チェリビダッケ御大の指揮、CD14枚組 交響曲を聴く。。。 [クラシック音楽]

当ブログ11月18日記事に「チェリビダッケ指揮ミュンヘンフィル、CD14枚組ボックスセット」を購入したハナシを書きました。

14枚のうちシューベルトの「グレート」(交響曲8番ハ長調)を聴いてゲンナリ・・・まで記載しました。その後、残り13枚を聴いたところ、「あれ?意外にいいじゃん?」とビックリしたので、そのことを書きます。

チェリ先生.jpg

指揮者、故セルジゥ・チェリビダッケさんは、長きにわたり名門ミュンヘン・フィルを率いたクラシック界最後の「名物わがままオヤヂ」であります。芸風は独特、音楽づくりのビミョーさ&唯我独尊さは特筆ものです。

わかりやすくいえば「どっしり重く、牛歩のように遅い演奏」なのです。

80年代、クラシック音楽界にはピリオド楽器ブーム(19世紀以前の楽器や奏法の復興)が起きました。その影響で、全般的にすっきり演奏が増えたのですが、チェリ先生に限っては「我、関せず」、鈍重とも思えるスタイルを貫きとおしたんですね。

とはいえ、こうした感想を書けるのも、チェリビダッケ先生がお亡くなりになった「後」からです。なにせ生前の御大は、CD販売を断固拒否していたので、コンサートに行く以外、演奏を聴くことがかなわなかったんです。それが、ご本人がお亡くなりになったとたん、堰を切ったようにじゃんじゃんCD(ほとんどが演奏会のライブ)が発売されたのには驚きましたよ。節操ないなあ・・・と。

いずれにしても、われわれが、チェリビダッケ御大の音楽芸術を堪能できるのは、喜ばしいこと。

さて、14枚組CDボックスセットに話を戻しましょう。交響曲のセットです。

ディスク1、2 = ハイドン、モーツアルト

ディスク3~8 = ベートーヴェン

ディスク9 = シューベルト

ディスク10~12 = ブラームス

ディスク13、14 = シューマン & ブラームス

という、ヘヴィーな内容。

冒頭に記したように、14枚すべてを聴いたところ、意外にも(?)素晴らしい演奏がいっぱいなのでありました。

「これはいい!」と声がでちゃったのはハイドンです。92番「オックスフォード」、103番「太鼓連打」、104番「ロンドン」が収録されてますが(ディスク1、2)、ひさびさに「軽くない」ハイドンを聴き、いやあ、腹に響くわ、と大満足。私が好きなハイドンのディスクといえば(世間的には大不評の)カラヤン&ベルリンフィルのEMI盤なんです。流行の”ライトでせわしないハイドン演奏”は、たとえそれが作曲当時のスタイルであっても、どうも好きになれません。

その点、チェリダッケ御大の重~いハイドン(実はそうでもないけど)は感動でありました。

ライブ録音ゆえ多少、雑なところもありますがブラームスとシューマンも良いですねえ~。誤解を招きそうですが乱暴にいえば、メリハリがない、オーラがない、だから感動がない・・・けど、良く言えば、チェリ御大流に「余計な作為がない」演奏。文章で表現するのは実に難しいですが、かなりツボにはまりましたねえ~。

おっと、言い忘れていました。

シューベルトとベートーヴェンは全く受け付けがたい演奏でした。個人的には全然ダメ。でも、この二人の作曲家だけでCD7枚、つまりボックスセットの半分を占めています。

狙ったわけではないでしょうけど、こうした「バランス」がステキだなあ、と感心しきり。まあいいや、7枚はオマケと割り切って、残り7枚をじっくり味わおうっと。ふふふのふ。


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門前トラビス

To xml_xsl様、niceありがとうございます。
by 門前トラビス (2011-11-24 02:53) 

門前トラビス

To ユキタロウ様、niceありがとうございます。
by 門前トラビス (2011-11-24 02:54) 

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