台東区鶯谷(うぐいすだに)の「鮨若」のご主人と、なつかしいオーディオ名機に幸せ気分! [オーディオ、楽器]
2011年9月。
上野駅からみてちょい北、鶯谷(うぐいすだに)へ行ったハナシを書きます。鶯谷といえば、なんたってラブホテルであります(その連想、私だけか?)。といっても今回目指したのはラブホではなく、飲み仲間Sさん(←男性です、念のため)御推奨の、活魚料理店「鮨若」さんです。
JR鶯谷駅から徒歩3分。言問通りに面する「鮨若」さんは、73歳のご主人が仕入れから料理まで一人でこなす、こじまりしたお店。鮪が絶品とのことで、初めて伺う私はおおいに期待しましたが、残念なことにこの日の鮨若さん、水道管トラブルで臨時休業でした。
お店はお休みですが、Sさんがご主人にお願いしてわれわれはお店に入れてもらいました!ありがとう!入店させていただいた経緯は、鮨若のご主人がクラシック音楽好きで「酒も料理も出せないけど、音楽を聴くならどうぞ!」というお言葉にウマウマと甘えわけですな。ふふふのふ。
店内はカウンター、椅子、ぶらさがる提灯、どれもが年季物で、醸し出される昭和の雰囲気がステキ。なにより、ご主人の優しいお人柄が素晴らしい。人徳がにじみ出る語り口、それだけでも幸せな気分になりましたね。
で本題は入口脇に無造作に積んであるオーディオ。うわっ!と仰天しました!20年以上前のラックスマン製のコントロールアンプC-06αと、もちろん、パワーアンプM-06αであります!ご主人と私とラックスマンアンプで写真をパチリ。
アンプの話は長くなるので後述するとしてスピーカーは・・・というと、ラックスマンと相性抜群(と言われている)イギリスのタンノイ製「スターリング」であります。マイナーチェンジを繰り返し、今でも売れ続ける同社定番機。スピーカーの上に、ダイヤル式電話(懐かしい!)やCD棚を乗っけてるところも、気どりがなくって良いですね。
オーディオに食いつく私に、ご主人が「じゃあ、CDをかけましょうか?」とお声がかかり、鶯谷らしく(?)演歌ときた。音がスピーカーから出たとたん、うおお、と唸りましたね。最高の音。20年で完全にエージングされたラックスマンとタンノイのコラボレーション。芯がくっきりしているのに、刺激は皆無、粒立ち見事な密度の濃い音です。月並みな表現ですが、まさに「高級オーディオでしか出せない」ハイグレードなサウンドです。
続いてSさんリクエスト、モーツアルト「大ミサ曲ハ短調」。カラヤン指揮ベルリン・フィル(グラムフォン盤)は、正直、これまでは好みの演奏ではなかったのですが、考えが変わりました。音は適度な丸みを持つ一方、しっかり熱情がこめられています。目からウロコ、ならぬ、耳からウロコ体験であります。
棚に並ぶクラシックCDを、ご主人の許可をいただき手に取ったところ、ありゃりゃ?半分以上パッケージだけで中にCDがありません。ご主人いわく、お客さんが中身を持っていっちゃうそうです。酷い人たちもいるもんですなあ。「それって泥棒じゃないですか!」と声を荒らげる私に、ご主人はいたって平静に「まあ、世の中いろんな人がいるからねえ」・・・・うーん、神様のような方ですナ。
ご主人、クラシックだけでなく音楽全般がお好きで、ご自身は浄瑠璃されるとのこと。芸大でご披露した時の写真は笑顔が良いですね。本格派であります。
休業中というのに、快くお店で音楽を聴かせていただき、ご主人、本当にありがとうございました!次回は、しっかりと”飲み食い”をさせていただきますねっ。
鶯谷、ブラボーーー!な1日でありました。
以下は蛇足的な補足説明です。鮨若さんのラックスマン製コントロールアンプC-06、パワーアンプM-06系ですが、パネル(=顔)に特徴があります。この機種の後から、現在のラックスマンらしい顔になるわけです。スイッチ形状と配置を模索していた最後期が、1990年の06系というわけ。ちなみにC-06αは、こんな顔(金額は38万円か!)
パワーアンプのほうが「顔」の変化が激しいので面白い。以下をご覧あれ。まず、1990年のM-06αはひじょうにシンプル、こんなんです。
前機種M-05(1983年)はこれ(↓)ですよ!ラックスマンにしてはオモチャっぽいですが、「メカっぽさ」がカッコ良いうという意見もありそう。
そしてM-06系のあとは、”ラックスマンらしい”ツイン・アナログメータとなり、以降、受け継がれてるというわけ。M-7(1996年)はこれ。
C-06、M-06は、デザイン模索期の名機といえましょう。久しぶりに実物を拝見しました。実は06シリーズの「音」を聴いたのは今回初めてでしたが、あまりに私の理想の音に近く、中古でも欲しくなりましたね~。でも、鮨若のご主人のイノセンスが加わらないと、あの美音は出ないかも?うーん、オーディオは奥が深いっ!
本日は以上!
この雑然としたオーディオの置き方に痺れます。
スピーカーの上に電話機!通常ならば絶対にやりません、そんな恐ろしい事。そして、エンクロージャーの年季の入った変化した色、逆にそれが艶っぽく見えるのは写真のせいか?
カラヤンのモーツアルト。持っています。ラックスマン+タンノイの音にはかなわないですが、ローテル+モニターオーディオで聞き直してみます。
ラックスマン+タンノイ、聞いてみたい・・・・・
by 青兄 (2011-09-07 19:43)
To 青兄様、コメントありがとうございます。
スピーカーの上の電話機、CD棚、もう味わいいっぱいであります。
さらに、アンプを置いてある台は業務用の飲料水冷蔵だったりで、青兄様には衝撃の光景でしょう。
ぜひとも「現場」を拝見していただきたいです。
しかし、音は良いですね~。
タンノイのスターリングといえば、「もっさり」した音がイメージされますが、エージングと電話機のおかげでしょうか、エッジも利いて実に痛快な音がします。
スターリングを鳴らすには、このくらいのアンプでないとダメ、ということなのでしょうか。
あるいは、ご主人のお人柄なのか・・・・水道管も補修されたと思いますので、次回はマグロを食べに行ってまいります!(きっぱり!)
by 門前トラビス (2011-09-10 15:27)