トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団 11月10日公演を聴きました! [クラシック音楽]

2009年11月。

最近、このブログで扱う音楽ネタはクラシック系が多いですね。自分でもとくに意識はしてなかったのですが・・・・やはり年齢的にロックやパンク、ヘヴィメタルはきついのかあ!?てなわけで、またぞろクラシック音楽ネタです。

11月10日のこと。

フランスの名門オーケストラトゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団の公演を聴きに、赤坂のサントリーホールに向かいました。

この日は会社を休んで、日中、資格検定試験(北海道フードマイスター)を受けたのですが、あまりの難しさに絶句・・・自分なりには頑張ったものの、たぶん今回は不合格だわ・・・と、プチ落ち込み状態でしたから、その気分を払しょくするためにもオーケストラ演奏を聴いてすっきり!したいわけであります。

余計な前置きはこのへんで。

この日のプログラム。トゥガン・ソヒエフ指揮トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団によるドビューシー「牧神の午後への前奏曲」、ブラームス「ヴァイオリン協奏曲」、ムソルグスキー「展覧会の絵(ラヴェルによるオーケストラ版)」でありました。

トゥールーズ1.jpg

 

トゥールーズ2.jpg

協奏曲のヴァイオリニストは、90年のチャイコフスキーコンクール優勝、日本を代表するアーチストの諏訪内晶子(すわないあきこ)さんです。彼女の実演を聴くのは3回目ですが、前回も、たしかブラームスの協奏曲だったような・・・・覚えてない。

今回のプログラム、なかなかユニークです。フランスのオケの海外公演は、いまだに、全曲をフランス音楽で揃えるパターンが多いのですが、あえて、フランス、ドイツ、ロシア、とヴァリエーションをもたせてきました。ロシア人指揮者のソフエフさんだからでしょう。「お国もの」オンリーの演奏会より、ゼンゼン良いですよね。

さて1曲目のドビュッシー。

始まった途端に、オケの美点に気づきます。管楽器(とくにフルート)の美しく優しい音色が抜群に良いんですね~。そして、立体感のある弦楽の音も絶品です。音の芯のまわりを綿毛でつつんだよう。でも、けっして”もやっ”とかすんでおらず、ぱあっと、遠くから朝の光がさしてくるような輝かしさも持っているのです。こういう音、私は(実演では)初めて聞きました。まことに素晴らしい。

フランスのオーケストラによるフランス音楽の妙を堪能いたしました。

トゥールーズ3(諏訪内さん).jpg楽しみの2曲目。ブラームスのヴァイオリン協奏曲です。諏訪内晶子さんの芸風と、このオケは、合わないとにらんでいたのです。なぜなら、彼女のヴァイオリンは、どちらかといえば、キッチリとシッカリと弾きこなす「明確さ」と「力強さ」が特徴であり、一方のトゥールーズ・キャピトル管は几帳面な構築美よりも、明るさと自由さを感じさせる節回しが特徴。

実演を聴きますと・・・・・まずは素直に上手い。オケ、ソリストとも、「相手のツボ」を分かっておられるようで、芸風は異なりながら、ちゃんとひとつの音楽にまとめあげるところが見事ですね~。

ちなみに音楽と無関係ですが、諏訪内晶子さんは、相変わらずの美貌でしたねえ。真っ赤なドレスもお似合いで、うーーん、天は二物を与えたか・・・・ウットリ・・・・

起伏を大きくとった、楽しく、熱演そのもののブラームス。これはこれで、すんごく良かった!のですが、やっぱり、このオケの音色と、ブラームスは違和感ありかなあ・・・1週間前に聴いたライプツィヒ・ゲヴァントハウス管なら、諏訪内さんの良さをもっと引き立てていたかな?な~んて思いましたね。

最後を飾る3曲目は、ムソルグスキー「展覧会の絵」(オーケストラ版)。

良くも悪くも、前2曲から予想のとおりの演奏です。すなわち、ロシア的ドロドロ・テイストとは無縁の、あくまでも純音楽の楽しさを強調する演奏です。もちろん、無味乾燥なあっさりではなく、テンポや強弱に味付けしていて、満足度は十分ですね。

オケのメンバーの、「管理」ではなく「自発」から生まれた(と感じさせる)、いきいきとした明るい音色はここでも絶好調。反面、ちょっとルーズ、というか、勢いまかせ、な雰囲気もあり(欠点でもあり、長所でもある)このあたりで好みは分かれそうですね。

それでも、「展覧会の絵」のクライマックスを飾る、キエフの大門、は、見違えるように(失礼)管と弦がバッチリと「入り」を合わせ、これでもか!とばかりに迫力の音響をサントリーホールに響かせてくれました。指揮者の豪快な振りっぷりもあって痛快そのもの。クラシック音楽の感動を凝縮したようで、締めのカタルシスをたっぷり味わうことができました。

終わり良ければすべて良し!じゃありませんが、延々鳴り続ける拍手にアンコールは3曲。

あえて余力を残してきたかのように、アンコールがメインプログラム以上(?)の快演で、嬉しくなってしまいます!

個人的には、今回のトゥールーズ・キャピトル管よりも、11月3日に聴いたゲヴァントハウス管(横須賀芸術劇場にて)に深く感動いたしました。しかし、聴衆を明るく楽しい気持ちにしてくれたトゥールーズ・キャピトル管も、まったくお見事であります。不満などはございません!

やっぱり、クラシック音楽は楽しいですねえ~。

CDで聴くのも良いけど、生の演奏には発見と感動がありますね。

さあて、次はどこで何を聴こうかな~~~っと。


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コメント 2

F30

いつのまにか、ロシアの指揮者が音楽監督になっていたのですね。知りませんでした。
実際に聴いていないので、イメージだけでの発言ですけど、私も、このオーケストラと諏訪内さんの組合せ、そのうえ、ブラームスのコンチェルトは「ミスマッチ」って気がします。
門前様はクラシックにお詳しいですね。お忙しいなか、まめにコンサートに通われてて尊敬です!
by F30 (2009-11-20 19:27) 

門前トラビス

To F30様、コメントありがとうございます。
ソヒエフ氏(まだ30代!)が、音楽監督に就任したのは、2008年だったと思います。たしかに、ロシア人指揮者が、このオケに!?と予想外の結果にビックリした気分です。。

トゥールーズ・キャピトル管、音色がやっぱり「明るい」のですよね。
ブラームスよりは、モーツアルトなどを聴いてみたい気もしました。

あと、コンサートは好きです。

発見と感動がありますよね。ではでは。
by 門前トラビス (2009-11-21 20:39) 

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