アリス=紗良・オットさんのコンサート(チャイコフスキー ピアノ協奏曲)素晴らしかったです! [クラシック音楽]

今年はなぜか、個人的クラシック・ブームが到来してまして、コンサート情報を収集し、かなりのチケットを購入しました。クラシックコンサートがやたら多い、という点では、東京は実に恵まれています。

さて、大注目の若手女性ピアニスト、アリス=紗良・オットさん実演に行ってきました。楽しみにしていたんですよ~。曲は、チャイコフスキーのピアノ協奏曲1番です(彼女は、今年グラムフォンからこの曲のCDを出しています)。オーケストラは、スエーデンの名門ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団。北欧もので有名な(それ以外、私が知らないだけですが)、サカリ・オラモさんがタクトを振ります。

ロイヤル.jpg

感想: ずばり、素晴らしかった!

感嘆符を、10個くらいつけたい。心底、感動しました。震えました~~。

アリス=紗良・オットさんの実演を聴くのは、二回目ですが(ちなみに前回も、チャイコのピアノ協奏曲でした)、指揮者の解釈や、オケとの相性もあり、今回は、格段上の名演といえましょう。

しつこいですが、いやあ~、スゴイものを観た、聴いた、という印象です。

アリス2.jpg度肝を抜かれたのは、ピアノって、こんなに大きい音が出る楽器だっけ?というくらいの凄まじい打鍵、打鍵。おお、彼女の細腕から繰り出される、このパワーはなんだ!

オーケストラは、アリスさんに負けじと、協奏曲とは思えぬ容赦ない大音量を鳴らしますが、それに負けないピアノ!

指揮者(サカリ・オラモさん)「この小娘があっーーーー!」

ピアニスト(アリスさん)「このオヤジがあっーーーー」

・・・という罵声が飛び交っている(わけないけど)、そんな丁々発止の劇的&スリリングな展開です。こうゆう「予定調和ではない演奏」は大歓迎ですね。

それにしても、アリス=紗良・オットさん、ピアノが上手いなあ。

テクニシャンと呼ばれるピアニストでさえ、しょせん「ピアノを弾いてる」って印象がぬぐえない事が多いですが、アリスさんは、その一歩上をいく、彼女自体がまるごとピアノ!って感じなんですよ。まさにピアノの申し子!

速いパッセージ、短いフレーズでさえ、一音一音、微妙に音色をコントロールする驚異的な技術・・・。録音なら分かりますが、実演、そのうえ、協奏曲で難なく出来るとは・・呆れるばかりの才能です。

さらに、曲全体を把握してドラマチックに構築する、良い意味で「面白く聴かせる能力」が抜群なんです。柔軟なバランス感覚も特筆すべきものです。

そのうえ、美人だし・。日本語ぺらぺらだし・・・。

アンコールはショパンのノクターン20番(嬰ハ短調)。これもまた、さえざえと心に染みいる名演でした。(個人的には、チャイコフスキーの感動が強烈すぎて、ショパンの印象がちょっと薄れてしまいましたが・・・)。

いやあ、待ちに待った「本物」が登場したという感激でいっぱいです。気が早いですが、来年1月のリストのピアノ協奏曲のコンサートも予約しました。だいぶ先ですが、おおいに楽しみ。アリスさん、これからも頑張ってください!

19歳の頃のアリスさんの映像です(チャイフスキーを弾いておられます)。

さてさて、今後の、私の注目コンサート(チケット購入済みの分)ですが、まずは、4月の東京フィルのマーラー「復活」(ダン・エッティンガー指揮)。6月には、フィルハーモニア管弦楽団&ヒラリー・ハーンさん(ヴァイオリン)。ウィーン交響楽団&河村尚子さん(ピアノ)と続きます。

河村尚子さんも、私が大好きな凄腕ピアニストのおひとりで、ベートーヴェン「皇帝」を弾くとのこと。どんな演奏をご披露されるのか、興味は尽きません。


nice!(1)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 6

F30

こんにちは。
アリスさんのコンサートに行かれたのですね。うらやましい。
YouTubeの映像拝見しましたが、可愛い容姿から想像つかないパワフルな演奏ですね。
そういえば、アリスさんの妹の、モナ=飛鳥さんもピアニストですよね。
クラシック界をしょってたつスーパー・シスターズ。日本人として応援しちゃいます!

河村尚子さんは、日本国内での演奏が増えてきましたね。私もリサイタルに行ってみようと思います。
by F30 (2010-03-06 10:20) 

Cecilia

昨日、いただいた音楽ギフト券でいくつかCDを買ったのですが、アリスさんのショパンを買おうと思ったけれど他のを買ってしまいました。
(どうしてもほしかったものなので。)
でもこの記事を見てやはり買えばよかったと思いました。
そういえば最近ピアノ関係の雑誌でアリスさんが幼少時代どんなピアノレッスンを受けていたかという特集を立ち読みしました。
ショパンだったかムジカ・ノーヴァだったかな?
幼い頃からバッハをレッスンに取り入れていたということです。
片手ずつ、指番号などは無視してよかったということです。
無駄な教則本は使わずにバッハを上手に教材にした先生のレッスン方法に興味を持ちました。
by Cecilia (2010-03-06 19:30) 

門前トラビス

To F30様、コメントありがとうございます~。
アリスさんの妹の、モナ=飛鳥さんも凄腕ピアニストですよね。
今年の6月、モナさんは、南西ドイツ・フィルとの来日公演でモーツアルトを弾くのですが、このチケットを買うかちょっと迷っているところ・・・・

オケが、南西ドイツ・フィルではなく、旧名=南西ドイツ放送響(バーデン・バーデン)のほうで、指揮がギーレンさんだったら、日本のどこであろうと出かけていって聴くのですが。。。
たしかにスゴイ姉妹ですね。
そうえいば、モナさんも、アリスさんと同様、美人です。
by 門前トラビス (2010-03-07 07:07) 

門前トラビス

To Cecilia様、コメント&nice、ありがとうございます。
最近は、アリスさん、雑誌などに引っ張りだこになっていますね~。
グラムフォンという世界的な大手レーベルから、「超絶技巧練習曲」(リスト)→「ワルツ全集」(ショパン)→チャイコ&リストのピアノ協奏曲、とテイストの異なる3アイテムを、立て続けに出したのだから無理もないのですが・・・・

ピアノの運指のことは良く分かっていませんが、アリスさんの実演を拝見すると、全然無理なく自然体でバリバリ弾きまくっておりました。(ユンディ・リとは大違い?)これも、子供のころの教育のたまものかもしれませんね。
by 門前トラビス (2010-03-07 07:18) 

我門隆星

はじめまして。
私も先日、彼女のコンサート(ロイヤル・ストックホルム響との共演)聴きに行きました。
実は、わたくしも昔ピアノを弾いておりまして、チャイコフスキーのピアノ協奏曲は私のレパートリーでも一番好きな曲だったのですよ。私自身も弾いていた曲を彼女がどう料理するか、かなり楽しみにしていました。
だもんで、彼女の解釈(第三楽章のクライマックス直前に音を三か所、わざと変えたりした)に妙に納得した覚えがあります。
それと、ロイヤル・ストックホルム響のバイオリンセクションは、E線が繊細な感じがして、チャイコフスキーによく合うと思いました。
彼女の、上腕からストレートに落ちる強音や繊細な弱音も魅力的なこともさることながら演奏中の表情がとても魅力的で、CDではとても味わえない趣がありましたねえ。
私が聴いたときは、指揮者との丁丁発止だけでなく、背後のコンサートマスター(第一バイオリン・オケのトップ)との丁丁発止のほうも面白かったですよ(席はかなり前のほう、わざわざ「やや右側の席」と指定して券を買いました←彼女の表情を楽しむため、ですねw)。
アリス「何勝手なことしているの、わたくしはこう弾きたいの」
コンサートマスター「何ぬかす、ここはこうだろうが」
#正直、指揮者がコンサートマスターに負けている印象もありました。
言い合っているような雰囲気がありました(私の邪推?)。
で、ふと客席をちらりとアリスが見て
「・・・ノリの悪い聴衆だなあ」なんて一瞬表情を見せたのも面白かったです(これまた私の邪推?)。
で・・・アンコール曲に、彼女のCDにも載っていたショパンのワルツ・嬰ハ単調を弾いてくれたのですが・・・。これまた微妙~~~~にCDとは違った解釈の演奏で、趣深かったです。

ああ、とりとめもない感想の羅列でスミマセン。

by 我門隆星 (2010-03-16 17:24) 

門前トラビス

To 我門隆星様、コメントありがとうございます。
おお、チャイコのピアノ協奏曲がレパートリー、とは、我門様も凄腕ですね!私は弾く方は全くダメで、もっぱら「聴く」ほうですので、うらやましいです。

いただいたコメントどおり、指揮者、オケ、アリスさんの三者三様の思惑が交錯してスリリングでしたね~。
私の座っていたのは、真ん中後方でしたので、ステージは俯瞰できたのですが、アリスさんの表情までは読み取れず・・・・うむむ、残念残念です。

音楽とは直接関係ないネタで恐縮ですが、指揮台に上がったオラモさんが、楽譜が違ってることに気づいてステージ脇に戻りましたよね。そのときのユーモラスな振る舞いは良かったです。
笑みもなくガチガチに威圧する指揮者よりも、陽気でおちゃめなほうが、観てて(聴いてて?)楽しい感じがしますです。
by 門前トラビス (2010-03-17 21:36) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0