「根付(ねつけ)展」を観に、佐倉市立美術館へ行ってきました [絵画]

2018年2月の日曜日。ワタクシは千葉県市川市の自宅から、県内の佐倉市立美術館へ愛車ダイハツ・ムーヴを1時間ほど走らせたのであります。

ここで開催中の「根付(ねつけ)展」を拝見するためです。

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こう書いたとたん、「根付(ねつけ)って、なんだ?」という疑問の声が聞こえるようです。シロートの私が書くのもナンですが一応、説明します。

江戸時代に、煙草入れや巾着(きんちゃく)を、着物の腰からぶらさげるとき、落ちないよう帯にかける留め具・・・と、文章で説明するより、図が手っ取り早いですね。「黄金の国ジパング」というサイトから下の図をお借りしました。おお、分かりやすいぞ。スカッとしたでしょう(私が自慢してどうする)。

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この根付、大きさはせいぜい3、4センチ程度です。しかし、日本人の美意識&職人気質と結びつき、そこに凝った意匠と装飾が施され、やがては超絶技巧の品物まで登場するんですね。明治時代にはいり、日本人が和服を着なくなると急速にすたれますが、ご多聞に漏れず、海外から注目されるようになり、逆輸入的に日本でも存在が見直されたらしい。いまでは実用品としてではなく、芸術品という扱いで、根付専門の作家さんもいるようです。

前置きは以上で、佐倉市での展覧会であります。

ゼンブで200点以上はあったでしょう。古典根付(19世紀以前の作)もありますが、20世紀以降の作品の数がおおく、技巧的にも近代品が圧巻です。一点一点の根付に、オリジナリティと遊び心があふれ、ポスターの「てのひらの小宇宙」という表現に納得しきり。

たとえば下写真の作品は、3センチ程度の象牙の全面に、たくさんの能面が細密・精緻に彫り込まれています。デザイン性と優れた技巧もさることながら、ワタクシ、職人さんの根気に圧倒されましたね。

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食い入るように見入ってしまいます。他作品でも、共通するのは、丁寧な細部へのこだわりでしょう。加えてユーモアあふれるセンスに、日本人の粋(いき)が感じられます。動物を題材にした作品など、仕草が可愛らしく、つい笑みがこぼれます。

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いっぽう凛とした風格ただよう作品もあります。この鳥の、活き活きとしたリアリズム!ずっしりした安定感、表面の彫り込み、色使い、そして鳥の目の鋭さ・・・うーん、感動だ・・・。

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楽しい展覧会でした。目からウロコ、観る価値ありのナイス企画でしたね。無理とは分かっていながら、「根付作りにチャレンジしてみようかな~」なんて思っちゃいました。

ちなみに、会場である佐倉市立美術館の建物がヨロシイ。地方にありがちな無駄な豪華造りではなく、味気ないビルでもなく、レンガと石を組み合わせた渋い外観は節度があって大好き。地味ながら、良い味を醸し出す「根付」の展示にふさわしい場と言えましょう。

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本日は以上です。チャオー。

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