我が家の庭に、ご近所の黒猫があらわる!飼い猫そらの反応は?? [家の猫]

2020年2月22日(土)。

本日は「ネコの日」らしいです。2月22日=2のぞろ目を、ニャー・ニャー・ニャーに見立てたのでしょうか。BSテレ東ではネコ関連番組を放送してくださって、ネコ好きのワタクシには嬉しい限り。

というわけで、前々回に続き、我が家の飼い猫そら、のハナシであります。

一昨日の早朝。居間のソファ上においた猫用ホットカーペットで、ぬくぬく・まったりするそらです。

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ワタクシがぼんやりTVニュースを眺めてますと、突然、そらが何かの気配を感じたようで、ソファを飛び降りると窓へと駆け寄ったのですね。なんだ?と、ワタクシ、そらの頭越しに外を覗いてみると・・・あれえ、首輪をつけた黒猫ちゃんが、我が家の庭から、こちらを観ているではないか!

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そらが反応したのは、もちろんこの黒猫ちゃん。どこのお宅の飼い猫かは分からないのですが、たまに我が家の庭を横断するヤツです。騒ぐでもなく、悪さもしないので追い出したりせず放置しています。

というわけで、ガラス越しに家ネコ(=そら)と、外ネコ(=黒)のにらみ合いだ!そこからバトル勃発か!?

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と、気合が入る間もなく、勝負は最初からついてました。嬉しくてパタパタはしゃぐそらに比べ、闖入者の黒猫ちゃんは、でーんと香箱座りです。落ち着いた大人の風格を見せつけております。

負けた・・・完全に。戦う以前にそらの完敗ですな。赤子の手をひねるかのように敵(?)は楽勝。にやつきながら去っていきました。

しかし、そらは強い。悔しさのカケラもなく、ソファに戻るとぺろーんと仰向け&開脚です。ゆるすぎるぞ。

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そらよ。お前は、かなりの大物だ。その調子で、立派な大人になってくれ・・・。

さてこの日の夜。そらが見当たらないので、戸棚の中か、洗面所でゴロゴロしてるんだろう、しめしめ今日はゆっくりと眠れるぞ・・・とワタクシ、そらに気づかれないよう静かに自分の寝床に行ってみました。そうしたら、あひゃーーー、私の布団でそらが爆睡しとる。それも、敷き布団のど真ん中にいます。ここから動くもんか!という固い決意が漂っておりますなあ(涙)。

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黒猫にあっけなく負けたそらですが、飼い主の私には勝った!ということで、当日の戦歴は1勝1敗。この調子で予選リーグを勝ち抜けるか!?いや、そもそも勝負じゃねえだろ、と弱いノリツッコミしたところで今日はお終いっ。チャオー。

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冬の早朝。どうってことの無い公園の景色が、わたしゃあ大好きなんだ、つうハナシ。 [日常]

2020年2月。

今年は暖冬、とはいえ、朝はそこそこ寒いですね。北海道生まれのワタクシ、気温が氷点下になるとアドレナリン(?)が出るためか、単なる気合か、それほど寒さを感じません。しかしです。関東にありがちなプラス3度くらいの、中途半端な寒さにめっぽう弱く、「うわあ寒い~寒い~」と震えてしまう。

さて某日。

いつのように朝4時前に起きたワタクシ。関東の天気をチェックすると終日、快晴・無風だという。朝の気温はプラス5℃。おお、早朝散歩にはうってつけじゃん、てなわけで日の出前に愛車ムーヴで自宅を出発します。

向かったのは、クルマで15分ほど走った葛飾区の水元公園であります。

当ブログで何度も書き、しつこくてすいませんけどね、ワタクシ世間一般がいう「名所」「絶景」に、あまり心が動かないんですな。ヨーロッパの大聖堂のいくつかは、スゴイなあ、と感心はしましたが、なんていうのか、ごくごく普通の景色が良いのです。特に何もない、その当たり前っぷりに幸福を見出してしまうんですね。

おれって何気ない景色に感動できる感性がすごいんだぜえ~みたいな、しょせん自己満足かもしれないけど、「安上がりな人間」なのは確かだ。引き続き、ご近所散歩で、ご満悦つうエコロジー(?)な人生を楽しもうっと。

さて、この日の水元公園の散策。

朝の陽ざしが木立の間からそそぐ。これだけでも嗚呼、なんて美しいのだ、としびれてしまう。

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釣りをする方の目前には大きな朝日。

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枯れた木立。曲がった水路。気分は、シスレー、ですな。

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日が昇り公園全体が明るくなってきました。ふあ、気持ちいいなあ。

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フツーの景色を無心にボンヤリ眺めることが出来る。これぞ平和の恩恵。ありがたいなあ。

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抜けるような青空を見上げて、頭のなかに流れる曲はリヒャルト・シュトラウスの弦楽曲「メタモルフォーゼン」であります。そうか、あの曲は「英雄の生涯」「ツァラトゥストラかく語りき」「アルプス交響曲」などの大曲に比べると、渋いというか、どうってことない、とも言えるもんな。この景色と合うはずだわ(同曲のファンの方、すいません)。

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誰を相手に言うでもなく、ありがとうございましたあ!と感謝気分の早朝散歩でございました。

さあて、今夜は、美味い日本酒でも呑むか、と幸せ気分で水元公園を撤収、であります。チャオー。

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飼い猫そらが、いっしょに布団で寝たがるハナシ。 [家の猫]

2020年2月。

あと3か月ほどでめでたく1歳となる、一応「まだ子猫」の飼い猫そらの近況です。

相変わらず元気いっぱいですよぉ~。多少、太り気味なので、えさは、カロリー控えめタイプに変更されております。

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例年に比べると暖かい今冬ですが、猫にとってはやっぱり寒いのかな。ワタクシが、夜、寝ようと居間から2階へ向かうと、そらもダッシュでついてきます。私が布団に入ると、そらも一緒に布団の上にやってきます。枕に頭をのせ、まさに添い寝状態。

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私が寝ると、そらも横で一緒にスースーと寝息をたてる・・・うーーん、なんなんだ、こいつは。(下写真の私は、寝たふりをしております)。

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しばらくすると、寝返りをうって、やがて得意のリラックスポーズ。ぺろんと仰向けです。嗚呼、ゆるすぎだ・・・。

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さて、私が夜中に目を覚ますと、枕元のそらが居ないぞ。おや?と思うと、おなかのあたりがムズムズする。そらは掛け蒲団の中にすっぽりと入って、私のおなかに密着しているのでした。ひーーー。

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朝です。私が布団から出て、居間に降りると、そらもあわてて私についてきます。今度は、居間のソファで、ぺろーんと伸びている。やはりユルイ・・・。

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私がソファに座ろうものなら、そらは急いで私の「上」に乗っかり「遊んで!遊んで!」と猛アタック。うはあ、何をするにも、そらがくっついてくる、そして密着でございます。

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家の者は、「まだ子猫だから、甘えん坊なんだ」とポジティヴ(?)評価をしておりますが、この懐っこさのまま、大人の猫になったら大変だなあ・・・とちょっと心配です。

でもねえ、シレッと人間を無視するクール猫に比べりゃあ、私を追いかけてくるそらは、

めちゃくちゃ可愛い~~!

と思ってしまう。そこで、ワタクシは、「そら~、お前は可愛いなあ~」と話しかけながら、やつとすりすりスキンシップであります。なんと幸せな時間だろう。本日は以上!

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九州出張。540kmをクルマで走破。そして美味い鶏料理にフフフ。。。 [旅]

2020年2月。

九州での現場シゴトが続いております。今回の個人的トピックス(自慢?)は、熊本の現場と、宮崎の現場をレンタカーで往復した件です。地図上に、1日で行き来した2地点をマークしました。たいした距離じゃない、と思うでしょう(私もそう思ってました)。

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しかし、ここを往復すると、540km、ですよ。九州ってデッカイなあ~。

540kmは東京~神戸と同じ距離だそうで(調べて分かった)、そう知ると、1日で走ったオレは頑張った、と思う。1日あたりの走行距離では自己最長記録ですから。途中、高速道路のサービスエリアで蕎麦を食べ、車中で仮眠をとるなんて、気分はもう長距離トラックの運転手さんでござんす。

さて、別の日ですけど、同じく九州出張中に、宮崎県都城(みやこのじょう)で美味い鶏料理を食べたハナシであります。仕事関係の方から、都城ならこのお店だよ!と熱く紹介された由。ドーン。

鶏料理の「きじや」さん、であります。

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通りに面しておらず、ビル1階の奥にあるため店舗が分かりづらいのですが、平日というのに、店内はほぼ満席。人数が少ないから大丈夫だろ、とたかをくくって、予約を取らずに来たのは大失敗!?と思いきや、個室一部屋が空いていたので、すべりこみセーフ、ってやつ。

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きじや、の店名どおり、きじ肉をはじめ赤鶏肉など、鶏にも種類があってメニューを前に悩んでしまいます。

とりあえずは「たたき」で始めようね。ほら、しっかりした味と噛み応えがサイコー美味いじゃん。

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次はコンロを使って網焼き。Sさんが慣れた手さばきで焼いております。うーん、シロウトじゃないな、この方。

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たまらんばい!。歯ごたえ、旨み、居酒屋メニューの鶏とは大違いですぜ。紹介してくれた方が、「ここは絶対美味いから!」と強烈リコメンドしたのも納得であります。

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宮崎とくれば、しいたけ、も欠かせませんね。ドーン。

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「きじや」さん、いいじゃん!てなわけで、最後は店員さんにも加わっていただき、レジ横での記念写真。

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大満足の都城の夜でした~、ぷしゅ~。

ところで、「きじや」さんを推奨したMさん、都城の他店も推してたなあ。「ジャングル」というお店ですが、店名とは裏腹に(?)、おでん屋さんだという。うーん、その落差がなんとも微妙・・・怖いもの見たさで次回はチャレンジしちゃおうかな~。本日は以上です。

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ヴァイオリニスト、ヤープ・シュレーダーさんが95歳で逝去。古雅でありながらアグレッシヴな名手。 [クラシック音楽]

2020年2月。

早いもので今年も1か月半が過ぎますね。年始に、「ヒマな1年」を目指したワタクシですが、日を追うごと予想外の事案が次々と勃発、そんな呑気は言っとられん状況になりました。ブログ更新が滞るのも、うべなるかな。しかしなあ・・・ワタシには何の関係もない事案まで持ち込まれるコラテラル・ダメージ状態つうのが、イマイチ気に入らんなあ。。。

と小さくグチったところで、本題です。

かつて心をときめかせた偉大なアーチストの訃報に接すると、世界からひとつ灯が消えたようで、なんとも寂しい気持ちになるものです。クラシック音楽界では、ここ1年、ワタクシが愛する巨星が次々に鬼籍に入りました。

ピアニストのパウル・バドゥラ=スコダさんが昨年9月、来日直前にお亡くなりになったのは衝撃でした。享年91。

そして今(2020年2月)、多くのクラシック音楽ファンは指揮者マリス・ヤンソンスさん、歌手で指揮者のペーター・シュライアーさんを悼んでいることでしょう。それほどバッハ好きとは言えないワタクシでさえも、シュライヤーさんのエヴァンゲリストには惚れ惚れしましたから・・・。

さて、個人的に思い入れが強い名ヴァイオリニストのことを書きます。昨年12月31日に逝去されました。

ワタクシが「古楽器スタイルの演奏」を始めて知り、衝撃を受けたのが、この方のヴァイオリンから。1925年生まれのオランダの名手、

ヤープ・シュレーダーさん(享年95)です。

クリストファー・ホグウッドさん(故人)率いるエンシェント室内管のコンサートマスターとして、主に18世紀以前の楽曲に対し、作曲当時の楽器と調律、演奏法をつかってオーセンティック演奏を展開されていました。いっぽう、ソリスト、室内楽奏者としても大活躍されオワゾリール・レーベルに膨大な録音を残しております。私が保有するCDだけでも、実に70枚以上にシュレーダーさんが登場していますから、そりゃあ、私の思い入れも強くなるってもんですよ。

心に深く刻まれた名演奏といえば、まずはモーツアルトの室内楽曲ですね。

弦楽四重奏曲第17番K458「狩」、と、第19番K465「不協和音」のカップリングCD(1979年~1980年録音)は、いまだワタクシにとっての同曲ベストであります。ノン・ヴィブラート奏法でありながら、シュレーダーさんのヴァイオリンは、無機質とか素っ気なさ、といったネガティヴ要素はなく、全編、愉悦感、歌心、ニュアンスの奥深さに満ちており、たまらんのであります。いやあ30年間聴き続けても、これを聴くと震える。

ちなみに、自分のブログでも、過去、シュレーダーさんに関する記述がいくつかありました。自分でもよく覚えてなかったけど、やっぱりモーツアルトを挙げていますね(過去記事→ここ2019年9月15日)。

さて、数日前からシュレーダーさんのCDをいろいろ聴きかえしてみたところ、じーーんと心に染み入ったのは、モーツアルトよりも、こちらでした。

シューベルト ヴァイオリン・ソナタ集(1978年~1979年録音)、です。

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フォルテピアノで伴奏するのは、盟友クリストファー・ホグウッドさん。昨今のヴァイオリン・ソナタ演奏というと、ヴァイオリンと鍵盤がガチンコ・丁々発止のせめぎあいを展開するスリリング系が多いですが、このCDはオーソドックスに、鍵盤は控えめで、主役はやっぱりヴァイオリンだよね~という大前提が「安心感」につながります。

ここでのシュレーダーさんの音色は、ラーメンでいえば、魚出汁ベースのスッキリ系透明スープ、麺は細麺、昭和35年創業の名店の味わい・・・と、訳の分からん比喩を使いましたが、つまりは古雅、しかし!昔ながらのスープの味にあぐらをかかず、攻めるところは攻める、そんなアグレッシヴなラーメン屋ご主人の心意気も感じられます(この比喩、ややこしいので、もうやめよう)。

さて今週末は、ヤープ・シュレーダーさんがインマゼールさんと組んだベートーヴェン、ヴァイオリン・ソナタ全集(1988年録音、CD3枚)を、じっくり聴くことにしましょう。今から土曜日が楽しみだなあ。

改めて偉大なるヴァイオリニスト、ヤープ・シュレーダーさんのご冥福をお祈りいたします。

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「ブダペスト展」を、乃木坂の国立新美術館で拝見したハナシ。 [絵画]

2020年1月某日。前回記事(アップは1週間以上も前ですが)の続きであります。

晴天平日、会社を午後半休して、個人的興味の発露により、渋谷中央街を探索したワタクシ。探索は午後2時に完了。道玄坂の空に、お天道様はサンサンと輝いています。酒を呑むにはちょっと早いなあ~さて、どうする?と考えたワタクシが向かったのは、地下鉄千代田線の

乃木坂

であります。乃木坂といっても、その名を冠したアイドルグループに興味があるわけではなく(生田絵梨花さんは良いと思うが)、ワタクシの目的地は国立新美術館であります。

過去何度か、日比谷線の六本木駅で下車し、そのたび「乃木坂駅のほうが、全然近いやんけ!」と自分にツッコみを入れてきた由。今回は同じ轍を踏むことなく、しっかり乃木坂駅で下車だぜえ。小さく満足、ププッ。

さて、国立新美術館に来た目的は、開催中のこの展覧会を観るためです。

ブダペスト展、です。2020年3月16日まで開催中。

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ブダペストといえばハンガリーの首都ですね。展覧会サブタイトル「ヨーロッパとハンガリーの美術400年」が示すように、ハンガリーの国立美術館が所蔵するお宝絵画が、どどーんと日本にやってきたらしい。

どれどれ、さっそく入場してみましょう。お、それほど客が多くない。要する空いている!ゴッホ展だのムンク展つうとバーゲンセール並みの大量・老若男女がひしめく日本の展覧会会場において、都心でこれだけ空いていると、もうその事実だけで嬉しいです。いや、こんなことに喜んでいて、どうする。オレは絵を観に来たのだった。

入場早々に目に入るのは、一目見て、クラナハ、と特定できる人物表現とタッチ・・・。当時好まれた寓意的題材、不釣り合いなカップル(好色な金持ち老人と、老人の財産を狙う若い女)を描いた作品ですね。

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私が、最後にクラナハの実物を観たのは、前世紀(といっても25年くらい前)のウィーンでしたので、ちょっと懐かしい気持ちにはなりました、以上。

うは、こちらは16世紀ヴェネティアで活躍した巨匠、ティツアーノですなあ。聖母の左におるのは聖パウロだという。この方、もともとはキリストを迫害する体制側の軍隊隊長でしたが、あるとき天からの光(啓示?)を受けて落馬し、以来、キリスト信奉者になった波乱万丈人生のお方です。こんな知ったかぶり知識を披露したのは、このハナシ、後につながるからですね、フフフのフ。

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さて、たくさんの作品をサクサクと拝見し、時代はいよいよ19世紀へ・・・ということで、ここからは、ハンガリーの画家たちのお宝作品が登場ですね~。正直、クラナハやゴヤ、エル・グレコよりも、そっちを観たいワタクシであります。

ドーン。ハンガリー19世紀の風景画といえば、マルコー・カーロイ先生であります。画面中央の輝く光!なんと美しいのだ!

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印象派だの立体派だのを知って、変に耳年増(眼年増というべきかな)になった日本人は、こーゆー絵をみるとすぐに「古くさい」「写真でいいじゃん」などと酷評するのだが、あなたね、ほんとうに自分の目で観て自分の頭で考えているのか?と申し上げたいです。美しいもの(風景)を、その美しさを誰もが分かる形でキャンバスに描こう、あまつさえ実物以上の美しさに仕上げたい、という高邁なる試みを、どうしてお前ごときが・・・と、あまり怒ってはいけませんナ。

こちらは、ムンカーチ・ミカーイによる肖像画。音楽好きならすぐにお判りでしょう。描かれているのは、作曲家でピアノの名手だったフランツ・リスト御大であります。

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この絵が描かれた4か月後にリストは亡くなっているそうで、まさに晩年の大音楽家の堂々たるただずまい、といったところでしょう。絵がけっこう大きいので威圧感もありましたね。

さて。

ついに、ワタクシが求める画家に辿り着きました。

チョントヴァ―リ・コステカ・ティヴァダル(←なんちゅうヤヤコシイ名前じゃ!)によるアテネの夜の風景を描いた作品です。ドーン。

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いや、これがどうした?と思うかもしれませんが、なんというか、変な雰囲気を感じませんか。これまで掲げた絵にくらべると、やけにシロウトっぽいというか・・・。

ちなみにハンガリーは、日本と同じく苗字が先、名前が後、に表記されるので、苗字がチョントヴァ―リとなりますね。作曲家バルトークは、バルトーク・ベラ、ですね。

さて、このチョントヴァ―リ(1853年~1919年)という方。もともとは薬剤師だか薬局の方なんです。美術になんの関りもないヒトでした。で、彼が27歳のとき、なんと、天からの啓示を受けるんですね。神(?)いわく「お前はラファエロを超える、偉大な画家になるぞよ」と・・・。落馬こそしませんでしたが、前述した聖パウロのようではありませんか!(話がつながった。パチパチ)

そこでチョントヴァ―リさん、薬のシゴトは放り出し、今日からオレ画家だもんね、ランニングに短パンで放浪旅に出るもんね・・・とはせず、生来実直な方のようで、40歳まで堅気に働いてお金をためて、そこから華麗に(?)画家へと転身したのです。美術学校で勉強したり(やっぱり実直だ)、その後20数年にわたり、不思議ちゃんな絵を量産したのであります。

興味のある方は、ネットの画像検索でチェックしてみてください。ちいさく感動?できるかもしれません。

私は、アウトサイダー・アートの流れでチョントヴァ―リさんを知り、いつかは実物を観たいと思っていたのです。つうわけで、新国立美術館でも彼の絵(たった1枚しかない、ケチ!)をジーッと凝視していた次第。

幻想的というか、プチ、シュールが入ったというか、なんとも言えない奇妙な味わいです。テクニックの拙さゆえか、あるいは狙ってやっているのかも分からない中途半端な空のグラデーション・・・。朝か夜かも判然としませんが、マグリッドの絵のような仕掛けという訳でも無し・・・。そうそう、馬の脚をみてくださいよ。お盆に茄子でつくる馬の、割りばしの脚のようでしょう。

うはあ、ツッコミどころ満載、完全に私のツボにはまりました。

ハナシは長くなりますが、マッジ・ギル、アドルフ・ヴェルフリ、セラフィーヌ・ルイ、といった病んでる系ぶっ飛びシロウトアートの人たちって、画面を埋め尽くそうと、変質狂的に細かく書き込みますよね。チョントヴァ―リさんは、さすが薬屋さんだけあって(?)その類ではなく、幻視系とでも言いましょうか、クービンやゾンネンシュターンのノリですね・・・と、知ったかぶりを始めると、割りばしの馬脚があらわれるのでやめておこう。

いやあ国立新美術館「ブダペスト展」、私なりに大いに楽しみました。ありがとうございます。

ここでハナシの蒸し返しになりますが、天からの啓示、をテーマにした物凄い映画を紹介します。ビル・パクストン(主演・監督)でタイトルは「フレイルティー 妄執(もうしゅう)」であります。神の啓示を受けた農夫が、とんでもないラジカルな行動に出るサスペンス・ホラーです。だまされたと思って、ぜひ一見を。ワタクシは映画館(今は無き銀座シネパトス)で本作を観終わったとき呆然自失でした。いやはや、啓示というのは一歩間違えると大惨事ですね。マカロニ刑事。ジーパン刑事。「なんじゃこりゃーー」・・・失礼しました。

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