岡山県のJR児島駅。ジーンズの街ながら宣伝文句控えめ、つう奥ゆかしさがヨロシイ。 [旅]
2021年8月。
一か月も前のハナシでナンですが、7月に出張で岡山県に行きました。行先(現場)の最寄り駅は「JR児島駅」です。倉敷市の南端にあり、そのまま電車で南に進むと、瀬戸大橋を渡って四国上陸というロケーションであります。
こちら、児島の街は「日本のジーンズ発祥の地」だそうです。ワタクシは疎いので、興味のある方はネット検索ください。行ったことありませんけど、駅から徒歩圏内に、児島ジーンズストリート、なる名所があるらしいです。
まあ、そんな事情を知らずとも、児島駅で電車を降りると、誰しもジーンズ雰囲気、を感じるのであります。たとえば、ホームにあるエレベータ昇降口のボックス。全面、ジーンズ風にデコレーションされてます。凹凸があるエレベータの扉さえも、ぴっちり仕上げてあり、お見事。
ホームから改札口に降りる階段です。下から見上げると、巨大なジーンズが描かれているではないか。
改札出る前の白壁に、でっかいジーンズが掲げてあります。
ここで気づいたのですが、構内に「説明・宣伝の文字」がほとんど見当たらないのです。たとえばです、上写真であれば、白壁に「国産ジーンズ発祥の街、児島へようこそ!」と書く、とか、そうゆう解説はしたくなるじゃないですか。
ところが児島駅は、その欲求をグッと抑え(たのかは分かりませんが)、文字など不要じゃ!分かるヒトに分かれば良いのじゃ!というストイックを貫くのであります。結果、ジーンズがものすごい「存在感」を放ち、サルトル的実存の域に達しておるのであります。
改札を出ました。さすがに、ここで「ようこそ。ジーンズステーション児島へ」という2行が登場したものの、わきに立つ鷲羽(わしゅう)山イメージのキャラが目立ちすぎでしょう。横におられる「妖怪ぬりかべ」的キャラが、本題である、パンダとジーンズを掛け合わせた「Gパンだ」らしい。このネーミング、なんともいえぬ、味ですなあ。
さらなるツボは、駅舎を出たアーケード歩道。上からぶら下がってヒラヒラしているのは、ジーンズそのものでしょうね。一瞬、魚の干物か!?と思ってしまいます。
ジーンズの街だから、ジーンズをぶら下げるのは全然アリ、なんだけど、かなりシュールな雰囲気、ちょっと怖いです。フィリップ・K・ディックの短編小説に、こんな風景が出てきたような・・・フト、思いました。
ジーンズの街、児島。恐るべし!と、ココロのなかで唸ったワタクシ。だが、そんなメインストリームに反旗を翻す(?)看板を見つけ、今度は、フーム、と唸ったワタクシでありました。
そうかあ、作業服もある、のですね。ジーンズ素材は耐久性があるので、アメリカでは作業着としてフツウに使われていましたもんね。別に今だって、それでいいじゃん、と考えますが、おっしゃっているのは「ファッションとしてのジーンズじゃなく、作業用に特化した商品もありまっせえ」つうアピールなのでしょうな。
そうそう、話は逸れますが、聞いたところ、ジーンズって人気商品はずいぶん高い(数万円)らしいじゃないですか。さらには、見た目ボロボロの汚い古~いジーンズが、数十万円、下手すりゃ100万円で取引、と聴くと、ワタクシなんぞは「あっしにゃ関わりのないことで・・・」と木枯し紋次郎的、伏し目がちのまま、立ち去りたくなります。本日は以上!
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