした?と質問したところ、Aさんいわく「赤いスカーフがオシャレ。アンコールのとき、それが青に変わっていた」、そして「演奏前の楽器のチューニングの時間がけっこう長い。アンコール曲も1曲ごとチューニング時間が長かった」。うむむ、チューニング問題は奥が深いようです。
Aさんの決めセリフが潔いです、「サヴァールさん、稲川淳二さんに(顔が)似てました!」。おお、この率直なツッコミこそ、Aさんを一番の趣味仲間と認定するゆえんであります。こうした感性が好きなんですよ。では、念のために画像で検証しましょう。ボズ・スキャッグス=高田純次さんネタを超えられるか?
ジョルディ・サヴァールさんはこちらです。
稲川淳二さんはこちらです。
たしかに似ている・・・かな?
いずれにしても、ハナシと気の合う仲間との会話は、趣味の感動を倍加させてくれるなあ、とつくづく感じ入った次第です。
Aさん、楽しいひとときをありがとうでした。またクラシック音楽を語り合いましょう!似た人ネタも仕込んでおきますよ。ふふふのふ。
さて、Aさんのクラシック音楽愛に刺激を受けたワタクシは、週末にコンサート情報をチェックし、10月5日のコンサートチケットを購入しました。菊池洋子さんが弾くショパンのピアノ協奏曲1番、と、チャイコフスキーの交響曲4番(オケは新日本フィル)であります。
勢いがついて、来年1月のサンクトペテルブルグ・フィルの来日公演チケットも購入です。ロシアの楽団には珍しい演目ですが、マーラーの交響曲第2番「復活」を文京シビックホールで聴かせていただきます。楽しみ!
Aさんとの会話をきっかけに、ふつふつと私のクラシック音楽ボルテージが上がってきました。良いことであります。
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